料理屋さんで、板前さんやシェフに
「今日はシャコの料理がお勧めですよ!」
と言われたら
みなさん、どんなものを思い浮かべますか?
まず、普通一般的には
寿司ネタなどに使われているエビみたいなのを思い浮かべるんじゃないかな、と思うのですが
実は
シャコと呼ばれる食材
には
エビ(みたいなの)と貝と鳥の
3種類があるんですよ!
その1
知名度抜群・エビの遠縁の「シャコ」
こちらのシャコ
漢字では蝦蛄と書きます。
エビ&カニは真軟甲亜綱
シャコは口脚亜綱で
やや遠い親戚同士と言った所です。
エビやカニの捕脚(手)はハサミ形ですが
シャコの捕脚はギザギザのついた鎌のような形をしています。
彼らはこの捕脚で貝やカニを叩き割って食べているわけですが
そのパンチ力は非常に強烈で
人間が骨折するほどなんだそうですよ。
(通称シャコパンチ)
なので
生きたシャコを扱う時にはくれぐれも要注意です!(; ・`д・´)
(水槽割る時もあるらしいですよ!)
捕脚が鎌の形をしている所から
彼らは英語では
mantis shrimp
(カマキリエビ)
と呼ばれています。
試しに「mantis shrimp」で画像検索してみましたところ
メトロン星人みたいなドギツイ色のシャコがずらずら出て来て、ちょっとギョッとしてしまいました。
シャコは
内湾や内海の砂泥の中に
巣穴を掘って暮らしています。
旬は産卵を控えた3~5月ごろと
栄養を蓄えた10~12月ごろ。
茹でるとシャクナゲの花のような色になるため
江戸時代には「シャクナゲ」と呼ばれていたそうですよ。
(それが転じて「シャコ」になったんだそうな)
見た目のアレさからはちょっと意外過ぎるほどの、風流な話ですよねえ……。
その2
お宝だった!貝の「シャコ」
こちらのシャコは
漢字では硨磲と書きます。
熱帯の海中に住んでいる
シャコガイから作られた宝飾品は古来より
仏教でいうところの七宝の一つとされてきました。
七宝というのは
金・銀・瑠璃(青い宝石)・玻璃(水晶)
シャコ貝・珊瑚・瑪瑙(メノウ)・法華経
という七つのお宝のことです。
シャコガイの中でも
オオジャコガイは世界最大級の二枚貝と言われ
殻の長さ1.4m、重さ230㎏にもなるものもあるんだそうですよ。
これほどまでに巨大な貝ですから
ダイビング中にウッカリ挟まれたりすると非常に危険!
死亡事故も起こっているくらいですので
もし海中で見つけたとしても
絶対に触ったり面白半分に手足を入れないように、くれぐれも気を付けましょう。
オオジャコガイの寿命は200年もあって
中には400年以上生きたものもあるそうです。
なんだか
海の主みたいな感じですよねえ。
貝殻はインテリアとして使われる事も多く
ヨーロッパの教会では聖水盤として使われたりもしているそうですよ。
沖縄地方でよく食べられています。
新鮮なものを刺身や寿司などにして食べるのが美味しいらしいですよ。
また、塩漬けの瓶詰なども売っているそうです。
6~8月は禁漁期なので
食べるならそれ以外の月を狙いましょう。
その3
姿も可愛らしい鳥の「シャコ」
キジ科の鳥の中で
尾が短く、ウズラによく似た小型の鳥である、こちらのシャコ
漢字では鷓鴣と書かれます。
アフリカ、アジア、ヨーロッパ各地が原産で、40種類ほどがいるそうです。
イワシャコは、月に恋するあまりいつも月を見上げている。
そのように考えられていたため
「激しい恋情」とか
「報われない恋」
の象徴とされているんだそうですよ。
う~ん、ロマンチック!
ずんぐりした体形がとても可愛い、鳥のシャコさんですが
中国南部、東南アジア、インドに生息している
コモンシャコは食べても美味しいらしく
中国では主に食肉用として飼育されています。
スープ等の材料として使われるようで
鶏より高価なんだそうですよ。
また
西南ヨーロッパに生息している
アカアシイワシャコも
ヨーロッパではジビエ(野生鳥獣)料理として食べられたりしているようです。
───という事で
一口に「シャコ」と言っても
エビっぽいのと貝と鳥の
3種類があるという事がおわかりいただけたでしょうか。
ですので
料理屋さんでお店の人から
「今日はシャコがお勧めですよ」
と言われた時や、お友達から
「シャコ食べに行こう!」
と誘われた時には
それが一体どのシャコを指しているのか
念のために確認しておいた方が良いかもしれませんよ!
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