TODAWARABLOG

戸田蕨です。小説書いてます。よろしくお願いします。

海辺で見つけた怪しい軟体生物〜イソギンチャクか?ウミウシか?否、「オトメガサ」だ!!

海辺を歩いていると、よく

不思議なもの

を見つけますよね。

 

ニョロニョロと、とぐろを巻いている貝殻だとか

(それはヘビ貝です)

 

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黄色っぽい寒天質のラーメンみたいなのとか。

(それはアメフラシの卵です)

 

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波打ち際に転がっている

グニョグニョした茶色い軟体動物とか

(アメフラシです)

 

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岩場にくっ付いている

虫の化石みたいなのとか

(ヒザラガイです)

 

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このように、

今どきはスマートフォンで調べれば大概のものは

チャチャッと正体が判明してくれるのですが

 

過去、私が出会った海辺の生物の中で、

あまりに情報が少な過ぎるために

数年間モヤモヤしたあげく

近頃よ~うやく正体が判明したもの

2体ほどあります。

 

この生物たちについて

 

もしかしたら

私と同じように、現在モヤモヤされている方がおられるかもしれませんので

 

今回はこの生物達についての記事を書いてみようかと思います。

 

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謎の生物 その1

 

これは10年ほど前に千葉の勝浦の海の岩場で、子供が発見したのですが

岩場にべったりと貼り付く

小さな黒っぽい軟体生物で

 

一見、イソギンチャクかな?とも思えたのですが

もっと平べったくて、真ん中に貝みたいのが入っていて

 

木切れで表面をガシガシ触って見ると

貝っぽい所の面積がビョョ~ンと広がり

やめると縮まったりしました。

 

岩場にはピターッと強力に貼り付いていて

容易には剥がれそうにない感じがありました。

 

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子供がこれを

ゼットンだ!」と言うので

私たちはとりあえず、その生物を便宜上ゼットンと呼ぶことにしました。

 

(多分、色合いがゼットンに似ていたから)

 

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ウルトラ怪獣ゼットン 別名「宇宙恐竜」

 

で、

このゼットン正体は何なのか?

私たち親子は非常~に気になったので、色々と調べて見たのですが

 

ネットを調べて見ても、これだという情報が見当たらないまま、何か月かが虚しく過ぎました。

 

そんなある日

謎の生物2に

出会ってしまったのです。

 

 

謎の生物 その2

 

それを見たのは葉山の森戸海岸でした。

波打ち際の岩場になった所に

 

大きさといい、形といい、ビワの実を思わせるような軟体生物がいくつも転がっていたのですが、

 

それらを良く見てみると、どうやら体内に貝のようなものを抱いている感じなのです。

 

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アメフラシか、ウミウシの仲間か?

とも考えられたのですが、

それにしては形があまりにもコロンとしてシンプル過ぎるような気がします。

 

近くにいた、いかにも海に詳しそうなおじさんに

「これ何でしょうね?」

と尋ねてみたら

「ああ~、こいつは結構いるんだよ。噛みつかれるから気を付けな!

と言われ、ビックリしてしまいました。

 

こいつは

そんなに凶暴な生き物だったのか!?

(*_*;))

 

軟体生物な上に貝のような物を抱いているので

私はこれはゼットンの別の姿なのではないか?と思いました。

 

しかし

ネットなどで調べて見ても、依然としてこれら謎生物の正体はわからないまま

数年が経過してしまいました。

 

が!!

この度

ようやくこれが判明いたしました。

 

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「やったどー!!!!」

 

まず

謎の生物1なのですが

これは

オトメガサ

という貝の仲間でした。

 

スカシガイ科の1つで、磯辺の石の裏などによくくっ付いているそうです。

 

この姿から、貝をもつウミウシアメフラシの仲間だと間違われることが多いみたいです。(私も一時はそうかと思いました)

 

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貝を包む外套膜(軟体部分)は全体的に黒いものと、茶褐色でマダラのあるものがあるそうです。

 

漢字で書くと「乙女笠」

どの辺がどう乙女の笠なのかよくわかりませんが

ずいぶんと可愛らしい名前ですね……。

 

そして

謎の生物2の方

 

これも私は、きっと貝を持つウミウシだろうと見当をつけ、

恐らく「ミスガイ」(大きな貝を背中に持つウミウシ)ではなかろうかと、ほとんど断定しかけていたのですが

 

それにしても、形がコロンとし過ぎていることが引っかかっるんですよねえ。。。

(ミスガイはもっと、軟体部分がヒラヒラしてるんです)

 

そこでさらにしつこく調べた結果

 

タカラガイだと判明しました。

 

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タカラガイと言えば

貝殻としてはかなり

メジャーな存在

 

ツヤツヤとして美しいので、場所によっては貝貨(貝殻のお金)として使われることがあったり、アクセサリーにされたりする貝です。

 

なので

灯台下暗し!」という、

なんだか悔しい気分になったのですが

 

タカラガイの貝殻はよく見るけど、

生体を見る事って、あんまり無いですからねえ……。

 

タカラガイの生体は

貝殻のほとんどを外套膜(軟体部分)で覆っているので、ウミウシみたいに見えるんだそうです。

 

この外套膜が、炭酸カルシウムを分泌して貝殻を作り、

さらには

フジツボみたいな付着生物が付くのも防いでくれるため

 

タカラガイの貝殻は

ツヤツヤした美しさが保てるんだそうですよ。

 

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タカラガイは雑食性で

海綿や海藻などを食べているそうです。

 

海辺のオジさんが言った

「噛みつくよ!!」

というのは完全にガセでした。

 

 (からかわれていたんですね……)

 

 

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海辺の生物って

不思議な形や生態をしているものが多くて

ちょっとSFっぽい感じがしますよね。

 

海辺の散歩は

景色も気持ちが良いし

 

足元を見ているだけで

色々と発見できて楽しいですね。

 

 

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こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。 

 

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台風スウェル

台風スウェル

 



 

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