TODAWARABLOG

戸田蕨です。小説書いてます。よろしくお願いします。

映画「枯れ葉(Fallen Leaves)」の感想~テンション低めな大人のラブコメディ

先日、黄金町のジャック&ベティで

アキ・カウリスマキ監督の映画

「枯れ葉(Fallen Leaves)」を観てきました。

 

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内容(ごく簡単に)

 

独り暮らしの女性(40代くらい)アンサは、スーパーマーケットで働きながら

無味乾燥な毎日を淡々と送っている。

 

それほど余裕のある暮らしではないため

彼女は、店から出る賞味期限切れの食品を持ち帰って食べたりしている。

しかし

それは本来、廃棄される事が決められているもの。

彼女の行動はルール違反と見なされ、警備員にマークされていた。

 

 

一方

工場労働者の男性、ホラッパ(40代くらい)。

 

彼もまた

金属工場で粉塵まみれで働きながら

味気ない日々を送っていた。

 

 

いくぶんアルコール依存症気味の彼。

勤務中にも、コッソリ持ち込んだ酒を飲むことをやめられない。

 

 

そんなある日

 

ホラッパは、同僚に誘われて行ったカラオケバーで、アンサと出会う。

 

お互いに何となく、惹かれ合うようになる二人……

 

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この映画は、ジャンルとしては

「ラブコメになるんじゃないかと思うのですが

 

とにかく

主役の二人が終始仏頂面でニコリともしないんですよね。

「人生、ひとっつも面白い事なんか無いわ!」

みたいな佇まいなんですよ。

 

しかも二人とも

いとも簡単に仕事をクビにさせられちゃう。

 

一生懸命生きているのに

彼らに吹き付けてくる風は逆風ばかり。

 

そんなこともあって

特に話の前半から中盤あたりには

冷え冷えとした

重苦しいムードが漂っているのですが

 

明るさがことごとく抑制されていることにより

かえって

友人たちの優しさとか

二人が抱くほのかな愛情

じんわり暖かく感じられてくるところがありました。

 

不運でぶきっちょな彼らが

なんだか

次第に愛おしく感じられてきたりして……。

 

ワンコも可愛いかった。

 

どことなくレトロなムードと、生活感の厳しさが漂っているので

舞台は、少し昔の東欧かな?

なんて思っていたのですが

 

ウクライナとロシアの戦況がラジオから流れ

登場人物たちの会話から舞台がヘルシンキだと判明し

「え、ここって、現代フィンランド(首都ヘルシンキ)なの?」

────と、ちょっと驚いてしまいました。

(アキ・カウリスマキ監督はフィンランドの人)

 

 

だって

フィンランドといえば

福祉が非常に充実していることで知られ

世界幸福度ランキングでも

ここ数年間ずーっと連続で1位を獲得しているほどのお国柄じゃーありませんか。

(ちなみに日本の2023年度順位は47位…)

 

それなのに

このエラく生き辛そうな感じは何……?(@_@;)

 

────と思ったのですが

 

……う~~~ん

これは映画ですからねぇ……

すなわち

これが現代フィンランドのリアル

……ってわけでは、ないのかも?

 

とはいえ

 

隣の芝生は青く見える

と言いますように

 

パッと見

他所の国って

自分の国より良さそうに思えてしまいがちですが

 

実のところは、どこも

それなりに大変なのかもしれませんねぇ……。

 



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