アナウンサーってスゴイですよね。
どんなに言いづらい言葉だって、ニュースを伝える時には、よどみなくスラスラと読みあげることが出来るんですから。
「マサチューセッツ州で手術中」
なんて
私だったら到底噛まずに言える自信ありません。
アナウンサーの皆さんは
日々、相当な滑舌訓練をされているんでしょうね。
ところでこの
「手術」という言葉
正しくは「しゅじゅつ」なのですが
活舌のプロであるアナウンサーをもってしても
「しゅじゅつ」が「しじつ」になってしまう時があります。
これって間違いなんでしょうか?
「シャ」とか「キュ」とか「チョ」などのように
小さい「ャ」「ュ」「ョ」が後に付く語を
拗音(ようおん)
と言うのですが
言葉として発せられる時──特に、発音しづらい場合などにはよく、これが
「シャ」→「サ」
などと直音(一文字で表される語)に変化する時があります。
たとえば
朱雀などは
漢字をそのまま読めば「しゅじゃく」ですが
それがいつの間にか「すざく」になり
その呼び名も、今では別に、間違いじゃありませんよね。
現在、大部分の日本の放送局では
発音のしづらい「手術」が
「しじつ」や「しゅずつ」になってしまうことに関しては
致し方なしと容認されているようです。
このような言葉
私の手持ちの「角川 国語辞典」では、こんな風に書いてあります。
許容音(きょようおん)
標準音ではないが、許容される訛音(かおん)。「しゅ」を「し」と発音する類。
「手術」が「しじつ」や「しゅずつ」になってしまうことに関しては
許容音という事でOKなのです。
……いや~それにしたって
いくら「手術」を「しじつ」で良いよ、と言われても
「マサチューセッツ州で手術中」は
そうスラスラとは言えないと思いますよ。
そもそも「マサチューセッツ州」って言うのが難しいですからね……。(-_-;)
関連記事のご案内
「由比ガ浜」のアクセントは「モンブラン」と同じく頭の方が高い!?
「笠に着る」「嵩に懸かる」の違いをビジュアル的にご説明します。
エビは猫背なのになぜ「エビ反り」?
「かき入れ時」の「かく」は「掻く」じゃなくて「書く」
こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。