本の紹介
先日「梅原猛の授業 仏教」という本を読みました。 日本における仏教の歴史ですとか 各宗派の成り立ち、仏教的なものの考え方などが大変わかりやすく紹介されておりまして 心に響く部分も多くもありましたので 今回はその中でも特に 「なるほど~…」 と思っ…
読売新聞の夕刊紙上にて連載されていた 柴崎友香さんの 「遠くまで歩く」が先日完結しました。 毎日楽しく読んでいましたので、その感想を書こうと思います。 お話の内容を簡単にご紹介しますと 以下のようになります。 ------------------ 時は2020年から20…
先日、川竹文夫さんの本 「幸せはガンがくれた~心が治した12人の記録」を読んで かなりの衝撃を受けてしまいましたので その感想方々 内容のご紹介をしようと思います。 新装版 幸せはガンがくれた 心が治した12人の記録 作者:川竹 文夫 人間出版 Amazon 著…
先日、北村鮭彦さん(1920-1998)がお書きになった 「おもしろ大江戸生活百科」という本を読みました。 おもしろ大江戸生活百科 (新潮文庫) 作者:北村 鮭彦 新潮社 Amazon 江戸時代に関しての 知られているようで意外と知られていない知識が軽妙な文体で語られ…
読売新聞の朝刊で連載されていた 木内昇さんの時代小説 「惣十郎浮世始末」が完結しましたので 今回はそのご紹介と感想を書こうと思います。 毎日少しずつ進む小説欄を読むひとときが 「ずっとこのまま続けばよいのになぁ……」と 愛おしく思えてくるような と…
大正時代の終わりごろから昭和にかけての美術界で 民芸の素晴らしさというものを 世間に知らしめる 「民藝運動」 という一大ムーブメントがありました。 先日、その提唱者 柳宗悦(1889-1961)による 「民藝とは何か」 という本を読みましたので 今回は「民藝…
「忍法」という言葉を初めて使ったのは吉川英治である ────という説は 今ではWikipediaをはじめ多くの所で語られ 広く知られている事ではありますが 今回は吉川英治大ファンの私がその辺のところを もうちょっと詳しくお伝えしたいと思います。 講談社刊の「…
今回は 藤原摂関家にまつわる権力闘争と栄華の歴史を 紀伝体で鮮やかに描き出した歴史文学作品 「大鏡」のご紹介をいたします。 大鏡 全現代語訳 (講談社学術文庫) 作者:保坂 弘司 講談社 Amazon 平安時代から室町時代にかけて成立した 「~鏡(かがみ)」とい…
今回はSF小説の始祖とも称され 「タイムマシン」という言葉の生みの親でもあるイギリス人作家 ハーバート・ジョージ・ウェルズ(1866-1946)が29歳の時に発表した小説 「タイムマシン」(1895年)のご紹介をいたします。 ウェルズ本人が1931年度版「タイムマシ…
先日 「よくわかるヒンドゥー教」(瓜生中著 角川ソフィア文庫刊) という本を読みました。 ヒンドゥー教の成り立ちですとか 聖典(ヴェーダ)のこと 有名な叙事詩 「マハーバーラタ」 (パーンダヴァ5王子VS従兄弟のカウラヴァ悪玉王子100人との戦い) 「ラーマー…
今回は アメリカのハードボイルド・ミステリー作家 ダシール・ハメット(1894-1961)の1930年の作品 「マルタの鷹」 のご紹介をいたします。 マルタの鷹〔改訳決定版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:ダシール ハメット 早川書房 Amazon 内容をかいつまんでい…
先日、こちらの 「新版 百人一首」(島津忠夫訳注)という本を読んだ折 撰者・藤原定家の歌の解説で 「ほほぉ……」 と感じた所がありましたので 今回はそのことについて書いてみます。 新版 百人一首 (角川ソフィア文庫) KADOKAWA Amazon 権中納言 藤原定家(116…
先日 角川ソフィア文庫から出ている 「新版 百人一首」(島津忠夫訳注) という 百人一首の解説本を読んだのですが この中で ちょっとビックリしてしまうような話がありましたので 今回はそのことについて、書いてみようと思います。 新版 百人一首 (角川ソフ…
今回は、イギリスの作家 ダニエル・デフォー(1660-1731) が59歳にして初めて書いた小説 「ロビンソン漂流記」(1719年刊) をご紹介いたします。 《内容》 中流家庭に生まれ、それなりの商才や経営の才に恵まれながらも 冒険心があまりにも強すぎて、安定した…
読売新聞朝刊紙上で連載されていた 川上未映子さんの「黄色い家」が先日、完結しました。 毎日、ハラハラドキドキ、固唾を飲みながら楽しみに読んでおりましたので 終わってしまった今、なんだか虚脱感のようなものがあります。 物語は 主人公である花の語り…
平安時代の貴族などが使っていた 牛車(ぎっしゃ) という乗り物がありますよね。 なんとなく まったり・のんびりしたイメージがありますが 実際の所乗り心地はどうだったんでしょう? 現代のようにきちんと平らに舗装されているわけではない 平安時代のボコボ…
今回は 愛と革命の抒情詩人 ハインリヒ・ハイネ(1797-1856)の詩の中から 私が特に「素敵だな」と思うものをご紹介いたします。 ハイネと言いますと 「♪ 春を愛する人は ~」で知られる 『四季の歌』(作詞・作曲 荒木とよひさ) という歌の中で 「愛を語るハイ…
今回は 美食の芸術家・北大路魯山人(1883-1959)の 陶器にまつわる講演や随筆などを 彼に師事していた平野雅章さん(1931-2008)がとりまとめた本 「魯山人陶説」のご紹介をいたします。 大変な美食家で自らも料理を良く手掛けた芸術家(書家・画家・篆刻家・陶…
今回はロシアの文豪 フョードル・ドストエフスキー(1821-1881)の短編小説 「白夜」をご紹介いたします。 こちら 「罪と罰」(1866年) 「カラマーゾフの兄弟」(1880年) などの長編小説で知られる大作家ドストエフスキーが 処女作発表から2年後の1848年 27歳の…
吉川英治の 「剣の四君子」(昭和17年刊) という短編小説集の中で 私の心に非常に強く 印象に残っているエピソードがあります。 それは 柳生家と並んで徳川将軍家の剣術指南役となった 小野派一刀流の開祖 小野次郎右衛門忠明が まだ若き修行者で 御子神典膳(…
先日、アメリカの作家 ハワード・パイル(1853-1911)による 「ロビン・フッドの愉快な冒険」 を読んで久しぶりに 愉快・痛快・爽快な気分になりました! ロビン・フッドの愉快な冒険 (光文社古典新訳文庫) 作者:ハワード・パイル 光文社 Amazon ロビン・フッ…
ギリシャ生まれの作家 小泉八雲こと ラフカディオ・ハーン(1850-1904) 彼が1894(明治27)年に著した 「知られぬ日本の面影」(Glimpses of Unfamiliar Japan) という本の中には その当時、日本各地に伝えられていた さまざまな神話や伝説が収録されているので…
エッセイって良いですよねぇ。 自分以外の他人が 何について どんな風に感じているのか? とか どんな風に思考を巡らせているのか? って なかなか興味深いものがあるのですが そういう所を サラッと気楽に窺い知ることが出来るのがエッセイの良い所! 私は…
先日、カレル・チャペックの 「園芸家12ヵ月」 という本を読んだとき 訳者のドイツ文学者 小松太郎さん(1900-1974)が巻末の方でお書きになっていた訳注の中で マンドラゴーラ という植物についての紹介があったのですが これがあまりにも摩訶不思議 奇妙キテ…
今回は アイルランドの詩人 ウィリアム・バトラー・イェィツ(1865-1939)が アイルランドの民間伝承を拾い集め、編纂した 「ケルト妖精物語」 という本をご紹介いたします。 ケルト(Celt)というのは 紀元前5世紀ごろからヨーロッパの中西部で繫栄していたもの…
今回は チェコ(旧チェコスロバキア)の作家 カレル・チャペック(1890-1938) が1920年に出版した戯曲 「ロボット」 のご紹介をいたします。 この戯曲は1920年 日本でいうところの大正9年に出版され 翌1921年に初演されています。 1920(大正9)年 と言いますと 5…
今回はフランスの文豪 オノレ・ド・バルザック(1790-1850) の長編小説 「谷間の百合」(1835年) のご紹介をいたします。 「近代リアリズム(写実主義)小説の傑作!」 と謳われております本作 私が読んでみた感想といたしましては 冒頭から98%位のところまで、…
近年、日本画の世界において 「おっ!?」 と一風変わった印象を与えられる感じの昔の絵 いわゆる 「奇想の画家」 と呼ばれる人たちの作品が人気になっていますよね。 今回はこの 「奇想の画家たち」の魅力を世間に広め ブームを巻き起こすきっかけとなった本 …
今回は 吉川英治が昭和16年に朝日新聞に連載した中編小説 「梅里先生行状記」(ばいりせんせいぎょうじょうき) のご紹介をいたします。 タイトルにある梅里先生とは 徳川家康の孫にして常陸水戸藩の2代目藩主でもある 徳川(水戸)光圀(1628-1701)のことです。 …
草書体がわかるようになりたい! 掛け軸や色紙なんかにニョロニョロ書きつけられた謎の文字を すらすらと読み下せるようになりたい! 最近、そう思い立って独学で草書や変体仮名の勉強をしているのですが なかなかどうして これが 一筋縄ではいかないんです…