TODAWARABLOG

戸田蕨です。小説書いてます。よろしくお願いします。

この晩秋旅立ちし愛猫に捧げる挽歌

愛猫のミータを腎不全で亡くしてしまってから、明日で一月になるのですが

 

悲しさや寂しさは、まだ一向に薄れることが無く

 

彼が使っていた首輪や、封を切って食べ掛けていたオヤツなどを目にしては、思わずボロ泣きしてしまう……という毎日です。

 

この苦しい気持ちが、おのずと五・七・五・七・七の短歌形式になって吐き出され

 

そんなものがいくつか溜まって来たので

 

愛猫の思い出かたがた、ここに書き残しておこうと思いました。

 

f:id:TODAWARA:20211227142325j:plain

 

何につけ

猫のことばかり 考える

みーちゃん きみは

可愛いかったよ

 

f:id:TODAWARA:20211227142607j:plain

 

なぜだろう

どこかで強く きみのこと

死ぬはずないと 思っていたよ

 

f:id:TODAWARA:20211227142042j:plain

 

3年前の2018年夏(当時7歳9か月)から糖尿病を患っていた上

 

2019年の春先には胃腸炎を悪化させて

生死の境をさまよい

 

その時から、すでに腎臓にダメージを受けていましたので

 

今回、血液検査などから見た彼の状態は

かなり深刻な事態になっていました。

 

それでも、なぜか

 

私にはどこか

「ミータが死ぬわけが無い、絶対に又元気になるはず」

と信じ切っている所がありました。

 

かつて一度、奇跡の復活を遂げた彼の生命力を、すっかり信じ切っていましたし

 

彼の方も

最後まで毛艶も良く

ジッと端正に香箱座りをしていましたので

 

まさかその数時間後

急に逝ってしまうことになろうとは

夢にも思ってはいませんでした。

 

最後の一週間は

毎日、病院に通っての輸液と血液検査。

 

家に帰ってからは

数時間おきに

シリンジで無理やり食べさせられるドロドロのフード……。

 

辛かっただろうに

嫌だったろうに

よく頑張って耐え抜いてくれました。

 

ほんとうに

えらい子だったと思います。

 

 

階段を

導くようにヒョコヒョコと

のぼりし君は

もういないのか

 

f:id:TODAWARA:20211227142710j:plain

 

鳴き声も

匂いも重みも

感触も

遠ざかりゆく

きみのいた日々

 

f:id:TODAWARA:20211227143036j:plain

 

亡くなってから火葬するまでの二日間

 

段ボール箱をお棺代わりにして、ミータの亡骸を入れ

彼がいつもいた部屋に安置していたのですが

 

生前そのままの、まるで眠っているかのような姿でありながら

 

温かかった彼の体がどんどん冷たくなっていき

柔らかかった体が死後硬直していき

 

まるで「物体」のようになってしまう感じが

なんとも言えず、悲しかったです。

 

生きている時には、あんなにも暖かい所が大好きだった彼の体を

保全のためとはいえ

保冷剤で冷やしておかなければならなかったのも

 

なんとも可哀想な気がして、苦しかったです。

 

 


箱の中

眠るがごとき愛猫の

生きた証の

熱が冷えゆく

 

f:id:TODAWARA:20211227143313j:plain

 

おめでとう

書く気になれぬ年賀状

喪中はがきは人だけなのか

 

f:id:TODAWARA:20211227143621j:plain

 

彼が亡くなったのは

11月ももうじき終わろうとする29日。

 

ほんの一週間後の12月6日には、11歳の誕生日が控えていました。

 

私の気分的には、もう

喪中そのものでしたから

 

さすがに年賀状を出すような気分にはなれなくて

今年の年賀状の準備は、ちょっと辛いものがありました。

 

例年でしたら

友人知人の顔を懐かしく思い浮かべながら年賀状を書く、という作業は

結構好きな方なんですけどね。

 

同様に

クリスマスも

今年は全然祝う気になれませんでした……。

 

 

f:id:TODAWARA:20211227143743j:plain

 

あいたくて

インターネットで

町なかで

似た面影を

さがしてしまう

 

f:id:TODAWARA:20211227143531j:plain

 

同じロシアンブルーといっても

やっぱり、みんなそれぞれ個性が全く違うので

 

似たような姿の子を見ても

「うちの猫はうちの猫

唯一無二の存在だったんだ」

という思いが強くなって

 

かえって、寂しくなってしまうんですよね……。

 

でも

同じ猫種、同じ毛色の子を歴代飼い続けている人の気持ちは、すごくわかるような気がします。

 

亡くした子の面影に、絶対に似ていますものね……。

 

 

今はもう

爪出す君がいないから

家の中でも

ニットを着てる

 

f:id:TODAWARA:20211227143942j:plain

 

ミータが生きていた時には

爪で台無しにされるのを用心していたので

普段着としてニットを着る、って事はなかったのですが

 

もういなくなってしまったので

箪笥の奥にしまってあったニットを引っ張り出して、普段着にしたりしています。

 

ニットって暖かいですよね。

でも

かたわらに猫がいてくれないのは、やっぱり寂しいです。

 

 

f:id:TODAWARA:20211227144105j:plain

 

三日月は

今みまかりし 猫の爪

夜明けの空に

白みて浮かぶ

 

f:id:TODAWARA:20211227152906j:plain

 

ミータが亡くなったのは

11月29日の夜中の3時ごろでした。

 

泣き明かして迎えた朝

南東の空に

猫の爪のような白い月が出ているのが見えていました。

 

 

f:id:TODAWARA:20211227144508j:plain



苦しいよ

君がどこにもいないから

名前を呼んで

また泣くんだよ

 

 

f:id:TODAWARA:20211227144641j:plain

 

ほんの少し前まで、量感と生命を伴ってすぐそこに存在していたものが

「どこにもいなくなってしまった」

という事が

いまだに信じられない ──

 

その喪失感の絶望的な大きさを実感しています。

 

あんなに小さな体をしているのに

猫の存在はものすごく大きかった。

 

ミータは私にとって

愚痴や弱音や甘えたい気持ちを、イヤな顔一つせずなんでも受け止めてくれる

優しいカウンセラーのような存在だったのかもしれません。

 

f:id:TODAWARA:20211228132904j:plain

 

愛猫がいなくなってしまった ──

という喪失感に耐えきれなくなっている所に

 

先日、ネット広告で出てきた猫型のクッションが、あまりに彼を思わせるところがあったので

思わず反射的にポチってしまいました。

 

「ミャウエバー」君というのですが

 

ギュッと抱きしめると

「ブン……ブン……」

と心音がするところや

大きさや重みがリアルな猫に近い所に

少しだけ慰められています。

 

 

f:id:TODAWARA:20211227144738j:plain






関連記事

todawara.hatenablog.com

 

 



こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。

 

f:id:TODAWARA:20211227191918j:plain

f:id:TODAWARA:20211227192049j:plain



 

f:id:TODAWARA:20211227192115j:plain