TODAWARABLOG

戸田蕨です。小説書いてます。よろしくお願いします。

お手玉をする時に歌ったわらべ歌「赤いホオズキ」について。

みなさんは子どもの頃

お手玉遊びをしていた時にわらべ歌

みたいなもの、歌っていましたか?

 

f:id:TODAWARA:20200511210340j:plain

 

私自身は下手っぴい過ぎて

とても、歌いながらお手玉を操る余裕などなかったのですが、

 

うちの母がお手玉を、三つとか四つとか、

器用に投げ上げながら歌っていたわらべ歌を覚えています。

 

歌詞の内容は

赤いホオズキが子供に吹かれて鳴いている

という

可愛らしいものなのですが

 

私は今までこの歌を

うちの母以外の人から聴いたことは無く

ネット上を見てみても、同じような歌が見当たらないんですよねえ……。

 

そうなると

この歌をネット上に残しておくことは

もしかしたら、いつの日にか

 

民俗学的な研究をされている方々の

お役に立つ可能性があるかもしれない!?

 

そんなことも考えましたので

 

今回は記録方々、

私が母から伝えられたわらべ歌について、ここに書かせていただきます。

 

f:id:TODAWARA:20200510123339j:plain

 

その「お手玉歌」はこのような歌詞になります。

 

赤いホオズキ

赤いおべべを着ておって

七つ八つになる子ども

子らに吹かれて鳴いている

ピーチク パーチク

また一回鳴きました

 

 

f:id:TODAWARA:20200510123646j:plain

 

そして、さらに

この詩にはこのように音階がつけられていました。

 

(で書いてあるのが主音階はその1つ下の音階です)

 

あかいホオズキ

(ドドミミレ)

 

あかいおべべを着ておって

(ドドレドレレミミレ)

 

ななつやっつになる子ども

(ドドレドレレミミレ)

 

子らに吹かれて鳴いている

(ドドレドレレミミレ)

 

ピーチク

()

パーチク

()

 ※ここは、歌と言うよりは掛け声風なので、音階はもうちょっと自由な感じ。

 

また一回 鳴きました

(ドドレドレレミミレ)

 

お手玉をする時には

 

「赤いホオズキは」(ポーン)

「赤いおべべを着ておって」(ポーン)

というように、

1フレーズごとに高くお手玉を放り上げます。

 

そして

 「ピーチク」

「パーチク」

のところは

一番の技の見せ所という事で、それぞれ

(ポーーーン)

(ポーーーン)

と、ひときわ高くお手玉を放り上げるんです。

 

 

私自身は千葉の船橋出身なのですが

両親の故郷は福島県飯舘村

ご先祖様は代々そちらの人だったようなので

 

もしかしたら

そのあたりの地方に、昔から伝わっていたわらべ歌なのかもしれません。

 

f:id:TODAWARA:20200510124629j:plain

 

ところで

 

昔の子供は良くホオズキを鳴らして遊んだらしいのですが

 

ホオズキって作るのも、それを鳴らすのも

結構、難度高いですよねえ。

 

赤く熟した丸い実を

指でモニョモニョ揉んで柔らかくして

 

楊枝とかを使って

袋を破らないように気を付けながら

丁寧に丁寧に中の種を取り出して

(根気がいるんだ~、これが)

 

紙風船みたいに出来たら

それにフッと空気を入れて膨らませて

 

穴を下にして口に入れ

舌と下唇で潰して…………

 

鳴らない~(T_T)

 

子どもの頃、母に何度も教えてもらったんですが

 

結局、私は一度も鳴らせず仕舞いでした。

 

f:id:TODAWARA:20200511132844j:plain

 

「湯島の白梅」で良く知られている

泉鏡花の小説

婦系図(おんなけいず)」

 

この小説の冒頭に

芸者上がりのヒロインお蔦が、ご近所の奥様方に

「あそこの奥さん、二十歳ぐらいに見えるけど、二十三なんですって。そんな年にもなってホオズキなんか鳴らしちゃって。素性が知れたもんだわね」

などと意地悪い陰口を叩かれながら

所在無げにホオズキをならしているという

可愛らしく、また、いじらしい感じの場面が出てきます。

 

素顔に口紅で美いから、その色に紛うけれども、可愛い音は、唇が鳴るのではない。お蔦は、皓歯(しらは)に酸漿(ほおずき)を含んで居る。……

 

  「婦系図」より

 

着物姿の若い美人がホオズキを鳴らしている姿って、

色っぽくて、なんだか絵になりますよねえ……。

 

ちなみに

お蔦のモデルになっているのは

鏡花の愛妻すずさんです。

 

 

f:id:TODAWARA:20200511153415j:plain

 

日本に昔からある観賞用のホオズキ

薬草として使われてきた歴史がある半面

毒があるので

食べちゃ駄目!

なのですが

 

今は、ヨーロッパやアメリカ大陸原産の

食べられるホオズキも多く出回っているようです。

 

甘酸っぱいフルーツ系の味で

日本各地で栽培されているそうですよ。

 

夏から秋が旬とのことですが

 

見た目にも可愛らしいし

近いうちホオズキブームが来ちゃうかもしれませんねぇ。

 

f:id:TODAWARA:20200510124143j:plain

こちらが「食用ホオズキ



 

 

関連記事のご案内

 

子供の頃ブランコで「プレイブランコ」という遊びをしてました。

todawara.hatenablog.com

 

「♬お内裏様とお雛様〜」というのは実は間違い。 

todawara.hatenablog.com

 

 

 

 

こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。

 

台風スウェル

台風スウェル

 



 

f:id:TODAWARA:20200505115552j:plain