「紅蓮」(ぐれん)
という言葉を聞いた時
みなさんは、どんなイメージを抱かれますか?
この言葉、辞書で引くと
次のように説明されています。
紅蓮
1. まっかなはすの花
2. まっかな色。俗に猛火のたとえ。「──のほのお」
3. (仏教用語)紅蓮地獄。
(引用「角川国語辞典新版」)
そして、その言葉に続く
「紅蓮地獄」
の説明は、以下のようになっています。
紅蓮地獄(仏教用語)
ここに落ちた亡者は、酷寒のため皮膚がさけて血が流れ、紅蓮の花に似るといわれる。
これ、結構
意外じゃありませんか?
紅蓮地獄って
字面だけ見たら
炎がメラメラしてる灼熱地獄みたいなイメージなのに
それとは真逆の
酷寒の地なんだそうですよ!!
紅蓮地獄は正式には
鉢特摩(はどま)地獄と言って
寒さに苦しめられる8つの地獄
八寒地獄の
7番目にあるそうです。
八寒地獄
を構成している
それぞれの地獄は
以下のようになっております。
1. 頞部陀(あぶだ)地獄
あまりの寒さに全身の鳥肌がそそけ立ち、身体中にあばたができてしまう恐ろしい地獄。
おできや傷などが治った後に出来るデコボコをあらわす「あばた」って言葉は、この「あぶだ」が由来になっているんですよ。
2.尼剌部陀(にらぶだ)地獄
鳥肌が潰れて、全身あかぎれだらけになってしまう恐ろしい地獄。
乾燥した皮膚のあちこちがパックリ割れを起こして、たまらないほどの痛痒さに苛まれます。
3. 頞哳吒(あたた)地獄
余りの寒さに思わず
「あたた!」
と叫んでしまう恐ろしい地獄。
4. 臛臛婆(かかば)地獄
余りの寒さに舌がもつれてしまい
「ははば……」
としか言えなくなってしまう恐ろしい地獄。
5. 虎虎婆(ここば)地獄
寒すぎて口が開かなくなってしまい、もはや
「ふふば……」
としか言えなくなってしまう恐ろしい地獄。
6. 嗢鉢羅(うばら)地獄
「嗢鉢羅(うばら)」というのは
「青い睡蓮」を意味しています。
なんか綺麗なイメージじゃない……?
(*´∀`)
なーんて思ったら
トンデモナイ!!
寒さの余り青く変色した全身が
凍傷のために花のようにひび割れ、皮膚がめくれあがり
まるで青い蓮のように見えてくるという恐ろしい地獄です。
7.鉢特摩(はどま)地獄
ここがいわゆる「紅蓮地獄」です。
「鉢特摩(はどま)」というのは「蓮の花」の事。
強烈な寒さによって皮膚が裂け、血がダラダラ流れ出し
まるで赤い蓮の花のように見えてくるという恐ろしい地獄……なのですが
……苦しみはこれだけでは終わらない……
8.摩訶鉢特摩(まかはどま)地獄
こちらは紅蓮地獄のさらに上を行く
「大紅蓮地獄」
と呼ばれている
八寒地獄で最大の地獄です。
「摩訶(まか)」というのは「大」という意味。
ここに落ちた人は
紅蓮地獄を遥かにしのぐ強烈過ぎる寒さによって
体はバッキバキに折れまがり、皮膚はザクザク裂けまくり、ビュービュー出血しまくって
それはそれは鮮やかな
赤い蓮の花ソックリになってしまうんだそうです。(T_T)
さらに
これらの地獄でできた傷口には
ちっこい生き物が入り込んできて
モジョモジョ
チクチク
肉に食らいついて
くるんだそうですよ。
(>_<; ))
個人的には、最後の
「ちっこい生物に肉を喰われる」
というのが、一番嫌なのですが……
この八寒地獄というところ
熱や炎に苦しめられる
八熱地獄(八大地獄)のそばにあるそうです。
どちらも
絶対行きたくない所ですね……。(-_-;)
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こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。