TODAWARABLOG

戸田蕨です。小説書いてます。よろしくお願いします。

小説ってなかなか読んでもらえないし全然稼げない。それでもやっぱり小説はサイコーに良いものだと思います。

漫画や実用書と比べると

売れやすさにおいて完全に引けをとってしまうのが

小説というジャンルです。

 

ほとんど売れないかもしれない……

誰にも読んでもらえないかもしれない……

 

それなのに

どうして小説を書くのか?

 

と言えば

 

私の場合それは

やはり

 

小説というものが大好きだからです。

 

過去の読書体験を通して

 

小説の

凄さ、素晴らしさとか

 それが持つ

 時空を超越した力とかを

実感させてもらっているから ───

 

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「小次郎っ。負けたり!」「なにっ」

 

だって

 

単に紙に文字が書かれているというだけという

超シンプルな形態でありながら

 

何十年、何百年も昔の物語

今、それを読んでいる私の心を揺さぶる

を持ち続けているんですよ?

 

文字とか言葉って

本当にすごい道具だと思います。

 

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三国志」!

 

昨今あまりの売れなさに

時に

 

「小説はもはやオワコン」

(※オワコン=時代遅れの終わったモノ)

 

などと言われたりする事もありますが

 

小説がオワコン化するなんて有り得ない。

 

という私の思う所を

ちょっと語らせていただきますね。

 


小説というのは

娯楽の一種ではありますが

受け身の姿勢で楽しめるものではありません。

 

これが

音楽だったら

聴きながら何かをする事が出来るでしょうし

絵画だって

壁に掛けながら楽しむことが出来ますよね。

 

でも小説

「ながら」という状態で

気軽に楽しめるものじゃないんです。

(そんな所が、忙しい生活を送っている人にとっては、ちょっと手に取る気になれないと思われてしまう部分ですね)

 

また

「物語が好き」という人は多いものの

小説って漫画ドラマ映画とは違って

見た目には文字しかないというものなので

 

そこに書かれているお話の全てを

自分の中で想像して脳内で視覚化しなくてはなりません。

 

(パッと見で面白そうと思わせてくれるような視覚的な吸引力は

表紙やタイトルや帯ぐらいにしかありませんからね……)

 

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SF!

 

けれども!

 

いや

 

だからこそ!

 

登場人物の姿かたち

声やしぐさ

小説内の舞台となった場所の雰囲気

音楽や色彩など

 

物語にえがかれた全てのものが

 

読み手にとって

一番しっくりくるイメージとして

心の中に再現され

立ち上がって来るんです!

 

 

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サスペンス!

 

 

これって

凄くないですか?

 

心の中に立ち現われて来る映像イメージは

読み手にとってはその人の

完全オリジナルのものなんです。

 

文章で書かれたお話を

自分の脳内で

まるで映画監督みたいに

一番しっくりくる形で

映像化できてしまう。

 

小説とは言わば

 

書き手と読み手の共同作業

で作られる

完全オリジナルの脳内映画

みたいなもの

と言えるでしょう。

 

 

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たとえ

どんなに大掛かりなスペクタクルでも

どんなに超人的で絶対不可能に思えるアクションでも

どんなに有り得ないほど魅力的な美男美女だって

 

小説であれば

自分が一番納得できる像として

再現できてしまうんです。

 

特別な機械なんか何も必要なく

ただ文章が書かれているだけの

見た目は地味で素朴なものなのに。

 

 

小説、凄っ!

 

 

これって

漫画の場合で言えば

 

読んでいる時に

キャラクターのだけは

自分なりのイメージで脳内再生しているから

 

その作品がアニメ化された時なんかに

声優さんの声が

「ちょっとイメージと違う……」

って感じてしまう時がありますよね。

 

イメージの大部分が読者の想像に任されているという所が

小説にとっては

「面倒くさそう」

と思われてしまう弱点ではあるのですが

 

まさにその部分こそが

「読者が好きなように想像できる」

という

最大の魅力

でもあるんです。

 

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ロマンス~

 

ところで

 

今の時代

 

過去に出版された膨大な数の名作小説

新古書店などで

大変なお手頃価格で手に入れることが出来るようになっていますが……。

 

そんな風に

 

すでに読み切れないほどの名作が

溢れかえっているというこの時代に

 

これ以上

新たに小説を生み出す必要は

あるのだろうか?

 

ふと

このように思い悩んでしまう作家さんもおられるかと思いますが

 

そこの所は私は

 「ある!」

と断言しておきたいです。

 

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古典の名作

 

 

今の時代を生きる人間には

今の時代を生きる人間ならではの

想い悩み葛藤

というものがあります。

 

そういう時

 

同じ時代を生きている他の人(作者)が

何をどう見て

どう感じて

どのように考えているのか

 

そのような事を知る事は

自分が生きていく上での参考にも、助けにもなるでしょうし

 

また何よりも

そういう所に

同時代人たる私は興味を感じるからです。

 

理路整然とした、論文的な文章も良いですが

 

微妙だったり複雑だったりする心理面の事だとか

 

ぼやぼや~っとしてたり

モヤモヤ~っとした

空気感のようなものを描くのには

 

やっぱり

 

小説の右に出るモノは

無いんじゃないか

 

と思います。

 

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さて

 

私が毎日楽しみにしている習慣に

 

朝夕刊の

新聞小説を読む

というのがあるのですが

 

これがツボに嵌る面白い小説だと

毎日、新聞を開くのが楽しみになってきます。

 

 去年、読売新聞の朝刊で連載されていた
浅田次郎さんの
「流人道中記」
という小説は

 

人情の機微がとても細やかに描かれていて

本当に素晴らしく感動的で
何度も泣いたり笑ったりさせてもらっていたので

終わってしまった後は何だか寂しくて
「流人ロス」

になってしまいそうでした。

 

けれども

その後に始まった阿川佐和子さんの
「ばあさんは15歳」
という小説が

 

コミカルなタッチや昭和30年代のホンワカと温かく優しい雰囲気など

私の大好きなテイストで

今後の展開をハラハラドキドキ期待させてくれるため
「ロス」にならずに済んでいます。

 

新聞小説って

毎日少しずつ物語が積み重なって

長い物語が出来上がっていく過程が

 

今まさに作られている!

 

っていう感じで

ライブ感がありますよね。

 

休むことなく毎日規定枚数を書かなければならない作家さんと

挿絵を描いている絵描きさんは

きっとものすごく大変でしょうが

 

この伝統は

これからもずっと続いて行ってほしいものだと思います。

 

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ファンタジー

 

 

 単に

アニメや漫画やドラマや映画の

原作にされるだけ

というものではなく

 

言葉の魔術で心の中に

読者一人一人の

オリジナルの空想世界を展開させるのだから

 

 

小説って

 

本当に

イケてるコンテンツ

だと思いますよ!!

 

 

想像力と文章力さえあれば

誰でも作り出すことが出来るから

書いて楽しむ人の数も多い。

 

書くのが好きな人は大概

読むことも好きな場合が多いから

 

 

小説がオワコン化

する事は

きっとありません。

 

 

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「イェ―ーーーーィ!!!!!」

 

 

ただ残念なことに ────

 

お金儲けには

 全然向いてない

 んですけどねぇ~…………。

 

 

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しょぼ~ん。。。



 

 

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こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。

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台風スウェル

台風スウェル

 



 

 

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