特別信心深いわけでもなく
信仰している宗教もない私ですが
仏教とか世界の神話関係の本を読んでいるうちに
日ごろ街なかや観光地などで見慣れている神様仏様たちの間に
「えっ、そうだったの!?」
と思わず言ってしまいそうになる
意外な関係性がある事を知ったので
今回はその事 ────
「神様たちの関係性」について
書いてみようかと思います。
まず
日本の仏教における
神様仏様たちの位置づけはどうなっているかというと
一番高いポジションに
悟りをひらいた仏様である
如来がいます。
その下に
如来になるための修行を続けている
菩薩と
如来がコワモテな姿に変身した
明王がいます。
上記の仏様たちはすでに
解脱している存在なので
浄土という所に住んでいます。
ここは
生まれ変わり死に代わる
輪廻転生のループの外にあります。
さて
その下に六道という
六つの世界があるということになっています。
それは
天道
(神様たちが住む世界)
人道
(人間の世界)
(戦闘神阿修羅が住み戦い続ける世界)
(人間以外の生物の世界)
餓鬼道
(空腹と渇きに苦しむ世界)
(罪を犯した者が落とされ拷問され続ける世界)
という六つの世界なのですが
ここにいる存在は皆
輪廻転生を繰り返している存在で
死後、次の誕生の際には
どこに生まれ変わるかわからない
という事になっています。
それにしても
人間や動物ならわかるけど
天道に住んでいる神様たちまで
次にどこに生まれて来るかわからないなんて
意外ですよね……。
──── で
その天道の神様たちの
最高位にいる2トップが
と
です。
多くの神様たちはインド神話に源流があるのですが
梵天は
インドの創造神ブラフマンで
お釈迦様に仏教の布教を勧めたという神様
帝釈天は
英雄神インドラで
お釈迦さまをフォローしその説法を聴聞した神様
そのような功績があるために
この2神は
天部の神様界の2トップとして君臨しています。
さて、ここで
このお二方の
奥様をご紹介いたしましょう。
まずは梵天さんの奥様から。
それは皆さまも良くご存じの
七福神の中の紅一点
水辺に祀られていることの多い神様
弁財天です。
琵琶を抱えた姿で良く知られている
言語、学問、音楽の女神様ですが
彼女のルーツはインドの川の女神
サラスヴァティーです。
実は
我が娘のあまりの美しさにブラフマンは熱烈な恋に落ちてしまい
無理やり奥さんにしてしまったんだそうです。
一方
帝釈天の奥さんは誰かと言うと
なんと
戦闘神として知られる
阿修羅(アスラ)の娘
シャチ―です。
帝釈天が親元にいたシャチ―を強引に奪った事から阿修羅が激怒し
天界全体を巻き込んだ大戦争に発展してしまいました。
英雄神VS戦闘神
の
その結果
阿修羅は復讐に燃える悪鬼になってしまい
天界から追放されてしまったんだそうです。
阿修羅
気の毒!!
(とは言いながら、阿修羅は仏教の守護者である「八部衆」というグループのメンバーには入れてもらっているようですが)
このようなトップ二人の下に
さらにたくさんの神様たちがいるのですが
弁財天と同じ七福神のメンバーである
彼のルーツは
インドの繁栄維持の神
ヴィシュヌ神です。
(それと北方守護の神クベーラの習合)
彼は七福神だけではなく
四天王というユニットのメンバーでもあり
その時には
多聞天(たもんてん)と言う名前を名乗って
北の方角を護っています。
ちなみに他のメンバーは
南方守護担当増長天
西方守護担当広目天
東方守護担当持国天
です。
毘沙門天としての彼は
梵天の下に位置づけられている状態にあるのですが
ブラフマン(梵天)とは肩を並べるほどの存在で(しかも人気は彼よりも上だったりする)
もう一人の神シヴァ(破壊と再生の神)と三人で
3トップと称されています。
ちなみにこのシヴァ神
来日後に大国主神と合体して
大黒天になり
七福神のメンバーとなっています。
──── で
五穀豊穣をもたらす女神であり
美人として名高い
吉祥天
インドでの名はラクシュミーで
美と繁栄の神様なのですが
彼女のお母さんは
その昔
他人の子供を誘拐して食べるという悪行を繰り返していたものの
お釈迦様から諭されて改心したという
子育ての神
鬼子母神(訶梨帝母 かりていも)
なんです。
こうして見てみると
神様たちの繋がりって
かなり意外じゃありませんか?
まさか神様同士でカップルになっていたなんて
今まで全然気が付きませんでした。
これってなんだか
高校を卒業した直後に
「実はあの人とあの人って付き合ってたんだよ」
と知らされた時の気分にすごく似ています……。
そんな天道の神様たちにも、いよいよ寿命が来てしまった時のお話はこちら!
福の神ガネーシャさんに(聖天様)に降りかかった災難の数々。
こちらは神道系の日本の四季の神様たちのお話です。
こちらは私の小説です。よろしくお願いいたします。