ヤブガラシ(藪枯らし)という植物
は、一般的には雑草として
忌み嫌われがちではありますが
私は子供のころから
この植物を結構好いておりました。
穂先の部分は
赤くて髭がヒュルルッと長くって
赤い龍みたいでカッコ良いし
淡いピンクとオレンジ色の小っちゃい花は
金平糖のように可愛いし。
─── と
そんな親近感があったため
夏の間中、我が家の庭のバラの木に絡みついていたヤブガラシを
私は放置していたわけなのですが
放っておいたら色々と
ヤバい事になるよ!
という情報を得たので
先ほどあわてて
むしり取って来ました。
(;・∀・)
色々とヤバい事というのは
具体的にはどんなことかと言いますと
モサモサ繁殖し過ぎてバラの木を覆ってしまいかねない
という
普通に考えられる事態の他に
人目に付く場所に植わっているバラの木をヤブガラシに巻き付かれ放題にしておくことは
庭の手入れをおろそかにしている感が丸出しという事もあります。
これはあたかも
「庭の手入れが行き届かないみすぼらしさの象徴」のように見られることから
ヤブガラシには
「貧乏カズラ」
なんていう別名もあるんだそうですよ。
とはいえ
私はヤブガラシがバラの木にフワリと被さって、花を咲かせているたたずまいは
むしろオツみたいに感じていたので
ビンボーくさいと思われるとかそんなことは
正直どうでも良いって感じだったのですが
一番ヤバいと焦ったのが
スズメバチを招きかねない!
って話なんですよ。
ヤブガラシの花は
蜜が甘~いので
虫たちの間で大変人気があります。
蝶も来ればアリも来るし
黄金虫もやって来ます。
そんなお客さん達に混ざって
来ちゃうらしいんですよ!
これはさすがに怖いので
速攻で撤去してしまいました。
バラの木に巻き付いていたのを引きはがし、地上に出ていた部分をむしり取ってきただけなのですが
ヤブガラシって
本格的に根っこごと撤去しようとすると
なかなか大変なんだそうですよ。
ところが
なんと
ここに裏技がありまして
根っこは植わったままでも
引きはがしたヤブガラシをクルクルとコードのように巻いて地面に放置しておくと
意外と素直にそのまま枯れてくれるんだそうですよ。
(厄介者のようでいて、意外と「話の分かる人」みたいな……)
ヤブガラシの花というと
花びらはあのオレンジやピンクの部分なのかと思われがちなのですが
実はその周りに反りかえっている緑の十字部分が花びらで
あのオレンジやピンクの所は
花盤(花托)という部分なんだそうです。
緑の花びらと4本のおしべは
開花後半日ほどで落ちてしまい
花盤とめしべだけが残るんですが
その花盤が
オレンジ色からピンクに変化していくんだそうです。
たしかに
写真をよくよく見て見ると
オレンジの花には4本のおしべがピョンピョン立ってるけれど
ピンクの花はめしべが1本だけで、シンプルな形になっていますねえ。
花盤の中央にめしべが一本だけ立っている様子。
これがまるでロウソクのように見えるところから、ヤブガラシには
「ロウソクバナ」(蝋燭花)
という別名もあるんだそうですよ。
(「貧乏カズラ」に比べれば、だいぶ良い名前ですね)
そんなヤブガラシですが
食べても結構
美味しいらしいです。
食べるのは
柔らかい穂先の部分が良いようで
アクやエグみをしっかり抜くために
茹でた後には
4時間〜一晩くらい水に漬けておくそうです。
(塩や重曹を入れて茹でれば、もっと早くアク抜きができるみたい)
アク抜きをしたヤマガラシは
お浸しなどにすると山菜のような感じで、かなり美味しいみたいですよ。
ぬめりがあって
ワラビとかモロヘイヤに似ているとのこと。
ほほぉ〜……
その辺のいたるところで手に入る雑草で、そこまでの美味であるとは……
ちょっと食べてみたくなりますよねえ……。(゜.゜)
さてさて
繁殖力旺盛で「藪をも枯らせてしまう」と言われるほどの厄介な雑草でありながら
クルクル巻かれて地上に放置されるとアッサリ枯れてしまう、昆虫たちに大人気のジューススタンド
そして
どうやら人間にとっても食べて美味しいらしいヤブガラシ
「積極性のある」!
「攻撃性に富んだ」!
「不倫」!
─── だそうですよ。(;・∀・)
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