TODAWARABLOG

戸田蕨です。小説書いてます。よろしくお願いします。

埋蔵金を発見してしまった時に知っておきたい、夢もロマンもすっかり消し飛ぶ法律知識。

先日

「コツコツとマイルを貯めた甲斐あって、ついにJALの国際線ファーストクラスに乗ったよ!」

という方のレポートブログを読みました。

 

何となく想像はしていたけれど

ファーストクラスって

夢のような贅沢さですね!!

 

チェックインカウンターにはレッドカーペットが敷かれてるし

ファーストクラス用のラウンジもウットリするほど素敵。

 

搭乗する前から贅の尽くされた、特別な時間が始まっているんです。

 

もちろん飛行機に乗ってからも、まるで夢のようなひととき。

まさに

空飛ぶ竜宮城!

 

 

うらやましぃぃぃぃ~!

人生で一度でいいから乗ってみた~い!

 

そんな風に思うのですが

 

成田~ロサンゼルスのファーストクラスの搭乗券は

なんと

片道で170万円もするそうです。

 

無理だ~!!!

 

たとえコツコツ貯金して、そこそこの大金を貯めたとしても

 

たった10時間のフライトのために

170万もポンと出せるほど豪気じゃない~!!!

 

 

───でも、ですよ……?

 

もし

 

宝くじみたいな

「棚からぼた餅」的なお金が

ポーンと入ってきたとしたら

 

その時こそ

そんなに気にせずお金を出せちゃうかも……?

なんて思いませんか?

 

───で

そんな時にふと考えるのが

 

その辺の竹やぶにでも何億円か落ちてないかな

とか

ひょいと埋蔵金でも掘り当ててみたいな

なんていう夢想……。

 

 

もしも実際に隠されたお宝を発見したら、どうなるんでしょうね?

 

という事で

 

 大変に長い前振りでしたが

今回はそこのところ

 

ティーブンスンの冒険小説

「宝島」に重ね合わせて

見ていきましょう!

 

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♪ 海賊の宝の地図を頼りにして

♫ 長い船旅の果て たどり着いた宝島

  ヨー・ホー・ホー!

 

♪ 欲の皮の突っ張った船乗りたちが

♫ 真っ二つに分かれて血みどろ内紛の末

♬ ついにお宝を見つけたぞ

  ヨー・ホー・ホー!

 

 

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「みなさん、ちょっと待ってください!」

 

 

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「あぁ?なんだよ、あんた」

 

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「物を拾った時にはまず

警察に届けないといけませんよ。

それがたとえ自分の土地であったとしても

届けないと遺失物横領で罰せられてしまいます」

 

「なんだこいつ

ゴチャゴチャとうるせえ事ぬかしやがるぜ」

 

「拾ったものには遺失物法が適用され

通常の落し物の場合は公告後3か月

埋蔵物の場合は6か月の保管期間

があります。

その間に持ち主が現れない時に限って

発見者がそれをモノにすることが出来るのです」

 

「なんだと?

このお宝、無条件で全部オレ達のものになるってわけじゃねえのか」

 

「持ち主の野郎とやらが現れちまったらどうなるんだい」

 

 

「持ち主が現れたら、

発見者はそのお宝の5~20%くらいの報奨金がもらえる事になっています」

 

「5%から20%だぁ~?」

 

「ケッ、たったそれっぽっちかい。馬鹿くせえ」

 

「しかも、埋蔵金が持ち主の手に渡ってから、

1か月以内に報奨金の請求をしなければ、

その権利は失なわれてしまいます

 

「なんだとぉ~~~」

 

 

「その上、発見場所が他人の土地だった場合には

たとえ規定期間内にお宝の持ち主が現れなかったとしても

お宝の分け前は

発見者と土地の所有者とで半分こ

ということになります」

 

「土地の所有者~?……」

 

「おい、この島の所有者っていったい誰なんだ?」

 

「誰だって構うもんか。おれら荒くれ船乗りだ。

こんな野郎の言う事なんか無視だ無視」

 

 

 「私を無視するくらいなら構いませんが

法律を無視しちゃいけませんよ」

 

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「しかもこのお宝って、

見るからに歴史的美術的な価値が高そうですよね」

 

「おおよ。見た所、ざっと100年ぐれぇは昔のお宝に違ぇねぇ」

 

「そうなると、事はさらに厄介ですよ」

 

「えっ、それどういう事……?」

 

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歴史的や美術的価値が高いものという事になると、

今度は遺失物法ではなく、

文化財保護法の対象になってきます。

文化財保護法により、

これはもう、国や都道府県が管理すべきレベルの超お宝です

という判断をされてしまうと、

このお宝は国や都道府県の手に渡る事になってしまいます」

 

「え~~~!!」

 

「オレ達の手には何にも残らないのかよ!!」

 

「お宝が発見された土地の所有者と発見者は、

一応そのお宝の価値相当分の報奨金を貰える事になっているのですが……」

 

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そのお宝を市場に売り出した場合に得られるであろう価格と、国が付ける価格の間にはかなりの開きがあり……

報奨金の額はかなーり安かったりするらしいですよ……

 

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「………………」

 

 

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「こ、こ、こうなったら

お宝を国や都道府県に取られねえように

徹底抗戦しようぜ」

 

「お宝が国や都道府県の物にならず

発見者に現物の所有権が与えられる場合もあるのですが

そうなると今度は

それをちゃんと保管する義務が発生し、

勝手に売ったりしてはいけないそうですよ」

 

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「チクショ~~~!!!法律の野郎め~~!!!

これじゃぁ、冒険もロマンもあったもんじゃねぇ!!!」

 

 ---------

 

全く…………

法律にかかっては

夢もロマンもありゃしませんね。(-"-;)

 

夢のファーストクラスに乗るには

 

先のブロガーさんのように

コツコツとマイルを貯めるのが

一番の近道なのかもしれません……。

 

 

 

 

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こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。

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台風スウェル

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