映画やドラマなどを観て、感動のあまり
「もう、号泣~!」
───っていう人
近ごろ結構見かけますが
これ、もし
「うわーん!」
と声をあげて泣いていないのなら
これを「号泣」と言ってしまうのは
間違いです。
「号泣」に使われている
「号」という字は
訓読みでは「さけぶ」(号ぶ)と読み
「大きな声を出す」という意味を持っています。
号令とか怒号といった言葉に使われている「号」も、そういう意味ですね。
ですから
単に涙を流して泣いてしまった
という意味で使うのであれば、この場合
「涕泣(ていきゅう)しちゃった~」
というのが正しいです。
「涕」(てい)というのは
「なみだ」とか「泣く」という意味をもっているので
「涕泣」は
涙を流して泣くことになります。
……そもそも
感情表出が控えめな日本人のオトナが
人前でオイオイ声をあげて泣くような事って
滅多にないですよね……。(^^;)
というわけで
素敵な映画を観て感動の余り、静かにはらはら涙をこぼした───という場合につかうのなら
「号泣した」
というのは×で
「涕泣した」
というのが正しいということになります。
ただし
同じ「テイキュウ」でも
「啼」という字を使う「啼泣」ですと
やはり
「声をあげて泣くこと」
という意味になってしまうので、書いて表す時には気を付けましょうね!
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