近所を散歩していたら
よそのお宅のお庭に咲く綺麗な菊の花が目に入ってきました。
秋ですねえ~。
菊の花と言えば……
私が幼かったころ
当時京成電鉄沿線の谷津にあった
谷津遊園という大きな遊園地の
菊人形展に毎年のように連れられて行ったこと
を思い出します。
(谷津遊園は東京ディズニーランドが開園した前年の年末に閉園しました)
マネキンのように
リアルな人物像に
菊花でこしらえた時代劇衣装をまとわせた菊人形。
父も母も
「綺麗だねぇ~」
と喜んで鑑賞していましたが
小学校入学前の私にとっては
ただただ恐ろしいもののように感じられていた記憶があります。
怖がりだった当時の私は
「菊のお花はそのままで充分綺麗なのに
どうしてこんな不気味な人形に飾り付ける必要があるんだ……」
と思っていました。
(人形師さんごめんなさい)
リアルでありながら本物の人間とはどこか違う人形が
私の感覚の「不気味の谷」に入ってしまっていたんでしょうね。
(人形やロボットは人間そっくりの姿になるに比例して好感度を増していくのですが
そっくりさがある部分まで到達すると「不気味だ」と感じさせてしまう所があり
菊人形の歴史は古く
その起源は
江戸後期に江戸の染井村(駒込)や巣鴨周辺で流行していた菊細工にあるそうです。
その頃、本物の人間そっくりの
「生人形」(いきにんぎょう)というものが流行っていて
菊人形の頭や手足は
それらを作っていた「生人形師」たちが担当していたんだそうです。
人間そっくりの人形を使うという点が幼い私にとっては何よりも
怖いポイントだったわけですが
それにはこんなに古い伝統があり
菊と人形は切っても切れない
一心同体のもの
だったのですね。
鮮やかに咲き誇る菊の花は美しい。
それを衣装に仕立ててあるのも大変見事で素晴らしい。
でも、なんか怖い。
綺麗なんだけどちょっと不気味。
けれども、その複雑な味わいが
大人となった今では
なんだか面白いような気がします。
菊人形って
大人の楽しみ
なのかもしれないですね。
とはいえ
近頃は、菊人形展の開催も減少傾向にあるんだそうです。
そう聞くとなんだか寂しい……
大人になった私はもう
それほどの怖がりでもなくなったので
久しぶりにまた見に行きたいような気もします。
菊人形の題材となるものは
その年ごとに放送されているNHKの大河ドラマが多いそうです。
えーっと
今年(2019年)の大河ドラマはと言うと ────
えっ!?
「いだてん」!?
時代劇ならともかく
オリンピックをテーマにした現代ものの
「いだてん」を
菊人形に出来るものなんでしょうか!?
そう思いながらネットで検索して見たら
今年
各地で開催された(されている)菊人形展は
しっかり
「いだてん」を
菊人形に仕立てていました!!
スポーツ選手の
体操服や水着が全部菊!!
いや~
驚いてしまいました…………
これを菊でやろう!
という意気が何とも素晴らしいですね。
ちょっと
生で見てみたいような気がしてきました。
こちらは私の小説です。よろしくお願いいたします。