先日、辞書を見ていたら
「料る」(りょうる)
という言葉が出て来て
「料理をする」
という意味だったので、驚いてしまいました。
えぇぇぇぇ〜、なにそれ?
初めて聞いた言葉なんだけど……
も、もしかして
知らなかったの私だけ……?(・_・;)
と思い
一体どれくらいメジャーに使われている言葉なのか
ネットで調べてみたところ
現代では相当
マイナーな言葉らしく
あまり多くの情報は得られませんでした。
(-。-)
そんな中
コトバンクさんのサイトで
「デジタル大辞泉」での用例として
夏目漱石の「永日小品」(明治42年作)の一文があげられていました。
「永日小品」は読んだ事があるものの
「料る」に関してはすっかり記憶から消し飛んでしまっていたので
本棚から本を引っ張り出して確認してみましたら
ありました!
「永日小品」の中にある
「山鳥」という章の、出だしからすぐの部分
漱石邸を訪れて来た初対面の青年が
故郷から届いた山鳥を手土産に持ってきて
それを羹(あつもの……煮込み汁)にして、その場にいた人々に振る舞う場面にそれはありました。
その日は寒い日であった。
すぐ、みんなで山鳥の羹を拵えて食った。
山鳥を料る時、青年は袴ながら、台所へ立って、自分で毛を引いて、肉を割いて、骨をことことと敲(たた)いてくれた。
「料る」と言う言葉は
辞書には「文語 四段活用」と書いてあるので
料らない / 料ります / 料る / 料る時 / 料れば / 料れ
と、活用するみたいです。
「料理してよ~」
と言いたい場合には
「料ってよ~」
それに対して
「うん、じゃあ料るよ!」
とか
「嫌だ、料りたくない!」
というようにして使うんでしょうかね?
相手に通じるかどうかが問題ですが……
(;・∀・)
「料」という字は
「米」と「斗」からなっています。
「斗」は取っ手が付いたひしゃくの形。
元々は斗で米などの量をはかる事を「料」と言いました。
そしてそこから
数える、推し量る、切り盛りする、はからう
などの意味がうまれたそうです。
ですから
「料る」と書いた場合には
「りょうる」以外に
「はかる」という読み方もあるんです。
ちなみに
この料る(りょうる)という言葉には
「料理する」
以外にも
「物事をうまく処理する」
という意味も
あるんだそうですよ。
関連記事のご案内
「平」に似ている「乎」という字について
「 淘げる(よなげる)」なんていう言葉があるんですよ。
柿のために「醂す」なんて言葉があるんです。
「いち早く」は「一早く」ではなく「逸早く」。
なみなみ注がれた「したみ酒」……「したむ」ってどういう意味?
こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。