鎌倉の豊島屋といえば鳩サブレ―で有名ですが
私はここの小鳩豆楽っていう落雁が大好き。
小さい鳩さん形の、きなこ味の落雁なのですが
これがものっすごく美味しいんですよ。(口溶けホロホロ~)
ところで
ギモンなんですが
一般的に
米、豆、蕎麦、栗などの粉に水飴や砂糖などを混ぜ、型に押し固め、乾燥させたお菓子を落雁と呼んでいますが
なぜこれらのお菓子は
「落雁」という名前なんでしょう?
落雁という言葉自体は本来
カモ科の鳥、雁(かり、がん)の事を言っているのですが
べつに
この雁が「空から落下している」という状態ではなく
下の写真のように
広々とした大空を群れで飛んでいるさま
ですとか
群れで舞い降りているさま
をいいます。
日本には
中国・北宋時代に選ばれた 瀟湘八景(しょうしょうはっけい…瀟湘地域の八つの景勝地)を元にして
素敵な景色を八つ並べた
「〇〇八景」
と呼ばれる景勝地が400か所以上あるのですが
その際、瀟湘八景と同じように、
場所の名前の後に
「△△の~」という形で
以下のような情景が続けられるケースが定番となっております。
晩鐘…ばんしょう(夕暮れの寺の鐘)
夜雨…やう(夜に降る雨)
夕照…せきしょう(夕映え)
帰帆…きはん(湊に帰ってくる舟)
秋月…しゅうげつ(秋の夜の月)
落雁…らくがん(群れ成して飛ぶ雁)
暮雪…ぼせつ(夕暮れに見る雪)
そして
お菓子の落雁なんですが
日本各地に数ある「八景」の中でも
最初期につくられたという
「堅田落雁(かただのらくがん)」からとられた名前だというのが
今のところ通説とされているようです。
琵琶湖をのぞむ
満月寺(堅田にある)浮御堂のあたりに
雁の群れが舞い降りている情景────
風流ですなあ……。
ところが……
近江八景の成立は
一説には1500年ごろともいわれておりますが
現代では
江戸時代の初期
17世紀の初めごろなのでは?
────という説が有力なんです……。
実は
それに先立つ
室町時代の文明年間(1469-1487)に
山城国(京都)の坂口治郎という人が、すでに
「御所落雁」(ごしょらくがん)
というお菓子を作り始めており
その後彼が移り住んだ
富山県井波地方では、今なお続く名菓になっているんです。
なんでも
蓮如上人(1415-1499)も
このお菓子が大好物であったとか……。
うーむ……
そうなると、名前の由来が「近江八景」説はどうなんでしょう……?
それよりは
本家の「瀟湘八景」(北宋時代…日本では平安時代…に成立している)から取られた
────と考える方が自然なような気が、私はするのですが。(^^;)
お菓子の落雁のルーツは
日本には室町時代に
中国(明)から渡ってきました。
その時の名前は
軟落甘(なんらくかん)
落雁の名前の由来には
この軟落甘の「軟」を略して
「落甘」に「落雁」という風雅な字をあてたのではないか?
という説も
もう一つの有力な説として語られています。
と
落雁の名前の由来は
そんなトコロなのですが
鎌倉みやげに
豊島屋の小鳩豆楽
美味しいので
ほんとおススメですよ!
それ以外には
鎌倉紅屋のクルミッ子
ニュージャーマンの鎌倉カスター
大船軒の鯵の押寿司も大変美味です。(^_-)-☆
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