TODAWARABLOG

戸田蕨です。小説書いてます。よろしくお願いします。

万葉集にある変な歌~本当にこんな解釈で合っているのか、専門家の人にぜひとも解説していただきたいです。

「令和」という元号の出典となった事もあり

最近、とみに注目を浴びている

万葉集

 

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万葉集に描かれた美しき日本の姿

というような本も

次々に出版されていますが

 

数多くの歌が収録されている中には

一体なぜ

どのような意図があって

このような歌を選んだのだろうか

 ちょっと理解に苦しむような歌があったりもします。

 

今回はそんな中で

私が特に疑問を持った歌

をご紹介いたします。

 

 

それは

巻二十にあるNo.4396の歌で

 

堀江より 朝潮(あさしお)満(み)ちに 

寄るこづみ

貝にありせば つとにせましを

 

─── というもの。

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あれ、何かが打ち寄せてきてる。貝殻だったら拾って帰ろう。

 

これを現代語訳いたしますと

 

朝、海の潮が満ちて

川のほうにまで「こづみ」が寄せて来たよ。

これが貝だったら

お土産にするのになあ……。

 

そんな感じの意味になるのだと思います。

 

その心は

 

もうすこしくだけて言えば

 

滿汐に乗ってぷかぷかと川辺に寄せて来た「こづみ」

最初、貝かと思ったから

土産に拾って帰ろうかと思ったけど

よくよく見てみたら

なんだ「こづみ」か。

ガッカリ……。

 

こんな感じになるのでしょうか。

 

さて

ここで疑問に思うのは

「こづみ」って何?

という所だと思います。

 

ところが、この言葉

ネットで検索してみても

どういうわけか出てこないんですよ……。(-_-;)

 

だから実は今回

 

私はこの歌の解釈に

あんまり自信ないんですよね……。

 

なんだかこの言葉

宇宙的な広がりを感じるような気もするし……

 

もしかして

COSMIC!?

 

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……ではないな。

きっと……。

 

ちなみに

 

この歌の前についている詞書(ことばがき)には

このように書いてあり

 

「こづみ」という言葉には

こんな字が当ててありました。

 

ひとり 

江の水に浮かび漂へる

 糞(こづみ)を見て、

貝玉の拠らざるを うらみて作れる

 

佐々木信綱編

岩波文庫版 新訂 新訓「万葉集」より

 

え~~~っ!!

 

って事は、 つまり

 

「こづみ」って

たまに道端なんかに

ワンコさんのやったやつが落ちてる

 

アレってことですか!?

 

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ままままじですか~!?

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貝殻じゃなくてアレですか。。。

 

いやいや

 

たとえその近くに珍しい貝殻があったとしたって

 

そんなモノの近くにある貝殻

拾う気になんかなれないでしょ!!

(人間のだったら超絶イヤですね)

 

そんなものが漂っていた所で拾ったもの

お土産になんかもらったら

すごくイヤ!!

 

その状況知ったら

絶交しちゃうかもしんない!!

 

 

─── この歌

本当にこんな意味なのでしょうか……?

 

そうだとすれば

 

なんでこんな歌が収録されているのか

すぎます。

 

はるかなる時を超えてあらわれた

万葉ミステリー!

 

ここは

ぜひとも

万葉集の専門家のお話を

お聞かせ願いたいところですね……。

 

 

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 ------

追記

 

その後ネット上を色々漁ってみましたところ

万葉集の膨大な歌を現代語訳しておられる方のブログに行き当たりまして

 

ついに

「こづみ」の謎が

判明いたしました!

 

どうやら「こづみ」

「木糞」とも書くらしく

 

「木屑」という意味らしいです。

 

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「木だよ~、木!」

 

あ~~~良かった。

アレの事じゃなくて。

 

なまじ漫画とかで描かれるアレ

巻貝に似てるもんだから

もう、てっきりそうかと思っちゃいましたよ……。(^^;)

 

 

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関連記事のご案内

 

 

万葉集にある変な歌 Part2!!

todawara.hatenablog.com

 

 

 万葉集の素敵な歌

todawara.hatenablog.com

 

 

 

 私の小説もぜひよろしくお願いします。

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台風スウェル

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