TODAWARABLOG

戸田蕨です。小説書いてます。よろしくお願いします。

外国文学

モーパッサン「脂肪の塊」の感想~たしかにこのタイトルではヒロインが可哀想。いっその事「ムッチリ姐さん」とかにしちゃったらどうでしょう。

今回は19世紀フランス文学を代表する作家の一人 ギィ・ド・モーパッサン(1850-1893)の 「脂肪の塊」 の感想を書かせていただきます。 脂肪の塊/ロンドリ姉妹 モーパッサン傑作選 (古典新訳文庫) 作者: モーパッサン,太田浩一 出版社/メーカー: 光文社 発売日…

マゾッホ「毛皮を着たヴィーナス」の感想~乗せられ煽られ人格崩壊していくのがコワい!

今回は 「マゾヒズム」 という言葉の語源ともなっている レオナルド・フォン・ザッヘル=マゾッホ(1836-1895)の小説 「毛皮を着たヴィーナス」のご紹介をいたします。 あらすじ----- 青年貴族のゼヴェーリンは保養先の下宿の庭で 大理石のヴィーナス像…

トルストイ「人生論」を読んで思った事~理念は立派だけど一般人にはハードル高過ぎる。

今回はロシアの文豪 レフ・トルストイ(1828-1910)の著書 「人生論」(1889年刊)のご紹介をいたします。 ロシアの文豪トルストイ!と聞くと 条件反射的に 「取っ付きにくそう!!」 なんて思われてしまう向きもあるかもしれませんが 親しみやすく、面白い作品…

スコット・フィッツジェラルド「華麗なるギャツビー」~打算だけの人間関係って虚しすぎる…。

今回は、アメリカの作家 スコット・フィッツジェラルド(1896-1940)の代表作 「華麗なるギャツビー」(野崎孝訳) のご紹介をいたします。 -------- あらすじ ニューヨークの海岸沿いに大豪邸を構え 週末ごとにド派手なパーティーを開いて 大勢の有名人…

アベ・プレヴォー「マノン・レスコー」~少年騎士グリュウの愛と転落の物語

今回は18世紀フランス文学の名作 アベ・プレヴォー(1697-1763)の 「マノン・レスコー」をご紹介いたします。 僧院から何度も脱走したり 軍に入隊したり 外国に逃亡したりと いささか血の気の多すぎるカソリックのお坊様 アントワーヌ・フランソワ・プレヴォ…

ジーン・ウェブスター「あしながおじさん」~可愛らしくロマンティックな物語

今回は、アメリカの女性作家 ジーン・ウェブスター(1876-1916)の名作小説 「あしながおじさん」(1912年刊)をご紹介いたします。 生後間もなく両親に捨てられ 孤児院で育った17歳の女の子ジュディは 孤児院の評議員をしている一人の紳士に見いだされ 孤児院を…

「戦国策」~乱世を泳ぐ縦横家たちの口八丁手八丁!(蘇秦の合従策VS張儀の連衡策)

中国前漢 成帝の時代(BC33~BC7) 学者の劉向(りゅうきょう)が帝の命を受けて編纂した多くの歴史書の中の一つに 「戦国策」(全33巻) があります。 ここに描かれているのは 戦国時代 紀元前403年 大国であった晋が家老達の下克上によって 魏、趙、韓の三国(三…