自分が密かに愛好しているものが
ある日突然
テレビや新聞などの大メディアに取り上げられ
「今、巷では〇〇が注目され始めてるんですよ~」
「ほほお、これはブームになっちゃいそうですね~」
「これから目が離せませんね!」
などと報道されると
私は、なんとな~く
嫌だなあ……
と思ってしまいます。
昨今
自分の好きな物に対して
よりスポットライトの当たる場所へ行くべく応援する
というニュアンスの
「推し」
という言葉がよく使われるようになっていますが
みなさん、実際の所
自分が本当に好きな物(アーティスト、コンテンツ、雑貨、食べ物、お店、スポット、その他色々)に関して
「ブームになって欲しい」
って思われますか?
私は、それが好きな物であればあるほど
絶対にブームになんか
なってもらいたくない
と思っております。
メディアに報道されたりして
自分が密か〜に愛好していたものが
流行りみたいになってしまうと
誰も彼も
ミーちゃんもハーちゃんも
こぞって
それに飛びつくようになっちゃうじゃないですか。
それがイヤ!!
「ミーハー」って
近ごろのお若い方はあまり使わない言葉かもしれませんが
「軽薄な俄かファン」の事を
昔は良くこう呼んだんですよ。
これ、昭和の初期頃から使われてるんだそうです。
そこまで古い言葉だったとは
ちょっと意外ですよね~。
「ミーちゃんハーちゃん」
略して
「ミーハー」
この言葉の語源には諸説あるのですが
昭和初年当時の若い女性に、「み」や「は」で始まる名前が多かったから
とか
当時の女性が大好きだった「みつ豆」とイケメン俳優「林長次郎(後の長谷川一夫)」の頭文字からとった
とか
色々な説が語られています。
こちらがその長谷川一夫(旧 林長次郎)さん。たしかに美しいですねぇ~。
ひとたびブームに
火がついてしまったが最後
それが何かの品物だとしたら
転売ヤー達の標的となって買い占められ
到底まともな価格では
入手困難という事になり
それが美味しい飲食店だとしたら
たちまち連日の大行列で
到底気軽には立ち寄る事など出来なくなってしまい
それがファッションだとしたら
気が付けば誰も彼もとお揃いという事になってしまい
それがお気に入りの場所だとしたら
連日の大混雑で
ゆったりのんびり楽しむ事ができなくなってしまいます。
その上
嘆かわしい事には
元々それを好きだった自分までもが
事情を知らない他人から
「アレが好きなの?
ハハッ、
流行に乗っかってるね~!」
なーんて言われるように
なってしまったりするのですよ。
こうして
密かに大好きだったものは
イナゴのような大群衆に
消費され
蹂躙され尽くされて
行くのです……
そうして
ようやく
嵐のような
ブームが去った後には……
「まだ〇〇なんて言ってんの?古っ!」
なんて
勝手に時代遅れ扱いにされてしまうのです。
だから私は
自分が本当に好きな物は
流行やブームには
なって欲しくありません。
それよりは
知る人ぞ知る存在のまま
ずーっと変わらず
このままであり続けてほしいな~
って思うんですよね……。
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「流行り物」がイヤ
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