辞書を見ていたら
「ドウダンツツジ」の漢字表記が「満天星」
であることに気が付きました。
「満天星」だなんて
なんと
ロマンチックで可愛らしいネーミング!!
日本原産の落葉低木。
よく、植え込みとかに使われていることで
馴染み深い木ですよね。
地域によって、いくらかズレがありますが
新葉が出てから約1週間後くらい
4月上旬~5月中旬ごろに
スズランみたいな形の花がいっせいに咲き出します。
新緑に映える可愛らしい花も魅力的ですが
秋には葉っぱが燃えるような紅葉になり
これもまた
とっても綺麗ですよね。
「ツツジ」とは言いながら
あまりツツジっぽくない花の見た目もさることながら
「ドウダン」となんぞや?
というのが気になる所ですが
ドウダンツツジの「ドウダン」は
枝先が三本ずつに分かれている様子が
昔、宮中などで夜間の明かりとして用いられていた
「結び灯台」の脚のところに似ている
ということで
その「トウダイ」が転じて
「ドウダン」になったんだそうですよ。
このドウダンツツジが
「満天星」
と書かれるようになった由来は
むかーし昔
霊薬を練りながら作っている際に
この木にうっかり霊水をこぼしてしまいました。
その霊水の滴はやがて固まると、壺状の花となって
満天の星のように輝いたんだそうですよ。
なんだか微笑ましいエピソードですね。
私の手元の辞書(角川「国語辞典」)では
「満天星」の三文字で
「どうだんつつじ」
と読むように書かれているのですが
ネットを見ていると
「満天星躑躅」と表記して
「どうだんつつじ」としている場合の方が多く
どうやらこちらの方が一般的みたいですね。
俳句などでも
「満天星」で「どうだん」
が春の季語
「満天星紅葉」(どうだんもみじ)
が秋の季語として使われているようです。
ところで
日本原産
それなのに
「満天星」の由来が
中国の故事であるというのは
一体どういうこと
なんでしょう!?
そこの所に
私はいささか
引っかかりを感じてしまったのですが
調べて見ると
ドウダンツツジの仲間は約10種類あり
それらは、日本を含む東アジアとヒマラヤに分布していて
中国には
「中国ドウダンツツジ」
別名「香港ドウダンツツジ」
というのがあるんだそうです。
日本でよく見るドウダンツツジの白い花も清楚で素敵ですが
こちらの淡いピンク色の花も可愛いらしいですねえ。
香港ドウダンツツジは寒さに弱い常緑樹で
春節の頃に花が咲くため
縁起の良い木とされているそうです。
園芸品種としては
「ピンクシャンデリア」
という名で呼ばれているそうですよ。
ドウダンツツジには
変種も多くありまして
日本に自生しているもの(4種類)の中には
このようなものもあるそうですよ。
こちらは
更紗染めを思わせる所から名付けられた
サラサドウダン
(別名 風鈴ツツジ)
この花
ものっすごく
可愛くないですか!?
ここまで可愛いと
さすがに世間は
放ってはおかないようで
このサラサドウダンは
長野県南佐久郡小海町
などの
自治体の花に指定されています。
そしてこちらは
まるで童話に出て来る「赤頭巾ちゃん」を思わせるような
ベニドウダンです。
ベニドウダンは
別名をチチブドウダンとも言うそうですが
近畿地方を境に
東では「秩父ドウダン」
西では「紅ドウダン」
と呼ばれているようです。
満天星という
ロマンチックな漢字表記をされる
その花言葉は
「節制」「返礼」「上品」
などの他
「愛の喜び」「可愛い人」
とか
「素直な告白」
「私の思いを受けとめて」
などがあるそうですよ。
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