今朝がた洋服屋のチラシを何気なく眺めていたところ
ふと
ステテコの写真に目が留まり
「そういえば最近のステテコって随分とファッショナブルになったなあ」
と思いました。
私などは未だに
昔ながらの下着然とした白いステテコの印象が強く残っているので
「ステテコ」という名称に対しては
どこか投げやりで開き直ったような
オッちゃん的イメージを抱いてしまうのですが
ステテコとの出会いが最初から
現代のファッショナブルなものである人々には
「SUTETEKO」という響きに対しても
意外とお洒落なものが感じられたりしているのかもしれませんね。
Wikipediaによりますと
そもそもこの語源には
明治のころ
落語家の三遊亭圓遊が一席終えた後の余興として
着物の裾をまくって下着を見せながら
「捨ててこ、捨ててこ」
と言って踊った事に由来する。
─── という説と
当時の人がこれを着用した時に
当初は丈が長かったので、裾から下が邪魔になり
「長い所を捨ててしまえ!」
という意味で「ステテコ」と呼ばれるようになった。
───という説とがあるそうです。
ゆったりとして履き心地が良いために
明治から今日に渡って
愛され続けて来たステテコですが
昭和の終わりごろから平成の中期にかけては
もっぱら
「中高年男性が履くもの」
というイメージが定着しすぎて
若者からは
「格好悪いもの」
として敬遠されてしまう不遇の時代がありました。
1988(昭和63)年
日本全体がバブル景気に沸きまくり
高級ブランドの洋服が飛ぶように売れていたころ
ある不織布メーカーが
「21世紀には無くなっているか、無くなって欲しいと思う服飾品」
をアンケートした結果
「ステテコ」と「ももひき」を挙げた答えが
なんと6割にものぼっていたそうです。
「無くなって欲しい」って……
なにも
そこまで憎まなくてもいいじゃないかー!!(T_T)
そのように
罪無くして不当に低い評価を受けていたステテコですが
2008(平成20)年
見違えるほどオシャレにイメージチェンジを成し遂げ
日本のファッション業界に
不死鳥のごとく蘇ります。
ステテコに新たな命を吹き込んだのは
肌着メーカーの
アズという会社。
この会社は
「suteteco.com(ステテコ研究所)」
というプロジェクトを立ち上げ
若者向けに
ファッショナブルなステテコを開発し
売り出したのでした。
(現在はNative Cotton by steteco.comに発展)
それを先駆けとして
他のメーカーからも次々と
お洒落なステテコが売り出されるようになり
かくして
現在のステテコ人気に至る。
という流れであるようです。
かつては
「やだー、ステテコなんてジジくさー!!」
などと鼻で笑っていた女性たちも
2011(平成23)年に
ワコールが「女子テコ」
そして
2013(平成25)年に
ユニクロが「リラコ」を発売するにあたり
その履き心地の良さと涼しさを知り
今やすっかり
ステテコに魅了されてしまったのでした。
こうして見ると
たとえ
「時代遅れ」だとか
「ダサい」とか言われていても
使いでの良いものは
デザインの工夫とイメージアップで
復活、復権するものなんですね!
冬に着る防寒のインナーシャツも
「ババシャツ」なんて呼ばれてたけど
恥ずかしい感じがなくなってきたし
足袋だって
一時は消えそうだったけど
足袋靴下として復活しているし。
地下足袋も
今はスニーカーみたいのがいっぱい出てるんですよ。
「ダサ~い」なんて言われていたものが
いつのまにかイメチェンして流行する事があると思うと
そうそう迂闊に
ひとが身に着けているものを
「ダサい」なんて言えないものですね。
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