TODAWARABLOG

戸田蕨です。小説書いてます。よろしくお願いします。

お菓子の「落雁」は何故「落ちる」「雁」なのか。

鎌倉の豊島屋といえば鳩サブレ―で有名ですが

私はここの小鳩豆楽っていう落雁が大好き。

 

小さい鳩さん形の、きなこ味の落雁なのですが

これがものっすごく美味しいんですよ(口溶けホロホロ~)

 

 

ところで

ギモンなんですが

 

一般的に

米、豆、蕎麦、栗などの粉に水飴や砂糖などを混ぜ、型に押し固め、乾燥させたお菓子落雁と呼んでいますが

 

なぜこれらのお菓子は

落雁という名前なんでしょう?

 

 

落雁という言葉自体は本来

カモ科の鳥、雁(かり、がん)の事を言っているのですが

べつに

この雁が「空から落下している」という状態ではなく

 


下の写真のように

広々とした大空を群れで飛んでいるさま

ですとか

群れで舞い降りているさま

をいいます。

 

 

日本には

中国・北宋時代に選ばれた 瀟湘八景(しょうしょうはっけい…瀟湘地域の八つの景勝地)を元にして

素敵な景色を八つ並べた

「〇〇八景」

と呼ばれる景勝地400か所以上あるのですが

 

その際、瀟湘八景と同じように、

場所の名前の後に

「△△の~」という形で

以下のような情景が続けられるケースが定番となっております。

 

晴嵐せいらん(晴れた日の霞) 

晩鐘…ばんしょう(夕暮れの寺の鐘) 

夜雨…やう(夜に降る雨) 

夕照…せきしょう(夕映え)

帰帆…きはん(湊に帰ってくる舟) 

秋月…しゅうげつ(秋の夜の月) 

落雁…らくがん(群れ成して飛ぶ雁) 

暮雪…ぼせつ(夕暮れに見る雪)

 

私の住む横浜にも「金沢八景」という所があります。

 

そして

お菓子の落雁なんですが

 

日本各地に数ある「八景」の中でも

最初期につくられたという

滋賀県にある近江八景

堅田落雁(かただのらくがん)」からとられた名前だというのが

今のところ通説とされているようです。

 

琵琶湖をのぞむ

満月寺(堅田にある)浮御堂のあたりに

雁の群れが舞い降りている情景────

 

風流ですなあ……。

 

その時の落雁には黒ゴマが配されていたので そのさまが雁の群れに似ていたのではないか、と言われています。

 

ところが……

 

近江八景の成立

一説には1500年ごろともいわれておりますが

現代では

江戸時代の初期

17世紀の初めごろなのでは?

────という説が有力なんです……。

 

実は

それに先立つ

室町時代文明年間(1469-1487)

 

山城国(京都)の坂口治郎という人が、すでに

「御所落雁(ごしょらくがん)

というお菓子を作り始めており

 

その後彼が移り住んだ

富山県井波地方では、今なお続く名菓になっているんです。

なんでも

蓮如上人(1415-1499)

このお菓子が大好物であったとか……。

 

うーむ……

 

そうなると、名前の由来が近江八景」説はどうなんでしょう……?

 

それよりは

本家の瀟湘八景」(北宋時代…日本では平安時代…に成立している)から取られた

────と考える方が自然なような気が、私はするのですが。(^^;)

 

左の四角いお菓子が井波名物の糸巻御所落雁(たぶん)

 

お菓子の落雁のルーツ

遠く西アジアから中央アジアにあると言われており

日本には室町時代

中国(明)から渡ってきました。

 

その時の名前は

軟落甘(なんらくかん)

 

 

落雁の名前の由来には

この軟落甘の「軟」を略して

「落甘」落雁という風雅な字をあてたのではないか?

という説も

もう一つの有力な説として語られています。

 

 

落雁の名前の由来は

そんなトコロなのですが

 

鎌倉みやげ

豊島屋の小鳩豆楽

美味しいので

ほんとおススメですよ!

 

それ以外には

鎌倉紅屋のクルミッ子

ニュージャーマンの鎌倉カスター

大船軒鯵の押寿司大変美味です。(^_-)-☆

 

 



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