先日、三井記念美術館に
「日本の素朴絵展」を見に行った際
実は大変に気になる絵がありました。
それは
日本妖怪博物館から出展されていた
こちらの絵なのですが
幕末 ───大政奉還が成る1年ちょい前の
慶応2年6月9日
大坂城の内堀に
こんな怪獣が
現れたんだそうですよ!
展示の際につけられたコメントは
「まるでゴジラを思わせる」
この怪獣図の左側に書いてある詳細によると
身の丈は七尺(2.1m)
目から月のような光を放ち
トラのような声で吠えた
───という事です。
(まじでか~!!)
恐竜のような体つきは確かに
ゴジラっぽくもあるし
ウルトラ怪獣の中にも、こんなのがいそう……。
いずれにしても
この絵の印象は
オモチャ売り場にぶら下がっている
怪獣ソフビっぽい感じです。
……それにしても
日時までやたらと具体的なのですが
果たして
こんなものが出現したという事実は
本当にあったのでしょうか?
あまりにも怪し過ぎるので
家に帰ってから
ちょっとネットで調べてみました。
───すると
当時の事件や噂話を藤岡屋由蔵が記録した
「藤岡屋日記」
京都の町人久兵衛が書いた
「人のうわさ」
地下官人大國屋による
「幕末風聞書留(大國屋文書)」
これらの文書にも
慶応2年6月9日
大坂城の内堀から巨大生物が出現した件は
確かに記されておりました!!
謎の巨大生物が発見されたのは
紛れもない
事実だったのです!
それらの資料を総合してみると
体長はやはり2mぐらい
1.45mの尻尾がついていたそうです。
巨大生物は発見後すぐに
そんな
目からビーム光線を発して
吠えまくるような怪獣を
大坂城代はどうやって捕獲したのでしょうか?
こいつの手強さは
おそらく
討幕派の志士
どころじゃないですよ!?
と思ったのですが ───
これらのちゃんとした資料によると
この生物はどうやら
死体として
浮かび上がってきたようです。
じゃあ…………
「目から月のような光」とか
「トラのような声」は
ガセネタだったのかー!
神秘性を表現しようとしてか
口から謎の巻物っぽいものを発射させていますが
残念ながら
迫力も神秘性も
全くありません……。
それにしても
噂に尾ひれというのは
まさに
こういう風にして付いていくんですねぇ。
ちなみに
この生物の正体は何だったのか?
それはいまだに謎なのですが
「藤岡屋日記」によると
当時の人々は
「淀君がペットにして飼っていたヤモリが
300年かけて成長したものだろう」
と言っていたそうです。
(でもヤモリの寿命はせいぜい10年くらいなんですよねえ……)
また
18キロもある巨大オオサンショウウオが発見され
「お堀の主が現れた!」
と騒がれた事があったそうです。
オオサンショウウオは野生では
100センチ以上にまで育つことは稀なものの
それでもうまいこと育てば
最大150センチくらいまでにはなるそうです。
蛇でもネズミでも食べちゃうらしいですから
餌には事欠かなそうなお堀だったら
ひょっとして
ひょっとすると
とんでもなく巨大化する事もあるかもしれませんね……。
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