私の大好きなミュージシャン杉真理さんの曲に
「フランシス泣かないで」
というロマンチックな名曲があります。
この曲はアルバム
「OVERLAP」と
「HAVE A HOT DAY!」の両方に収録されていて
どちらのバージョンも、それぞれに素敵なのですが
夏っぽいキラキラ感が増量されている
「HAVE A HOT DAY!」版の曲が
私は特に大好きです。
海辺のポーチ佇めば
仲間達の声がした
不意のスコール通り過ぎ
びしょ濡れの君がいたよ
この歌のストーリーを
歌詞から想像して、私なりに描かせていただきますと
以下のようになるんじゃないかと思います。
歌い手である主人公の男性は
数人の友人達と共に海辺のリゾートに遊びに来ている。
彼はそこで
やはりバカンスでこの地にやって来ている
フランシスという女性と出会い
二人はたちまち恋に落ちたのであった。
が、しかし!
実は、フランシスには都会に婚約者がいた。
涙ながらにその事を打ち明ける彼女。
彼女によると
その婚約は、逃れられぬ世間のしがらみによって仕組まれたものだったらしい。
彼女には最初から
婚約相手に対する恋愛感情は無いのだが
婚約者の人柄はとても優しく善良なため
彼女は彼を裏切るような事はできない、と言う。
主人公は彼女の心を汲み
辛い思いを噛みしめながら
別れを決めた。
ぼくのフランシス
お願いさ 泣かないで
君を待つ人の元へ 明日は帰ってゆく日
どんなにフランシス
引き寄せ 呼んでみても
悲しく響く君の名前
実はこの歌には
自分自身の若き日の思い出とあいまって
私は、大変深い思い入れがあります。
ずっと昔
まだ22、3歳の新入社員時代
車窓を流れゆく長閑な田園風景を眺めながら
「HAVE A HOT DAY!」や
「MADE IN HEAVEN」を良く聴いていたので
この二枚のアルバムを聴くと今でも
千葉から君津あたりの風景が思い出されるのです。
当時、私は図々しくも職場の同期の友人に
「私の事をフランシスって呼んで!」
などと頼んでいました。
優しく素直な友人は嫌な顔もせず
「フランシス~」
と呼んでくれていたものです。
あ~
懐かしき青春の日々よ……
ところで。
私が空想の中で描いているフランシス嬢は
スレンダーで清楚な感じのする
美しい乙女という設定です。
しかし
これに関しては
以前、学生時代の友人から
このように指摘された事がありました。
「フランシスって男の名前じゃない?
だって、ほら、映画監督のフランシス・コッポラだって、哲学者のフランシス・ベーコンだって男の人だよね」
そう言われれば!!
咄嗟にギクッとした私ですが
すかさず、こう言い返しました。
「で、でも、コニー・フランシスとかいるじゃん」
しかし友人は
「それ、苗字」
と言いながら、肩をすくめて苦笑い。
「うー……」
以来
若干、モヤモヤした気分を抱えつつ、その辺の事をきちんと調べることもないままに
「フランシスは女の子だもん……」
と固く思いながら数十年過ごしてきてしまったのですが
今回、ブログを書くにあたって
「ここらでキッパリ
白黒つけてもらおうじゃないか!」
との思いで
Wikipedia様を見て調べてみました。
それによりますと
フランシス(Francis)は、アッシジのフランチェスコに由来する英語圏の男性名及び姓。フランス語圏ではフランソワ、イタリア語圏ではフランチェスコ、ドイツ語圏ではフランツとなる。
やっぱり
男性名だったのか!!
瞬間、私は
ガビーン!!
とショックを受けてしまいました。
ところが。
Wikipediaの下の方の欄を
ツツーッ見ていきますと
そこには
フランシスの女性形
という項目があるではありませんか!
なんと
フランシスは
Francesという表記で
女性名としても
存在していたのでした!
あ~
ホッとしたにゃ~。
男性名のフランシスはFrancis
女性名のフランシスはFrances
という
微妙~な違いがあるそうです。
なので
女性名の方は、日本語表記では
フランセスと書かれる事も多いようですね。
ちなみに
フランシスという名の大本となった
(1182-1226)
という人は
キリスト教の聖人で
フランシスコ(フランチェスコ)会の創設者
として知られているカトリックの修道士です。
本名は
ジョヴァンニ・ディ・ピエトロ・ディ・ベルナルド―ネ
ですが
裕福な商人であった父親がフランスを相手に商売していたから
とか
母親がフランス人だから
とか
彼自身がフランス語で歌を歌うのを好んでいたから
などの理由で「フランス人」という意味合いの
フランチェスコというように呼ばれるようになったんだそうです。
人間ばかりではなく
動物や小鳥たちも自分の兄弟同様に愛していた彼は
動物たちともよく心が通じ合っていたということで
1980年には
「自然環境保護の聖人」にも指定されているそうですよ。
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