TODAWARABLOG

戸田蕨です。小説書いてます。よろしくお願いします。

人の手による芸術は、今後AIに駆逐されてしまうのか!?

近頃、AIが飛躍的大発展を遂げ

一気に身近なものとなってまいりました。

 

以前から

「AIが発展・普及しすぎると、人間の様々な仕事がAIにとって代わられるようになるぞ!」

と言われてはきましたが

 

実際に良い感じの絵画文章を書くAIが出現し、瞬く間に普及しはじめるにおよんで

クリエイター界隈の人々から

「仕事を奪われるんじゃないか?」

という懸念の声が聞かれるようになっております。

 

 

たしかに

 

絵画や文章、音楽などの分野で

AIに取って代わられてしまう部分というのは、実際のところ

かなりありうるんじゃないかと思います。

 

恐らく

「注文主がいて、その要求に合うような作品を仕上げる」

といった

職人的な要素を占める部分が大きな場所では、今後、かなりの影響があるのではないでしょうか。

 

注文主からしてみたら

職人さんにお金を払って作ってもらうより

AIにチャチャッと作ってもらった方が

納期も確実だし

手軽で気軽で安上がりでしょうからね……。

 

しかーしっ!!

 

だからといって私は

人間の芸術活動すべてが

AIに駆逐されてしまうとは

思ってはおりません。

 

 

なぜなら

 

言葉に自分の思いを乗せて発する事、を描く事、音楽を奏でる事──

 

これらは

ある種の人間にとっては

本能的な欲求であり

それ自体が悦びであるからです。

 

そう

 

たとえそれが

全く商売に

ならないとしてもです。

 

こういう事が好きな人というのは

こういう事をやる、という

それ自体を楽しんでいるんです。

(スポーツや旅行を楽しむのと同じ)

 

ですから

 

どんなに高性能なAIが

どんなに立派な「作品」を簡単お手軽に仕上げるような世界になったとしても

 

人が創造的活動をやめるようなことには

きっとならないはず。

 

 

たしかに

これから先の時代

AIが優れた作品を生み出す事は

大いにあり得る話でしょう。

 

しかし

鑑賞する側からしてみれば

 

「面白み」といったものを感じる要素の内には

それを

「誰が(どんな人)」作ったのか

という部分がかなりの割合を占めてくるのも、これまた事実だと思いません?

 

作品そのもののありように加えて

 

それを作った人物の人間性だとか

歩んできた人生だとか

あれやこれやを重ね合わせて

 

共感したり

感情移入したりすることによって

味わいがぐんと増してくる。

 

そして

ここ強調しておきたい所なんですが

 

これだけは

AIには絶対に

真似することが出来ない所なんです!!!!

 

 

花の色は移りにけりな

いたづらに

わが身世にふる

ながめせし間に

 

 

絶世の美女とうたわれ

数々の男性から求愛された小野小町

 

そんな彼女が年を重ね

容色の衰えを自覚しつつ、しみじみ人生を振り返りながら作った歌 ──

 

そんな背景に思いを巡らせると

この歌の世界が、よりドラマチックに感じられては来ませんか?

 

 

 

 

ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。

よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。

世の中にある人とすみかと、またかくの如し。

 

 

名文で知られる

方丈記の冒頭文ですが

 

戦乱や災害の世を生き抜き、都のはずれで隠遁生活を送っていた鴨長明

彼自身の人生から悟り得た言葉だからこその説得力が感じられます。

 

これがもしAIが作り出してきた言葉だとしたら

「何も体験してない機械が、何かそれらしいことを言っている」

ってだけですから、どうしたって薄っぺらく感じられてしまうのではないでしょうか。

 

 

 

 

ずっと昔から現在までの、世界中の膨大なデータを総合して

これから先、AIはきっと

見事な「作品」を作り出してくることでしょう。

 

けれども

 

を持たないAIには

のこもった物を作る事は出来ません。

 

 

読み物にせよ、音楽にせよ、美術にせよ

私自身が受け手として欲しているものって

 

必ずしも

上手(じょうず)に出来ている物

ってわけじゃなくて

 

それを発信した人の

情熱が感じられるもの

 

魂の熱が伝わって来るようなものなんですよね。

 

 

「言葉には言霊が宿る」と言われています。

 

けれども

 

人間が心から発した言葉じゃなければ

言霊だって宿りようがない。

 

ゆえに

芸術面においてAIは

人間を超える事は出来ない

 

そんなふうに

私は思っています。

 


そして

 

そこら辺のところ(人間とAIと芸術との関わり)を私なりにガッツリ深〜く考えて書いた小説こちら!

 

 

「台風(タイフーン)スゥェル」

(超手前味噌ッ!)

 

 

このお話は、海辺の町の「町おこし」に絡めて、AIとか情報化社会の良い所や悪い所なんかについて、自分なりに色々考察しながら書いたものです。

 

とはいえ

そんなに理屈ばった難しい物語ではなく

味わいとしては

シュワッと爽やかな炭酸テイストですので(たぶん)

 

良かったら読んでみて下さいね~!(^_-)

(電子書籍で定価250円。kindle unlimited対象です)

 



 

 

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