「町内会」「PTA」「子供会」
という言葉で検索を掛けると
下の方にズラ〜〜ッと
「入らない」「廃止」「いらない」「うんざり」「意味ない」
といったネガティブワード付きのものが表示されます───
一体どれだけ多くの人が
この存在に心を悩ませているのか!?
その一端が垣間見れる現象だと思います。
「町内会」「PTA」「子供会」
これらの組織が全盛だった昭和の時代
主戦力となっていたのは
元気いっぱいの専業主婦たちでした。
会社は終身雇用制が当たり前の時代だったので
お父さんが働いて一家の家計を担い
お母さんは専業主婦で後方支援
そんな家庭がスタンダードであったからこそ
奥さんたちは、地域や学校のあれやこれやに、比較的無理なく関わる事ができたんだと思います。
しかし
という
経済的難局に見舞われた末に
終身雇用の制度は崩れ去り
非正規雇用ばかりが増えて
給与水準はだだ下がり。(それなのに物価や税金はしっかり上昇)
現役世代の生活には
かつてのような余裕は
もうありません。
夫婦そろって働いて
なんとかやっていける
という家庭がほとんどであり
さらには
結婚年齢も年々あがっていますから
育児をしながら
親の介護をしている人だって多いのです。
そんな状況ですから
子育てをしている世代の人は
地域活動や学校活動に関わる余力なんて
無いよ!
そう思う人が大多数なんじゃないかと思います。
しかしながら
「役員やりなさいよ」
「ほかのみんなだって我慢してやったんだからね」
という圧力は非常に強烈なものがありますから
余力のない中、どうにかこうにか時間をやりくりして役員を引き受けている、という人がほとんどなんですよね……。
PTAとか子供会というのは
その家の子供の人数分、役を引き受けなければならない
という決まりになっている所が多いですから
お子さんの多いご家庭は
ほぼ毎年PTAか子供会(もしくはその両方)の役員を担わなくてはならなくて
その心身にかかる負担たるや
大変なものなのではないでしょうか。
シングルマザーやシングルファザーでも
例外なくやらされる所も多いですし(非情)
その上、町内会の役員まで重なったりすると
ほとんど
地獄の大変さだよ!
と言いたくなる所でしょう。
回数の多過ぎる定例会議とか
ベルマーク集めとか
交通安全キャンペーンのお手伝いとか……
有給や半休を取ってまで
手のかかる乳幼児を一緒に連れてまで
目の離せない病人を家に一人で置いてまで
そうまでして
やらなきゃならない程の
事なんですか!?
って思っちゃいますよね。
そしてまた町内会。
こちらも問題がてんこ盛りですよね。
地域の住民が高齢化して
持病を抱えている人だって多いのに
80歳、90歳を過ぎても
役員を辞退できないなんて
あまりにも過酷なのではないでしょうか。
地域の伝統行事を守り伝えていくのは大切な事ではありますが
そのために
真夏の炎天下、草むしりをやらせたり、交通整理をやらせたりするのは
過労で疲れた現役世代にとっても、ご老人にとっても
負担と危険が多すぎます。
共同体の中での人との繋がりって
お互いにあまり深くは干渉し合わず
ゆる~く繋がっている
っていう位が
一番心地よい状態なんじゃないかと思います。
ですから
町内会を完全に廃止して、住民同士の繋がりを無くしちゃえ~
なんて事には賛成できませんけど
役員のなり手がいなくて
押し付け合いみたいになっている現状の有様では
「私は大変だったけど引き受けたのに、あの人は引き受けないなんてズルい」
とか
「あの人は町内会行事を休んでばかりいる」
なんて感情のわだかまりが生まれてしまい
そんな中で濃密に関わり合うのは
むしろ
人間関係的にはマイナスになる事の方が多いような気がします。
2020年には
コロナ禍のためにPTA、子供会、町内会の活動も大幅に制限されましたが
それによって、本当に最低限必要な作業というものが見えて来た部分もあるかと思います。
そういったもののうち
外注できるようなものは外注してしまう!
というのも一つの手なのでは?
と、私はご提案したいです。
「自治会 運営代行」で検索してみると
まるごと引き受けてくれるような業者は、今の所まだ無いようですが
(※2021年2月現在)
個別の業務を引き受けてくれる業者なら色々とあるみたいですよ。
(お祭りをサポートしてくれる会社なんてのもありました)
お祭りにしてもイベントにしても
「忙しいのに、なんでこんな事やらなきゃならないんだ……」
「体がキツイのに無理やりやらされてしんどい……」
などと不平不満や葛藤を抱えさせながら、無理やり住民にやらせるよりも
大変な所は業者にやってもらって
住民は楽しく参加するだけ
にした方が
よっぽど地元への愛着も生まれて来るんじゃないでしょうか。
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「去年は楽だったんだから次も役員やりなさいよ」なんて言っちゃダメ。
こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。