TODAWARABLOG

戸田蕨です。小説書いてます。よろしくお願いします。

吉川英治

「忍法」という言葉の元祖は吉川英治!

「忍法」という言葉を初めて使ったのは吉川英治である ────という説は 今ではWikipediaをはじめ多くの所で語られ 広く知られている事ではありますが 今回は吉川英治大ファンの私がその辺のところを もうちょっと詳しくお伝えしたいと思います。 講談社刊の「…

吉川英治「剣の四君子」から御子神典膳と兄弟子・善鬼の対決の話。

吉川英治の 「剣の四君子」(昭和17年刊) という短編小説集の中で 私の心に非常に強く 印象に残っているエピソードがあります。 それは 柳生家と並んで徳川将軍家の剣術指南役となった 小野派一刀流の開祖 小野次郎右衛門忠明が まだ若き修行者で 御子神典膳(…

吉川英治「梅里先生行状記」~心優しい水戸のご老公様は、道を外れてしまった家老をどうしたか……!?

今回は 吉川英治が昭和16年に朝日新聞に連載した中編小説 「梅里先生行状記」(ばいりせんせいぎょうじょうき) のご紹介をいたします。 タイトルにある梅里先生とは 徳川家康の孫にして常陸水戸藩の2代目藩主でもある 徳川(水戸)光圀(1628-1701)のことです。 …

吉川英治「江戸三国志」のご紹介〜ローマ王家の宝剣をめぐり正邪が入り乱れる伝奇浪漫小説!

今回は 吉川英治の初期の長編伝奇小説 「江戸三国志」 のご紹介をいたします。 この作品は英治35歳の 1927(昭和2)年10月から 1929(昭和4)年春までの間 報知新聞(当時はスポーツ紙ではなく一般紙だった)に連載され 連載中から映画が作られるほどの 大人気作と…

吉川英治「鳴門秘帖」について〜お十夜孫兵衛の着物が「縮緬ぞッき」って一体どういう事!?

上下黒ぞっきの着流しに 顔を覆ったお十夜頭巾 チャラリチャラリと雪駄で歩く 剣の達人にして女好きの辻斬り浪人 お十夜孫兵衛 ──── 吉川英治の出世作 「鳴門秘帖」 に出て来るダークヒーロー お十夜孫兵衛ですが 彼の服装の描写でよく出てくる 「黒ぞっき」…

吉川英治「剣難女難」~娯楽小説のお手本とも言うべき面白さ!

今回は 私が一番好きな小説家であり 心のお師匠様でもあります 吉川英治の大正14年の作品 「剣難女難」 のご紹介をさせていただきます。 小学生の頃から文学好きで 自作の文章や俳句などを熱心に投稿していた吉川英治が 初めて小説を書いて送り、当選を果た…

大正時代に幼児の服装として定番だった着物&エプロンスタイルの元祖は、文豪吉川英治かもしれない説。

大正から昭和の始めくらいに撮られた写真を見ると 着物の上にエプロン風の前掛け をしている幼児が映っていることがありますよね。 大変に愛らしいこのスタイル 大正から昭和の初めごろまで広く愛用されていたもので 「西洋前掛け」というそうです。 小学校…

吉川英治には小説以外にも、素敵な詩歌がたくさんあるんですよ。

今回は 私が最も尊敬している小説家 吉川英治の作った詩歌 をご紹介いたします。 吉川英治と言えば 「宮本武蔵」や 「三国志」 「新・平家物語」などの 大河小説を書いた作家として有名ですが 彼の文芸創作への入口となったのは 幼い頃から親しんでいた俳句…

吉報!!吉川英治記念館が2020年9月に再オープンする見通しとなりました!!

(※こちらは2019年12月11日の記事です) 2019年3月20日 多くのファンに惜しまれながら閉館した 吉川英治記念館が このたび青梅市営となって 2020年9月7日(吉川英治の命日)に 再びオープンされる 見通しと なりました!! 東京都青梅市にあるこちらの記念館(旧…

吉川英治と直木三十五~大衆小説花形作家同士のライバル心と友情!!

今回は 直木三十五と吉川英治の交流 について書こうと思います。 吉川英治の名作 「宮本武蔵」 が生み出されるきっかけには 直木三十五が唱えていた 「武蔵非名人説」 というものがありました。 剣道の歴史について非常に熱心に研究していた直木が 「宮本武…

大阪の「阪」は明治時代に「坂」から「阪」になったそうですが、昭和の初めごろまで大阪以外では「坂」と「阪」はゴッチャに使われていたようですよ。

私の尊敬する作家吉川英治の 「草思堂随筆」(昭和10年刊)に 『大坂の「サカ」』 という題のエッセイがあります。 これが書かれた昭和10年当時 大阪以外の場所では オオサカの「サカ」を表記する場合 「坂」と「阪」とが 両方ゴチャゴチャに使われていたよう…

変幻自在のイリュージョニスト果心居士は戦国時代に実在した人物だった!?

私の「心のお師匠様」吉川英治の作品に 「神州天馬俠」 という少年向けの冒険時代小説があります。 神州天馬侠(一) (吉川英治歴史時代文庫) 作者: 吉川英治 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1989/12/05 メディア: 文庫 クリック: 1回 この商品を含むブログ …

吉川英治「松のや露八」の紹介と感想~幕末期、幕臣から幇間になった武士がいた!

今回は 私が最も尊敬している小説家吉川英治の作品 「松のや露八」のご紹介 をいたします。 昭和9年にサンデー毎日誌上で連載されたこちらの作品 主人公は幕末から明治にかけて生きた 実在の人物となっております。 その人物とは 土肥(どひ)庄二郎(1834-1903…

国民的大作家 吉川英治のもの凄さ

小説などを書いている人の中には 「心の師匠」のような先輩作家を胸に抱いている人は、結構多いんじゃないかな と思いますが 私が師と仰ぐお方は 国民的大作家吉川英治です。 芥川龍之介、谷崎潤一郎、太宰治などの純文学作家や 松本清張、司馬遼太郎、江戸…