仏教の世界では
悟りを開いていない存在は皆
天道 人間道 餓鬼道
という六道を
生まれ変わり死に変わり
永遠に輪廻転生し続ける
ということになっています。
その六道の
最上位にある天道
というのは
神様たちが住む天国のような所なのですが
ここに住む神様たちも
死後には輪廻のループに投げ込まれ
次にはどこに生まれ変わるかわからない。
そういう点では我々人間と同じ
という話をこちらの記事でチラッとご紹介したのですが
今回は
その天道の神様たちが
ちょっと弱ってきたという時に現れる
5つの兆し
及び
いよいよ死んでしまいそうという時に現れる5つの兆し
いわゆる
「天人五衰」
(てんにんごすい)
についてお話させていただきます。
天道にいる神様、天人、天女といった人たちは
前世でものすごく良い事をしたためにここに生まれてきています。
ここは
快楽に満ち溢れた楽しく平和な世界で
彼らは音楽を演奏したり
花を降らせたり
空を飛びまわったり
神通力を使いこなしたりと
いつも幸せに暮らしていて
苦しみというものはありません。
彼らの寿命は
数百年から数千年以上と
とてつもなく長く
人間からしてみたら永遠の命のように見えるのですが
悟りを開いた存在ではないので
彼らをもってしても
死を逃れる事や
輪廻のループから外れる事は出来ないのです。
そんな天道の住人たちが
調子が悪くなった時に現れる兆し
というのが
以下の5つです。
1.楽しい声が出ない
(心が沈みがちになるのかも)
2.体の輝きが無くなる
(オーラが無くなるという感じでしょうか)
3.沐浴した時に、水が体に着く
(肌がカサついてくると水を弾かなくなりますよね)
4.見る物にことごとく執着する
(ことごとく、は困りますね)
5.しょっちゅう瞬きをするようになる
(ドライアイみたいですね)
ただし
これらは「軽い五衰」というもので
良い事を行えば
ちゃんと元どおりに戻るそうです。
次にご紹介するのは
いよいよ寿命が近づいてきてしまった時に現れるという
本格的にヤバイ5つの兆し
です。
1.頭の上の花や冠がしぼむ
(取り換えはきかないものなんですね)
2.衣が垢で汚れてくる
(天人でも垢が出るんですね……)
3.脇の下から汗がダラダラ流れだす
(天人でも脇汗をかくんですね……)
4.体が汚れて臭くなる
(あーあー……)
5.天界での生活が嫌になって来る
(どうしちゃったんでしょう……)
こういう兆しが出て来ると
神様や天人天女と言えども
もう助からないんだそうです。
さらに気の毒な事には
この五衰の苦しみは
なんと
地獄の苦しみの
16倍に相当
するんだそうです!!
この五衰
現象だけを見れば
それほど大したことでもなさそうに思われますが
天道の人々というのは
悟りの境地にまでは達していない人々なので
これまでずっと完璧で
誰からも
「スゴ~イ!」
「素敵ぃぃ!」
と言われ続けてきた自分が
見る影もなく劣化してしまい
他の天人たちから避けられたり
見下されるようになることに
プライドとか自意識
なんてものが
ズタボロに傷ついてしまう
そんな
精神的ダメージの部分が
かなり大きいのかもしれないですね。
そんなふうに考えると
最後の最後までずっと
苦労に揉まれることなく
精神を鍛える機会もなく
ぬくぬくと生きてこられてしまう
天人人生というのも
良いんだか
悪いんだか
って感じがしてしまいますね……。
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