「馬です。
いささか納得できないことがあります。
どこの誰だかわからない人の事を
ちょっと馬鹿にしたような感じで
『馬の骨』
って言うじゃないですか」
「たとえば
そんなどこの馬の骨とも知らない奴に
大事な娘をやれるか~!!
とか」
「これがどうしても
納得いきません」
「牛ちゃんが教えてあげる。
それはね ────」
「昔むかしの中国では、ことわざみたいな感じで
ロクに役に立たないものとして
『一に鶏肋(けいろく)、二に馬骨(ばこつ)』
なんて言われていたんだって」
「『鶏肋』っていうのはニワトリのあばら骨の事なんだけど
小さ過ぎて役に立たないし、食べるほどの肉も無い。
さりとて捨てるには惜しい……みたいな微妙〜な扱いの物を例える言葉としても使われているよ」
「一方、『馬骨』の方はというと
何の役にも立たない上に大き過ぎて厄介。
そんなところから
誰にも必要とされない役立たずの事を
『馬の骨』って言うようになったらしいよ。
で、
それが時代を経るにつれて
どこの誰ともわからない、うさん臭い人
っていう意味を持つようになって
今では、もっぱらこちらの意味で使われるようになったんだよ!」
「ヒヒ~ン
でかいだけで何の役にも立たないとかヒドイ!
あまりにも失礼過ぎる言い草じゃないか!」
「まあまあ
落ち着きなさいって」
「今でこそ『馬の骨』の方がメジャーだけど
……昔は
『牛の骨』なんて言われる時もあったんだから…………」
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そんな由来を持った
「馬の骨」という言葉ですが
実際のところ
馬の骨には色んな栄養分が入っていたりしますので
今ではそこから
美味しい馬骨ラーメンが作られたり
健康サプリメントが作られたりもしていますよね!
こちらはワンちゃんのおやつ用馬の骨
慣用句としては
マイナス方面の意味合いで使われてしまう言葉ですが
お馬さんの骨って
実は
かなり有用なんですよ!
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