今回は
おそらく
この世で一番簡単に本が出版できる方法
Amazonが手掛けている
kindleダイレクトパブリッシング
というサービスについて書こうと思います。
こちらの過去記事にもチラッと触れてありますが
私の本「翼のキッチン」は
このシステムを使って出版および販売をさせていただいています。
このシステムは
著者自身が独力で電子書籍を作って出版し
全世界に向けて販売できる!
というものです。
ほんの少し前まで
「本を出す」
という事は出版社に認められた特別な人にだけしか許される事ではありませんでした。
その中でも
販売するために書店に並べてもらえるものは
さらに選ばれた本だけに限られます。
売れ残った本たちは裁断されたり
著者自身が買い取らされたり。
これが自費出版ともなれば
数百万円もかけて作った挙句
書店にはろくに置いてももらえず
仮に置いてもらったとしても
数週間であっと言う間に撤去されてしまう
そんなことがザラにある出版の世界ですが
kindleダイレクトパブリッシング(KDP)で出版すれば
費用なんてほとんどゼロに近く
仕上がった本は
ずーっと何年でもkindleショップに並べられ
全世界に向けて販売され続けるんです!
しかも印税は
小売価格の35~70%と
一般的な印税(良くてせいぜい10%)から比べるとはるかに高い
画期的なシステムです。
これを使って電子書籍を出版、販売するやり方はネット上を調べると色々と出てきますし
おおよそ必要な情報は、私も大変参考にさせていただいたこちらの本 (非常にお手頃価格)に書いてありますので
ほとんどの部分はそちらを読んでいただければ大丈夫だと思うのですが ────
さるでもできるKindle電子出版: 30冊以上のKindle本を出版した筆者が、KDPアカウントの登録方法から、キンドルに最適なファイル作成まで、電子出版に必要な情報をすべて公開!
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私が自分の本の出版を手がけた際に気が付いた部分や、注意点などがありましたので
それををここに書いていこうかと思います。
KDPでの出版の流れ
簡単に言うとこんな感じです。
① KDPにアカウント登録する
(Amazonで買い物をしたことがある人はそのアカウントで大丈夫だと思います)
② データ(Wordのdoc.またはdocx形式文書)を用意する
③ KDPにログインして必要事項(本の情報とか印税を振り込む銀行口座とか色々)を入力し、本文と表紙のデータファイルを送信する
④ Amazonストアの審査が通れば40時間以内に販売が開始される
こう書くと、いとも簡単に出来てしまうようですが
ちょっと面倒な作業もあるんですよね……。
特に②のところ!
②のところさえクリアできれば
もうほとんどクリアしたも同然です。
色んな所で書かれている情報では
原稿をkindle出版用にするために
Wordのdoc.またはdocx形式で保存したテキストデータを
まず
epub(イーパブ)ファイル
というものにしてから、さらに
mobi(モビ)ファイル
というものに変換する必要がある
と書かれています。
でも今はもう
そんなに手間をかける必要はありません。
Wordのdoc.またはdocx形式文書をそのままアップロードする。
これだけでOKです!
(実際、私の本もdocx形式のままで作れちゃいました)
その場合
他の方々やKDPの公式ページでも
原稿がkindle本用としてちゃんと仕上がっているかどうかを
KDPのサイトから
kindlepreviewer
(キンドルプレビューワー)というソフト(無料)
を自分のパソコンにダウンロードして
「それを使って確認しましょう」
と書かれていますが
おそらく
Wordのdoc.またはdocx形式文書は
kindlepreviewerから拒否され
読み込まれないんじゃないかと思います。
たぶん
「本の変換に失敗しました」
っていうメッセージと共に
弾かれちゃうと思います。
KDPがkindle作成用に受け付けている文書形式の中に
doc.もdocxもちゃんと明記されているのだから
この現象は多分
kindlepreviewerというソフトにとっては
「意図せぬエラー」みたいなものなんだと思います。
それにしても
このエラーは
頻発しすぎて常態みたいになってるんですよね。
こんな風に弾かれると著者としては
「一体この原稿のどこに問題があるの~!?」
って
パニックになっちゃいますよね。
(それゆえに、いまだにdocx文書をepubに変換して、さらにmobiに変換する必要があるように考える人が多いのかもしれません)
さんざんこのソフトに翻弄されまくった私が
今になって思うには
たぶん
kindlepreviewerを
ダウンロードする必要って
無いんじゃないかと思います。
kindlepreviewerを使わなくても
(というか、doc.またはdocx形式は何故か弾かれちゃうから、そもそも使えないし)
原稿が出来上がってからいよいよアップロードするという過程で
KDPのサイトの「本棚」っていう所から右側の「・・・」って言う所を押して、色々設定する箇所に行く事になるんですけれど
そこに
オンラインプレビューアー
というのがあります。
それに
Wordのdoc.またはdocx形式文書をアップロードすれば
すんなり読み込んでくれて
ちゃんと確認することが出来るし
これだけで全然問題ないと思います。
あと
原稿を書く際の注意点なのですが
改行を「Enter」でやっている場合
kindle本にした時に文字がガチャガチャにずれたり不必要な空白行が挿入されたりしてしまうので
これは全て
「Shift」+「Enter」に打ち直しておいた方が良いですよ。
※見出しと、その前後は「Enter」での改行で構わないのですが(そうしないと目次が作れないので)
本文は行と行の間に空白行を入れたくない場合には「Shift」+「Enter」にしておいた方が無難です。
オートコレクトはオフにしておきましょう。
《やり方》
ファイル→オプション→「文章校正」を選ぶ→「オートコレクトのオプション」を選ぶ→「オートコレクト」タブで「入力中に自動修正する」のチェックボックスをオフにする
行間の設定は標準のままが良いですよ。
(wordの行間の間隔は1.0が標準になっています)
《確認の仕方》
ホーム画面の「段落」の所にある「行と段落の間隔」をクリックして「1.0」になっているか確認してください。(何もいじってなければ1.0になっているはず)
本文がすべて仕上がったら
ファイル名は半角英数字だけにしておきましょう。
そして
変更履歴は必ずオフにします。
「校閲」→「シンプルな変更履歴」をクリックか
「変更履歴/コメントなし」を選びます。
(そうは言いながら、私は未だにこれが上手くできているかどうか良く分からないんですが……)
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原稿の一枚目は
真ん中に本のタイトルを書いたものになります。
そこから
「ページ区切り」(挿入→ページ区切り)でページを替え
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二枚目に
「Text copyright ©20XX 筆名 All Rights Reserved」
という著作権のページを用意します。
またそこから「ページ区切り」をして
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三枚目以降に目次が来ます。
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電子書籍では
目次と見出しの存在が重要で
目次には各章の見出しにジャンプして行ける機能を付けなければなりません。
そのため
各章の見出しは
「ホーム」→「見出し1」→「中央揃え」という作業をして
「見出し」としての機能で囲っておきます。
(※見出しと、その前後はEnter改行にしておく)
それから
目次を作るページに移動し
「参考資料」→「目次」→「自動作成の目次1」を選んでから
再度「目次の挿入」に行き
「ユーザー設定の目次」→「ページ番号を表示をオフにする」→「アウトラインレベル」を「2」にして「OK」→「目次を置き換える」を「OK」し、目次のタイトルである「内容」をハイライトします
それから「挿入」に移動して
「リンク」で「ブックマーク」をクリックしてから→「ブックマーク名」ボックスに「toc」と入力して「追加」をクリックします。
こうして目次のページを作った後には
また
「ページ区切り」を挿入し
次のページからが本編のページとなります。
私は昔から横書きのスタイルが好きだったので、本も横書きで作ったのですが
どうやら縦書きにも出来るらしいので、縦書きにしたい!とお考えの方は、検索などしてみてください。
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表紙は
圧縮しないで50MB未満の画像ファイルを用意します。
illustratorやCLIPSTUDIOなどの描画ソフトが無くても
powepointでも作れるようです。
その際にはスライドサイズを
幅41センチ高さ66センチにすると良いそうですよ。
私はスマホにお絵描きソフト
ibisPaint X(無料)をダウンロードして
それで作った画像をJPEG変換してPCに送りました。
ibisPaint Xは面白いフォントがいっぱい選べるからおススメですよ。
白っぽい表紙にすると
kindleストアで表示される時に輪郭が見えにくくなることがあるらしいので
幅の狭いグレー枠線を加えると良いらしいです。
表紙のファイル名は
「cover.jpeg」
などにしておきます。
私の本は小説なので文章だけなのですが
写真やイラストを入れたり
色々とできるみたいですよ。
その辺のくわしいことは
私にはよくわからないのですが
多分、こちらの本(380円)には書いてあると思います。
※また、KDPのサイトでも「本の準備」とか「原稿の書式設定」とかの所で、かなり丁寧に説明がされていますのでご覧になってみてください。
(KDP画面の右上よりにある「ヘルプ」から入って行くと沢山情報が出てきます)
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ネットに繋がるパソコンさえあれば
同人誌よりも安く本が出版できちゃうんですよ……。
すごい世の中になったもんですよねえ……。
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