TODAWARABLOG

戸田蕨です。小説書いてます。よろしくお願いします。

ずっと花を付けなかった紫陽花の花が、今年初めて咲きました。

鉢植えで買ってきた翌年から

かれこれ10年くらい

ず~っと花を付けなかった我が家の庭の紫陽花

今年はようやく

可愛い花を一つだけ、つけてくれました。

 

 

鉢植えの紫陽花の場合

買った時点で養分が花に全振りしている状態のため

買った翌年には花をつけない

というのは

よくある事らしいのですが

 

うちの紫陽花は

鉢から根っこが地面にまで伸びて

ほとんど地植えのようになってしまっているのに

これまで10年ちかく、全く花を付けなかったんですよ……。

 

ほぼほったらかしで

だけは毎日あげていたものの

剪定などは一度もした事も無いので

 

咲かなくても

「まあ、そんなものかな。仕方が無いのかな」

と思っていたのですが

 

隣家が建て替えになって

多少、日当たりが良くなったせいでしょうか。

 

今年は子供が一人暮らしをするため、家を出て行ったり

その後、子猫を迎え入れたりと

これまでの間に色々と変化があったので

 

初めて花を付けてくれた紫陽花が

優しいメッセージを発してくれているような……

何だか、そんな気持ちもしています。

 

 

春になると

いたるところでの花が咲きだして

「日本には本当に桜が多いなあ。日本人は桜と共にあるんだなあ……」

なんて実感するのですが

 

初夏になると今度は紫陽花の花が

あちこちでたくさん見られるようになりますよね。

 

それもそのはず

紫陽花って日本が原産らしいですよ。

 

こんなに綺麗な花の原産地だなんて

日本人として何だか嬉しくなってきちゃいませんか?

 

 

昔から日本で咲いていた紫陽花というのは

シンプルなガクアジサイだったそうです。

それから品種改良されて

手まりのような形のホンアジサイがつくられ

そしてまた

ガクアジサイホンアジサイ

中国や西洋に輸出されるようになると

 

ヨーロッパでさらに品種改良が加えられ

西洋アジサイができたんだそうです。

紫陽花という漢字表記も、これまたとっても素敵なのですが

 

これは唐の大詩人白居易(772-846)

「紫陽花」という詩からきているそうです。

 

何年植向仙壇上

(いずれの年にか仙壇の上に植えたる)


早晩移栽到梵家

(いつか移しおえて梵家に到る)


雖在人間人不識 

(人間に在りといえども人しらず) 


与君名作紫陽花 

(君のために名づけて紫陽花となす) 

 

 

いつごろか仙境に植えられた花。

いつの間にか移り植えられ 

この寺に咲いている。

この花の名をだれも知らない。

花よ、君に「紫陽花」という名をあげよう。

 

実は、白居易の歌にあるこの花の種類が何なのか

本当の所はわかっていないのですが

 

この詩を日本に紹介した平安時代中期の歌人で、学者でもあった

源順(みなもとのしたごう)(911-983)

これをアジサイの漢字名として当てたことから

 

日本ではアジサイ=紫陽花ということになっています。

 

 

紫陽花の学名 

Hydrangea macrophylla

につけられている属名 

Hydrangea(ハイドランジア)というのは

ギリシア語で「水の器」、英語では紫陽花のことをあらわしています。

 

ドイツ人医師で博物学者でもあった

シーボルト(1796-1866)

紫陽花の一種に愛妻・お滝さん(楠本滝)にちなんで

Hydrangea otaksa(ハイドランジア オタクサ)と名付けたエピソードは有名ですよね。

仲睦まじく暮らしていた夫婦でしたが

1828(文政11)年

シーボルトは日本地図などを国外に持ち出した罪で国外追放となり、二人は別れ別れになってしまいました。(シーボルト事件)

 

けれども

その30年後

 

幕府の外交政策が転換されたことによって、シーボルトは再び来日することができるようになり、夫婦は感動の再会を果たしています。

 

時に、シーボルト63歳

お滝さんは53歳。

 

しかし

お滝さんはすでに、別の人の奥さんになっていました……。

二人の間に生れていた愛娘・イネ

日本初となる西洋医学女性産科医となり

 

明治に入る頃には

福沢諭吉の口添えで宮内庁へも推薦され

明治天皇おつきの女官の出産役を任されるほどであったそうです。

 

 

紫陽花の花は

咲いているうちに花の色が変わってくることから

「七変化」とか「八仙花」などと呼ばれることもあります。

 

大変に風情のある植物ですが

ほんのりとを持っていたりもしますので

口に入れたりするのはやめておきましょう。

(料理の飾りに添えられていた紫陽花の葉っぱを食べて食中毒……なんて事もありましたので)

 

そんな紫陽花の花言葉

「移り気」「団欒」

 

その他にも

色や種類別に非常にたくさんの花言葉があるみたいですよ。

 

 

 

 

 

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