TODAWARABLOG

戸田蕨です。小説書いてます。よろしくお願いします。

作詞家の黒歴史〜「うれしいひなまつり」にある問題個所は2文字だけ変えてあげれば良いのでは?

草木が芽吹き始め、桃の節句が近づいてまいりますと、色々な所で

「♬ あかりをつけましょぼんぼりに」

という歌が聴かれるようになります。

 

これは

作詞 サトウハチロー(1903-1973)

作曲 河村光陽(1897-1946)

により作られ、

昭和11(1936)年に発表された

「うれしいひなまつり」

という童謡です。

 

80年近くもの昔から愛され続けている名曲なので

その影響力は大変に大きなものがあり

 

そのため

 

歌詞の二番にある

 

お内裏様とお雛様

二人並んで すまし顔

 

ここのところを

 

この方がお内裏様  ↓ 

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 そして

この方がお雛様 ↓

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 でもって

 

二人並んですまし顔 

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そのように思い込んでしまっている人

実のところ

大変多いのではないでしょうか。

 

ところがそれは

大きな間違い

 

内裏というのは

天皇陛下のお住まいになる皇居とか御所のことなので ↓

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お内裏様というのは

男雛&女雛のペア

(天皇&皇后ご夫妻を模したお人形)

のことなのです。

 

え、それじゃあ

「お雛様」はどれなの?

という事になりますと

 

=鳥の雛の様に小さい人形

という意味なので

 

お雛様

このお人形たち

全員です。 ↓

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この歌の三番

 

すこし白酒めされたか

赤いお顔の右大臣

 

というフレーズが出て来るのですが

 

実は、ときたま赤い顔をしている事がある

こちらのご老人は ↓

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向かって右に飾られているので

左大臣 です。

 

ちなみに

右大臣こちらの

若いイケメンです。↓

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彼らは通称として

右大臣&左大臣ですとか

随身(ずいじん)

などと呼ばれている事が多いのですが

 

実の所

こちらの方々は

大臣という程、偉い人ではなく

 

かと言って

隋人よりは遥かに上の身分でありまして

 

「ひな祭り文化普及協会」さんのホームページによりますと

 

正しい身分は

左近衛中将(さこんのちゅうじょう)

   &

近衛少将(うこんのしょうしょう)

なんだそうです。

 

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童謡「うれしいひなまつり」

 

昭和10(1935)年

サトウハチローが愛娘にひな人形を買ってあげた際に作った詞に

河村光陽が曲を付け

 

当時11歳だった河村順子(河村の長女)の歌唱で

昭和11(1936)年2月20日にレコード発売されました。

 

大ヒットしてしまった後に歌詞の間違い(「お内裏様とお雛様」とか「赤いお顔の右大臣」)に気が付いたものの

 

その時にはもう

どうにも直しようがなかったそうです。

 

そのため

サトウハチローはその事を気に病んでしまい

晩年までずっと

この曲を嫌っていたんだそうです……。(-_-;)

 

なんでも

 

佐藤家ではこの曲はタブー扱い

話題にすることも出来なかったとか……。

 

さらには

「曲の権利を買い取って捨ててしまいたい」

とまで言っていたらしいです……。

 

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娘さんに雛人形を買ってあげたときの

優しい気持ちがこめられている詞なのに

 

そんな些細な間違いで

作詞家にとっての黒歴史になってしまったなんて

 

なんだか

気の毒過ぎる

気がします。(T_T)

 

(三人官女の歌詞の部分には、若くして亡くなったお姉さんのイメージも重ねられているそうですよ……)

 

時代を超えて愛され続けている名曲であることには間違いありませんし

歌詞だって、とっても素敵です。

 

しかしながら

 

この曲が流れるたびに

毎度毎度、間違いをほじくり返されるというのも気の毒な話ですし

 

間違いを勘違いしたまま覚えてしまう人が今後増え続ける

っていうのもちょっとどうかな~って感じなので

 

ここはもう、いっそのこと

 

「お内裏様お雛様」

     を

「お内裏様お雛様」

 

「赤いお顔の大臣」

     を

「赤いお顔の大臣」

 

変えて歌ったら

良いんじゃないかな~?

 

なんて思うんですけど

どうでしょうねぇ???

 

右大臣左大臣はホントは違うけど

通称でそう呼ばれてるから

それはもう、それでOKってことでいいんじゃないかと個人的には思うんですが

 

厳密に言えば

「♬赤いお顔の中将さん

ですかね……。(なんか軽い?)

 

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こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。

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