TODAWARABLOG

戸田蕨です。小説書いてます。よろしくお願いします。

ドロップについて〜「サクマドロップス」には「サクマ製菓」のと「佐久間製菓」の、2種類あった!!

先日はしとしとと雨が降っていたせいか

頭の中にこんな歌が

ぐるぐると流れ続けていました。

 

むかし 泣き虫神様が
朝焼け見て泣いて 
夕焼け見て 泣いて
真っ赤な涙が ポロンポロン
黄色い涙が ポロンポロン……

 

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これはNHK

みんなのうた

1963年10月〜11月に放送された

「ドロップスの歌」

という歌です。

 

作詞まどみちおさん

作曲大中恩さん

 

中原収一さんによるアニメーション映像に乗せて 

 

弘田三枝子さんが歌っていました。

 

私はこの歌を

保育園で習ったのかな……?

 

ともあれ

幼い時分の私は、やや神経質な子供であったため

 

両目から滴り落ちる

真っ赤な涙黄色い涙を想像しては

 

実の所

戦慄して

おりました……。

(+_+;))

 


それが 世界中に ちらばって
今では ドロップス ♪

 

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当時、かなりの潔癖症だった私には

この展開も結構キツかったです。

 

そういうモノ(体液)を

食品にするのだけは

やめて頂戴!!

と思っていました。

 

この歌に出て来る神様って

アニメーションや挿絵では

だいたい下のイラストみたいな感じ高齢男性像で描かれがちなので

 

イメージがちょっと

生々し過ぎたのかもしれません……。

 

 

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こんな感じの ↓

 

ラブリーファンタジックな神様だったら

それほどまでには抵抗感は無かったのかも……。

 

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子供が舐めます ぺろん ぺろん
大人が舐めます ぺろん ぺろん

 

子供の頃は

おぇぇぇぇ……

やめてくれえぇぇ……

思っていたこの歌ですが

 

大人になった今では

童話的で

とっても可愛らしい歌詞

だと思っています。(^_^)

 

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ドロップは

英語ではdropと表記されます。

 

dropにはしずく一滴露玉飾りなどの意味がありますので

ドロップのイメージにはピッタリですね。

 

 ドロップ飴は、どのようにして作られるのか? ───

 

実はこれ

ネット全盛のこのご時世でありながら

どういうわけか、調べてみてもなかなかわからなくて

(検索して出て来るのはドロップ風の飾りの作り方とか、そんなのばっかり)

 

もしかしたら企業秘密?とか素人には作れない超絶職人技?

などと勘ぐってしまうほど

なんだか、ちょっと謎めいているのですが

 

Wikipediaとネット上にある各種の情報などを照らし合わせて綜合して見るに……

 

砂糖80%と水あめ20%を鍋に入れて160℃くらいまで煮詰め

水分を飛ばしてペースト状にし

クエン酸着色料香料などを加えて生地を混ぜ

それを型に入れて成型し、冷やす。

 

── と、こんな感じであるようです。

 

(実際に作ってみたわけじゃないので推測でスミマセン)

 

ともあれ

 

材料に水あめを使う事により、砂糖の再結晶化が防がれて

綺麗な透明になるんだそうですよ。

 

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ドロップの英語表記はdropなのですが

このお菓子の語源

オランダにあるお菓子のドロップなんだそうです。

(えぇぇ、「drop」の「しずく」じゃないのかよ~)

 

オランダのドロップとは

一体どんなお菓子なのか?

と言いますと

 

原料にリコリスというハーブ(甘草の一種)と

塩化ナトリウムが使われていて

 

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こちらがリコリス(スペイン甘草)。マメ科カンゾウ属の植物です。根っこがリコリス菓子やルートビアに使われます。

 

色は

形はコイン型の物が多く

 

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これを食した方々の意見によりますと

どうやら

激しくマズい!!

ものらしいです。

 

なんでも

触感はグミのようなのですが

匂いはほとんど漢方薬

(リコリスは生薬「甘草」の元となるウラルカンゾウとは遠い親戚同士です)

 

まるで

古タイヤを食べさせられているような気分

になるんだそうです。

 

しかしながら

オランダや北欧などでは

昔から大変に親しまれているお菓子だそうで

 

Amazonを見てみたら

ドイツ製の、こんなリコリス菓子も売られていました。

   

 

どうやら

いささか日本人の口には合わないようですが

ドロップサルミアッキ(北欧のお菓子)などのリコリス菓子を食べてみた方々のブログを拝見してみますと

 

我慢して食べ続けているうちに、次第に

「おや……?」

美味しく感じられて来る

というような声も一部にはありました。

 

─── 

 

「やっぱり無理!」

という声が多かったです。(圧倒的)

 

 

「ドロップあげるよ!」

って言われて、手を出してみて、

貰ったのが

こっちのドロップだったら

泣くかもしれませんね……。

 

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まあ

それはともかくとして

 

日本人にとってドロップと言えば

「やっぱりサクマの缶入りドロップスだよな~」

と思って調べて見ましたところ

 

な、な、なんと

 

サクマの缶ドロップス

というものは

二種類あった!!!

 という

衝撃の事実に行き当たってしまいました。

 

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そもそも

「サクマセイカという会社自体が

2つあるのですが

 

この2つの会社のルーツ

戦前にあった

佐久間製菓(株)という会社です

 

 

その遺伝子を継ぐ会社の一つが

 

東京都目黒区に本社がある

サクマ製菓(株)

創業昭和24(1949)年

代表的なお菓子はいちごみるく(飴)

 

もう一つは

東京都豊島区池袋に本社がある

佐久間製菓(株)

創業は1年早い昭和23(1948)年

代表的なお菓子はキャンロップ(飴)

 

と、なります。

 

 

前者、いちごみるくで有名な

サクマ製菓(株)から出ている缶入りドロップがこちら

 

緑色の缶

サクマドロップス

サクマ製菓 S15缶ドロップス 80g×10個
 

 

後者、キャンロップで知られる

佐久間製菓(株)からでているのが

こちら

 

赤い缶

サクマ式ドロップス

です。

佐久間製菓 サクマ式缶ドロップス 75g

佐久間製菓 サクマ式缶ドロップス 75g

  • 発売日: 2016/11/15
  • メディア: 食品&飲料
 

 佐久間製菓からは

1988年にアニメ映画蛍の墓とのコラボで

このような復刻版も発売されています。 

 

この

サクマドロップス」

という名称

 

佐久間製菓創始者佐久間惣治郎

明治41(1908)

当時イギリスから輸入されていたドロップを参考にして

独自の製法(サクマ式製法)でドロップを完成させ

それが当時の特許庁登録商標として認められたものなんだそうです。

(伝統ある商標だったんですね~)

 

佐久間製菓

大正2(1913)年から缶入りドロップスを製造・販売し、人々に親しまれていたのですが

 

第二次世界大戦

材料不足や戦災に見舞われたりしたせいで

残念ながら廃業してしまいました……。

 

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終戦後の

昭和23(1948)年

佐久間製菓と関係の深かった実業家の横倉信之助氏

豊島区池袋で佐久間製菓を立ち上げ

 

昭和24(1949)年

佐久間製菓の前社長である山田弘隆氏の三男・隆重氏

 渋谷区恵比寿でサクマ製菓を立ち上げました。(現在は目黒区に移転)

 

ヤヤコシイ話ではありますが

佐久間製菓

それだけ色んな人に愛されていたって事ですよねぇ……。(T∀T)

 

とはいえ

このような事態になってしまったので

この2社は裁判で争う事になってしまいました。

 

その結果

 

佐久間製菓サクマ式ドロップス商標を使うことが認められ、

サクマ製菓はその社名を名乗ることが認められた

という事なんだそうです。

 

サクマドロップ

サクマ式ドロップ

どちらの缶もレトロっぽくて可愛いですよねぇ。

 

味は

 

サクマが 

苺、パイン、オレンジ、メロン、林檎、レモン、スモモ、ハッカの8種類

サクマ式

苺、レモン、オレンジ、パイン、林檎、ハッカ、葡萄、チョコの8種類

 

両方買って、食べ比べてみても

面白いかもしれませんね。

 

 

---追記------------

 

赤い缶で親しまれてきたサクマ式ドロップ佐久間製菓(株)ですが

大変残念なことに2023年1月20日をもって廃業してしまいました……。

 

あのチョコ味のドロップはもう食べられなくなってしまったんですね……寂しい……。(T_T)

 

 

 

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ガムを踏んだ!

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こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。

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台風スウェル

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