他人の気を引くために色目を使う事を
「秋波(しゅうは)を送る」
と言ったりしますが
いったい全体
どうして「秋の波」が「色目」って事になっちゃったんでしょうね?
「秋波」というのは、もともとは字の通り
気候爽やかな秋の澄み切った水波
の事だったのですが
それを見て心打たれた人が
……ああ、なんて素敵な光景なんだろう……。
これはアレだね……
……まるで
美人の涼やかな目元のようだね……
────などと連想したところから
秋波=美人の涼やかな目元
さらには
女性の
媚びたような色っぽい目つきや
流し目、ウィンク
などとという意味をも持つようになり
そこからさらに発展して
相手に関心を持ってもらうべくアピールする
という意味の
「秋波を送る」という
慣用句が出来たんだそうですよ。
中国、宋の時代の人、蘇軾(1037-1101)の
「百歩洪」という詩の中に
「秋波」という言葉を使った、こんなフレーズがあります。
佳人(かじん)未(いま)だ
肯(あえ)て秋波を回(めぐ)らさず
幼輿(ようよ)語らんと欲すれば
防ぐに梭(ひ)を飛ばす
※ 佳人…美人 幼輿…晋の人・謝鯤(しゃこん 281-324)
梭…機織りの道具
(現代語訳)
美女は幼輿(謝鯤)に流し目さえしてくれない。
それどころか
彼が話かけようとすると
梭を飛ばしてその身を防ぐ始末。
……って
幼輿さんアンタ
嫌われとるやないかーい!(-_-;)
……とまあ
それはともかくといたしまして…(^^;)
海でも川でも湖でも
秋の水辺って爽やかで心地良いですよね。
美人の目元に例えられるのも納得というか。
私も
夏の喧騒が去った後の
ちょっと寂し気な
初秋の海辺が大好きです!
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