TODAWARABLOG

戸田蕨です。小説書いてます。よろしくお願いします。

「やっちゃ駄目っ!」などと言われると、ついつい、やりたくなってしまう心理について。

他人から

やっちゃ駄目っ!

と強く言われれば言われるほど

どういうわけだか

やりた~い!

と思ってしまう心理って

ありますよねぇ。

 

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「やっちゃ駄目な事」だらけになってしまった今日この頃

 

心の中でウズウズしているそんな欲望

日々格闘されている方も多いかと思います。

 

ところで

 

日本の昔話の類型パターンに

「見るなの座敷」

っていうのがあるのをご存じですか?

 

 

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これはどういうものかといいますと────

 

むかしむかし、とあるところにいた主人公。

 

ある日、罠にはまって困っていたウグイスを助けてあげた所

どこからともなく綺麗な女の人が現れて

 

彼は立派なお屋敷に招待されることとなりました。

 

そこで主人公は

この世の極楽みたいな接待にあずかるのですが

 

女の人が中座してどこかに行く際に

「この屋敷のどこへ行っても構いませんが、唯一、あの部屋だけは見ないでくださいね」

と釘を刺されるんです。

 

その時には

「わかりました」

と答えていた主人公。

 

しかし

 

そんな事を言われてしまったがために

かえってその部屋の事が

無性に気になって気になって仕方が無くなってしまうのです。

 

────

 

案の定

主人公は、その部屋を開けてみてしまいます。

 

すると……

 

お屋敷はあとかたもなく消え去ってしまい

 

気が付くと

主人公は野末にポツンと

ひとり残されていましたとさ。

 

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────とまあ

こんな感じのお話なのですが

 

内容に多少の違いはあれども

似たようなパターンの話が全国的に存在しているところから

 

こういう昔話の類型を

「見るなの座敷」

 って言うんだそうです。

 

「絶対に見ないでっ!」

って言われてるのに、見てしまい

サヨナラしなくてはならなくなる

「ツルの恩返し」とか

 

「絶対に開けないでっ!」

って言われているのに、玉手箱を開けて

いっぺんに年を取ってしまう

「浦島太郎」とか

 

この手の話ってほんと多いですよね。

 

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そもそも、絶対に開けちゃいけないようなモノを、お土産に持たせないで欲しいですよね。

 


やっちゃ駄目なんて言われると

むしろやりたくなってしまう

 こういう心理

 

これって

国や時代を問わず

人間には多かれ少なかれあるものらしいですよ。

 

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猫にもあるかも。

 

 

広告宣伝やテレビ番組などでも

「ピー」

あえて何を言っているのかわからなくしてみたり

 

映像の一部にモザイク処理を掛けて

見えなくしてみたりすることで

 

かえって視聴者の興味を一層駆り立てる

 

なんていうテクニックが

効果的に使われています。

 

相手の思惑に吊られてしまっているようで

なんだかちょっと悔しいですが

 

隠されれば隠されるほど

知りたくなってしまう

という人間のサガが

うまーく利用されている形ですね。

 

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「ここだけの話……あ、やっぱ言えない」「なになになに?」

 

この心理

 

学術用語では

心理的リアクタンス

と呼ばれています。

 

リアクタンスというのは抵抗という意味で

それが

心理的リアクタンスとなると

 

選択の自由が外部から脅かされた時

反発を感じて

みずからの自由を回復させようとする心理

のことになるんだそうです。

 

「勉強やれ!」

と言われれば

「やりたくない!」

と感じ

 

「ジッとしてろ!」

と言われれば

「動きたい!」

って思ってしまう

 

そんな心理ですね。

 

人って本来的に

自分の事は自分で決めたいっていう

欲求を持っているんだそうです。

 

だから

 

たとえそれが

自分にとってプラスになる事だったとしても

 

他人からなにかを押し付けられたり、命令されたりすると

つい、反発を感じちゃうものらしいですよ。

 

「お前のためを思って言ってるんだぞ」

と言われ、それが真実ほんとうだとしても

咄嗟には

「ウザっ!!」

って感じてしまうんですね。

 

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禁止されればされるほど

やってしまいたくなる

この心理

 

現象面から見て

 「カリギュラ効果

と呼ばれることもあります。

 

この言葉

ローマ帝国

カリギュラという皇帝

に由来しているのですが、学術用語ではなく

 

意外なほど

下世話なエピソード

元ネタだったりします。

 

1980年

アメリカ・イタリア合作による

カリギュラ(Caligula)』という映画が公開されました。

 

皇帝カリギュラをモデルにした重厚で高尚な歴史映画……?

 
な-んて思ったら

大間違い!!!!

 

 

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 表向きは

ローマ帝国皇帝カリギュラの放蕩や残忍さを描いた

歴史的超大作を謳っていたものの

 

その実態は

ハード・コア・ポルノだったんです!!!!

 

 

製作は

男性向け月刊誌「ペントハウス」誌の社長

ボブ・グッチョーネ。

製作費は実に46億円

 

出演した豪華キャスト陣は

この作品がポルノになる事など全く知らされておらず

 

後で加えられた過激なエロチックシーンは

ボブ・グッチョーネがペントハウスのモデル達を使って別撮りしたとのこと。

 

ひど!!!!

 

この作品

あまりに過激な内容だったため

 

アメリカ以外のほとんどの地域では編集版が上映され

アメリカ国内でも

ボストンなどの一部地域では上映禁止になってしまいました。

 

ところがどっこい

 

そのことでかえって世間の注目を集めてしまい

興行的には

大ヒット!!(´∀`)

 

以後

これにちなんで

禁止すると余計に人々の関心を引いてしまうという現象は

カリギュラ効果

と呼ばれるようになりました。

(日本国内限定)

  

ちなみに

アメリカではこの手の現象について

 

「ボストンでは禁止」

という言葉が使われていたそうです。

 

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ボストンテリアの可愛い子犬でーす。

 

このように

 

駄目と言われると

むしろやりたくなってしまう心理というのは

人間の本能と言っても良いほどのものなのですが

 

それを誰かにうまい事利用されてしまう

なんていうのも、ままある事でして……。

 

 

仕掛け人みたいな人たちに手玉に取られっぱなし

なんていうのも、なんだか癪な話ですから

 

ここはぐぐっと

 

自分の本能

自分の理性

 

ちゃんと制御しておけるように

なっておきたいところですよね。

 

 

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こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。

 

台風スウェル

台風スウェル

 



 

 

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