たった1冊だけど
小説本を出版したんだから
小説家!
なんて
言っちゃっていいのかな……。
いや、でもやっぱり
多少なりとも
(本当にごくごく僅かですが)
それで収入を得ることが出来ているのだから
小説家って言っちゃっても
良いんじゃないの!?
などと自問自答しつつ
小説家ってなんだろう?
と
改めて考えてみますと
やはり
たとえ、あまりお金にならず
それによって生計を立てることが出来ていなくとも
「小説を書いて売っていれば小説家」
と言って
良いんじゃないかなと思います。
なぜなら
実際の所
小説で生計が成り立っている
なんていうのは本当に
極々一部の人気作家さんだけなのですから
(TOPから50人程度という話ですよ)
充分な収入
だの
それによって食べていけている
などという所を条件にしてしまうと
ほとんどの作家さんが小説家ではない!
なんて事になってしまいかねません。
これを絵画に当て嵌めてみましても
ほとんど絵が売れていなかったから画家じゃない!
なんて、誰も言わないでしょ?
小説家になりたい!
そう思っている方は多いと思いますが
「どういう小説家になりたいと思っているのか」
という
その理想の形は人によって様々かと思います。
何が何でも筆一本で生計を成り立たせよう
と頑張るのか。
楽しくやれる範囲で副業的に
ぼちぼちやっていくのか。
創作をするにあたって
他の人からあれこれアドバイスをされたり、叱咤激励などをしてもらえた方が良い結果が出せる
というタイプの人は
出版社からの商業出版という
王道コースも向いていると思うのですが
好きな事を好きなように
自分のペースでやれたら良い
という
私の様なタイプでも
kindleダイレクトパブリッシング
の登場により
出版や販売が
個人の力で
自由に出来るようになった!
そのおかげで
ガムシャラに必死にならなくても
のんびりやっていけるという道が拓けたのは
本当に良い時代に生まれ合わせたなあと思います。
ただ
予備知識として知ってはいたものの
今、我が事として
つくづく実感しているのは
小説って本当に売れない!
という事ですねえ……。
まあ私の場合は、完全に無名の存在ですので
売れなくても
当然っちゃあ当然なのですが
ネット上で出版関係の方々が書かれている記事を見ましても
紙の本、電子書籍を問わず
小説って本当に
売れていないんだそうです。
ですから
これから小説本を出そうとお考えの方は
その辺の所は(稼げるかも~とか)
あんまり期待しない方が良いですよ。
世間では
出版不況と言われるようになってから
かなり久しい年月が経っております。
けれども
小説本が売れない
というのは別に
出版不況のせいというわけではなく
小説というものが本来的に持っている性質上
「もともと
そう簡単に
売れるようなものではないのだ」
私はそう思っています。
これが
読めばすぐに役立ってくれる実用書ですとか
サクッと手軽に読めて楽しい漫画でしたら
格段に売れやすいだろう
とは思いますが
こと小説に関しますと
特に何かの役に立つわけでもないし
読むのにだって
結構、気合や時間が要りますからねえ。
受け手がかなり
能動的にならなければならない
という点で
小説を受け入れてもらうというのは
音楽や絵画を受け入れてもらうよりも
一層難しい事の様な気がします。
そしてさらに現代作家にとって厳しい事には
今の時代古書店に行けば
過去に出版された名作や名著が
いくらでも安く手に入れられるようになっています。
kindleでだって
無料でダウンロードできてしまえる。
歴史上の錚々たる文豪達の名作小説が
100円とか無料なんかで
売られちゃっているんです。
そんな所に無名の新人が
それ以上の値段をつけて立ち向かっていくわけですから
普通に考えてみても
そうとう苦しいものがありますよね。
ですから
電子書籍にせよ紙の本にせよ
小説家になり
筆一本で食べていく
というのは
そうとうハードルが高いと思いますよ。
きっと
超ベストセラーを何作も連発して
不動の大家にでもならなくては無理だと思います。
でもそれは
今に始まったわけではなく
昔っから、ずーっと同じ事。
小説って本来的に
なかなか売れないもの
なんです。
むしろ
売れている小説は
例外的存在。
ですから
本を出したものの
思ったほど売れない……。
とお嘆きのみなさま
気にしなくても大丈夫です!
小説は
売れないのが普通
なんですから!!
そりゃあ
「ベストセラー作家になって筆一本で食べて行けるようになる」
なんていうのは理想かもしれません。
また、そういう大志を胸に抱くことは
モチベーション維持の一助となる面もあるかとは思います。
けれど
最初から生活のすべてをこれに賭ける勢いで
あまり必死になり過ぎると
却って、色々な所から足元を見られて
肉体的、精神的、金銭的に餌食にされたり
パワハラ被害に遭ったりと
不当な扱いを受けやすくなってしまいますよ。
そうなると
肝心の創作意欲が消耗させられてしまう危険性も大なので
やっぱり
別の所に確保しておいた方が良いと思います。
そもそも
歴史上のベストセラー作家である
原稿料や印税で食べていたわけではないんです。
江戸時代の戯作者たちだって
ほとんどは
武士や商人と言う本業を持っています。
文筆一本、それだけで食べていけるような人が
稀な存在だというのは
今に始まった事ではなく
昔からずーっとそうだったんです。
本が売れる売れないというのは
作者の知名度が低い場合などは特に
作品の良し悪し以前に
まずは
「いかにその存在を知ってもらうか」
にかかっていると思います。
そもそも、ほとんど読まれていない場合
売れていないのは内容云々のせいというよりも
認知度不足のためという可能性の方が、ずっと高いです。
(それ以外には、もしかすると
表紙やタイトルがいま一つパッとしない
ですとか
価格設定が異常に強気すぎる
などという問題はあるかも知れませんが)
ですから
新人作家さんが、ろくに宣伝もしてもらえない上に
出版後一週間やそこらで
「売れない」
なんて一方的に見切られてしまい
「もう次は無いから」
なんて言われてしまう商業出版の世界には
私は、どうしても
疑問を感じざるを得ないんですよね。
小説って
作者が元々ある程度の有名人
っていう場合以外には
そんなにいきなり売れるものではないと思うんですよ。
それに
これは小説に限らず
芸術作品全般に言える事だと思いますが
その作品が
売れるから「良い」「優れている」
売れないから「駄目」
ということでは
決してなかったりもします。
ですから
出した本が思ったより売れないで
「こんなはずでは……」
と落ち込んでいる作家さんが
今、もし、これを読んでおられるとしたなら
落ち込まなくても大丈夫!
普通そう簡単に売れるものじゃないから。
ブログとかで地道に
自分なりの宣伝活動を頑張りましょう!
とお伝えしたいです。
(ほとんど、自分に向けて言ってるような気がしないでもないですが……)
そしてまた
商業出版からデビューされた作家さんで
もしも、今置かれたフィールドが
「思ってたのと何か違う……」
と感じている方がいらっしゃるとしたら
筆を折ってしまう事を考える前に
今はkindleで自主出版という道もあるよ!
という事をお伝えしておきたいです。
kindle本であれば
絶版なんてことは無いので
心に育てている大長編のシリーズものだって
好きなだけ書き継いでいく事ができますし
売れた分、読まれた分だけの印税は
それなりに入ってきます。
出版社に見込まれて商業出版をされたほどの作家さんだったら
小説投稿サイトなどに作品を無料で発表するよりも
(それって何だか勿体ない気がします)
こちらの方がずっと良いと思いますよ。
おそらく
これから先の時代は 出版もますますシビアになり
紙の出版は
有名人だとか話題性がある人などが手掛けた
確実に売れる本だけに絞られていくんじゃないかなと思います。
(紙の出版にはコストがかかりますからねえ)
その一方で
作り手自身による自主出版(特にコストと手間のかからない電子出版)はどんどん増え
書き手の裾野が広がっていく事でしょう。
将来的には
自主出版でベストセラーを出した作家を
出版社がスカウトして紙の出版物にする
という形になって行くんじゃないでしょうか。
(とはいえ、自主出版でベストセラーを出せるほどの作家だったら、紙の出版も自前でやった方が得なんじゃないの?と、私は思いますが)
今は出版とか作家というもののあり方が、従来の形とは大きく変化していく
というか
変化せざるを得なくなっている
大きな転換期なんじゃないかなと、私は思っています。
こちらは関連記事です。
kindle出版の方法などを簡単にまとめてあります。
なんと紙の本まで、kindleで気軽に出せるようになってしまいました。
小説は確かに売れにくいですが、決して「オワコン」なんかじゃありません。
ブログで小説を宣伝するとしても、一体どれだけのアクセスが必要なんでしょう?
小説本をkindle出版してから色々と気づいた事があります。
売れにくい長編小説を売るためには戦略が必要。
こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。