小さい子供たちに、将来なりたい職業をたずねると
「ケーキ屋さん」
「保育園の先生」
「アイドル歌手」
「学校の先生」
と、夢のある答えが色々と返ってきますよね。
ところが
気が付いてみると
昨今それらの職業が、かなりの割合で
ブラック化してしまっていると思いませんか?
私らが子供のころには
学校の先生や公務員あたりが「ブラック」だなんて
ほとんど聞きませんでしたよね。
マスコミ関係もファッション関係も
「なんかカッコイイ☆」
なんて目で見らていて
一般的に「ブラック」という認識はされていなかった気がします。
ところが最近は
教育・保育も、介護・医療も
建築も運輸も、飲食・小売・サービス業も
金融も製造業も、農業も漁業も
も~~~
どこもかしこも
ブラックだらけ!!
なんで!?
なんでこーなった!?
これ、思いますに
バブル崩壊後の90年代からこのかた
「失われた30年」といわれる
長~い不景気時代を経て
かつては
やり甲斐や笑顔にあふれていた多くの職場が
殺伐とした搾取の場と化してしまったのではないかと……。
世の中全体の景気が悪く
会社の業績は振るわず
一度仕事を離れたら再就職は困難
────そんな状況下で
働く人々はおのずと
必要以上のサービス労働を強いられることとなり
経営者はいつしかそれを
「あたりまえ」
と見なすようになる。
(代わりの労働者なんていくらでもいるもんね~という傲慢思考)
かくして
ブラック職場の
出来上がり。
────そんな流れだったのではないでしょうか。
日本人が国民性として持っている
勤勉さ、真面目さ、思いやり、他人の空気を読むところ
これらが都合よく利用され
結果
気付けば、ほとんどの業界が真っ黒になってしまっていたという……。
今、ブラック化していない業界ってあるんでしょうかね?
接客が好き
物づくりが好き
運転する事が好き
子供たちと触れ合うのが好き
そういう人は、潜在的にたくさんいるはずなのに
業界自体がブラック化してしまった事によって、その世界に飛び込むことに躊躇してしまう……
そういうケースって、今、すごく多いんじゃないでしょうか。
仕事に対する能力と
過重労働やパワハラに耐える事
この二つには本来何の関連も無いはずなのに
過重労働やパワハラに耐えられる事が
その業界で働く大前提
みたいになってしまっているのは、本当、どうかと思いますよ。
だって、今の日本は
どこもかしこも労働者不足で困っているんでしょう?
そういうブラック状態をいつまでも解消せず
日本人が来ないなら
立場の弱い外国人の方々を使えばいいや~
なんて発想は
人種差別意識バリバリで恥ずかしいです。
仕事に熱心なあまり、ついつい自ら働き過ぎてしまう
っていうのも
これまでは美談のように語られて来ましたけど
長い目で見ると
職場全体の労働環境の悪化に繋がりかねず
他の同僚にとっては傍迷惑だったりしますよね。
マニュアルを超えたサービスとか親切さ
なんていうのも
される側としては嬉しいし、社会の潤滑油的な所もあるんだけれども
それが当たり前ってされると
ブラック化に繋がりかねませんよね。
そういうのも
あくまで例外という扱いにしておかないと。
人って往々にして
他人からは良く思われたいと考えるものですし
喜ばれたり褒められたりすると
やっぱり嬉しくて励みにもなりますから
ついつい頑張り過ぎてしまう事もあるかもしれないですけれど
今いる環境を
ブラック化させないためには
労働として決められた範囲を超えたサービスは無闇に連発しない
過剰に頑張り過ぎない
というのは
結構大事な事なんじゃないかと思いますよ。
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