私が敬愛している作家吉川英治は
小説以外にも素晴らしい俳句や短歌をたくさんつくっています。
(それに関する記事はコチラ) ↓
波騒は世の常である。
波にまかせて、泳ぎ上手に、雑魚は歌い雑魚は踊る。けれど、誰か知ろう、百尺下の水の心を、水のふかさを。
「宮本武蔵」魚歌水心
「宮本武蔵」のラストを締めくくる
この名文!!
(痺れる~!!)
こういうカッコイイ文章が書けるようになるためには、
「短い言葉で、より多くのことを伝える」
という訓練が必要なのではないか!?
そのように考えた私は
4年ほど前から1日1首(句)
短歌や俳句(川柳)を作る事をノルマにしてきました。
とはいえ
全くの我流なので
お恥ずかしい限りではあるのですが……。(^^;)
気が付けば、結構な数がたまって来ているので
(と言うか、実の所
ブログネタに窮してしまったので)
今回はその中から
いくつかを発表させていただこうと思います。
まずは
のっけから、猫の歌。
わがままに鳴く時もあり
不満げに鳴く時もあり ひとの顔見て
ニャンコさんって本当にワガママですよね~。
うちのミータも
「オヤツよこせ」
「洗面所で水飲ませろ」
「一緒に遊べ」
と、しょっちゅうおねだりばっかりしてきます。
うっとおしい~!
でも、可愛い~!
ワガママでうっとおしいのに可愛いだなんて言われて
ニャンコさんって得ですよね。
うらやましい!
お次は
子供がインフルエンザになった雪の日に詠んだ歌です。
熱病みて 眠れる吾子が 窓の外
くらき空より 雪は舞い降る
そしてこれは
梅の咲き始めた頃に詠んだ歌。
ぽたぽたと 紅く梅花をにじませて
降る春雨や 三寒四温
お次は、桜の歌です。
「旅立ち」って
「別れ」とセットだったりするから
晴れやかな反面
寂しいような、悲しいような気もしますよね……。
卒業式を機にクラスのメンバーが完全に揃う事って
その後の人生では、ほとんど無いですものね。
学生時代のクラスメートたち
今はどうしているかなあ……。
さくら花 常より早く咲きそむる
旅立つ君を 見送る如く
お次は
線路わきに揺れていた芥子坊主を見て作った句です。
こちら横浜では春から初夏にかけて
野生化したオレンジ色のポピーが咲いているのを
色々な所で見かけるのですが
皆さんの所ではどうですか?
雨上がり 風にうなずく 芥子坊主
この次の歌も
線路わきで浮かんだものです。
炎天に 遮断機がまた通せんぼ
のぼりもカンカン くだりもカンカン
真夏の暑~い日に
踏切で遮断機に通せんぼされてしまった時の
うんざりした気分を詠みました。
上り電車が通過して、やっと遮断機が上がるかと思ったら、今度は下り電車が来るというので、またカンカン鳴り出して……。
アイスなんか買って帰る途中だと
「溶けちゃうよ~」って思って
イライラ度がMaxになりますよね……。
夏の雰囲気とか
夏の情緒は大好きなのですが
夏の暑さに弱い私は
ことさら熱中症にかかりやすく
すぐに脱水症状を起こしてしまいます。
猛暑日に微かに頭痛おぼえつつ
耳鳴りのごと 蝉のこえきく
家にいて熱中症にかかり、救急車で搬送された事がある友人が
お医者様から言われた事として教えてくれたのですが
熱中症予防には味噌汁と
バナナ、キウイフルーツなどを食べるのが良いらしいですよ。
そしてまた
夏の暑い時は
クーラーの効いた部屋で涼んでいるのが一番。
窓はさみ 炎熱地獄を外に見る
店先に「お買い得」だと山のごと
盛らるるシラスの目ぞ恐ろしき
シラスとか小女子
美味しくて大好きなんですが
こういうのって、あんまりマジマジと観察しない方が良いですよね……。
お次は
うだるように暑い日が続く中
ちょっと涼しい風が吹くようになって、嬉しい気持ちを詠んだ句です。
盆過ぎて もしやこいつは秋の風?
彼岸花 浮かぬ土曜日 こぬか雨
秋は過ごしやすいので大好きです。
彼岸花も大好き。
ところで
彼岸花の周りに飛んでいる蝶って
いつでも黒アゲハ、って気がします。
アルゼンチンタンゴっぽくて
とっても素敵なんだけど
どうして他の蝶ではなく
黒アゲハばかりがあんなに多いんでしょうね?
謎だ……。
灰色の猫が毛玉に見ゆる秋
寒空に 襟かき寄せて息白し
年迫りたる 風強き午後
ついこの間、新年を迎えたと思ったら
あっと言う間に冬になって年末になっちゃうんですよねえ。
年々、時間の速さが加速度を増していくのが恐ろしい!!
次の歌は
ものすご-く悲しい事があった時
それにも関わらず、お腹が空くことに対して
なんだか物哀しくなってしまい、詠んだものです。
こんな日も 腹の空きたる哀しさよ
生くるかぎりは 喰わねばならぬ
最後の歌は
何十年、何百年も昔の名作が今の私を感動させる
その影響力のすごさを思って作りました。
空を超え 幾星霜の時を経て
今わが胸に 届く言の葉
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こちらは私の物語詩です。(後味はちょっと苦め)
こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。