TODAWARABLOG

戸田蕨です。小説書いてます。よろしくお願いします。

モリエール作「ドン・ジュアン」ダイジェスト~世界一有名な色男の末路は、かなり悲惨なものでした。

今回は

ルイ14世時代のフランス

王様お気に入りの芝居座長として活躍していた

モリエールの戯曲ドン・ジュアン

の、ご紹介をいたします。

 

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女性をメロメロにさせる物語上の色男と言えば

わが国では

光源氏在原業平

そして現代ではちょっとマイナーになってしまいましたが

「春色梅暦」の丹次郎などがいます。

 

これが西洋ということになりますと

何といっても一番有名なのは

ドン・ジュアン

(ドン・ファン)です。

 

スペインに起源をもつ

伝説上の女たらしドン・ジュアン

 

その名前は

みなさんもお聞き覚えがおありかと思いますが

 

さて

それって、どんな物語なのでしょう?

ドン・ジュアンって、どんな人物なんでしょうね?

 

それでは

1665年に上演された

モリエール版の

ドン・ジュアン

ちょっとみてみましょうか。

 

 

はじまり、はじまり~

 

 ♫ズンチャッチャ ズンチャッチャ~♪

 

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 --------

おはなし

(会話は内容をまとめて、かなり縮めてあります)

第一幕

 

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物語の舞台はシシリー島

 

 病的なまでに女好きの貴族ドン・ジュアン

 

熱烈に口説き落として強引に妻にしたばかりの修道女ドーヌ・エルヴィールに、早くも飽きがきてしまっている。

 

彼は次なる恋を追い求め、従者のスガナレルを連れて旅に出たところだった。

 

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愛のハンター ドン・ジュアン

 

二人の後を追ってきたドーヌ・エルヴィールの家来ギュスマンが、スガナレルを捉まえて詰め寄っている。

 

 「いきなり旅に出るとはどういうわけだ。まさかとは思うが、浮気じゃないだろうな?あれほど熱心にうちの姫様を口説き倒し、修道院の垣根まで乗り越えて結婚しておきながら、まさか姫様を捨てるつもりじゃないだろうな?」

 

「いやあ……うちの旦那は、言っとくけど大悪党だよ。あの人にとっちゃ結婚なんて別嬪さんを捕まえるだけの罠。空手形に過ぎんのさ。あっちこっちで嫁にした女を数え上げてたら日が暮れちまうほど……あ、うちの大将がやって来た!」

 

ドン・ジュアン登場。

「さっきお前と喋っていたやつ、エルヴィールんとこのギュスマンそっくりだったな」

「その通りです」

「何でやつがこの町にいるんだ?」

「あいつの心配の種は、旦那様にもお察しがつくと存じますが……」

 

 

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忠実な(?)従者 スガナレル

 

「おれは一人の女に義理立てして、新しい恋を我慢するなんて真っ平ごめんの男なのさ。

口八丁手八丁を尽くして若い美女の心をなびかせ、かよわい抵抗のことごとくを打ち破るのが恋の醍醐味なんじゃないか。それの何が悪い」

 

「いや~まあ~そうかもしれませんけど、さすがに毎月のようにご結婚あそばすのは……」

「愉快じゃないか?」

「いや~しかし~、神様とのお取り決めを……あんまりないがしろになさいますと……」

うるさい。知るか!そんな事より、おれはこれから、とあるカワイ子ちゃんをその娘の許嫁から掻っ攫う計画なんだ。二人が舟遊びに出るらしいから、そこを狙って行くつもりさ」

 

二人がそんな事を話している時

追いかけて来た

妻のドーヌ・エルヴィールが登場。

 

さすがに気まずい顔つきになるドン・ジュアンである。

 

 

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修道女だったのにドン・ジュアンに強引に口説かれ、還俗して結婚したとたんに飽きられ、捨てられてしまったドーヌ・エルヴィール

 

 

ドーヌ・エルヴィールが言う。

「もしやもしやと思っておりましたが……あなたが私の元を去って行かれた理由は……」

 

ドン・ジュアンバツが悪そうに

「あ~……、その理由は、……このスガナレルから聞いてください」

 

 

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いきなり話を振られ、あたふたするスガナレルにドーヌ・エルヴィールが迫った。

「スガナレル、教えておくれ」

 

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スガナレルは言葉を慎重に選びながら苦し気に説明した。

「あ~、奥様、……征服者、アレクサンダー、それに、別の世界……こんなところでしょうか……これ以上は申し上げられません……」

 

事情を察したドーヌ・エルヴィールは呆れ、悲しみ、腹を立ててしまった。

 

「どうしてせめて、上辺だけでも、お前をずっと愛していると取り繕って下さらないのです?そんな風にオロオロなさっているのを見ると、情けなくなってきますわ!」

 

ドン・ジュアンが言い訳をする。

「いや、決してそういうわけではなく、修道女であったあなたを連れ出してしまったことにより、神罰が下るんじゃないかと、……そういう良心的な考えからこういう行動になったわけでして」

 

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彼の下手な言い訳に

ドーヌ・エルヴィールの怒りはますます募るばかり。

 

「そんな風に神様を馬鹿になさるような真似ばかりなさっていると、そのうち天罰が下りますからね。神様なんか怖くないというのなら、せめて傷つけられた女の執念を恐れるが良い!

 

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捨て台詞を残して彼女が去って行ったあと

 

ドン・ジュアンはケロリとした顔で

「さーてと、例のカワイ子ちゃん強奪作戦の手立てを考えなくちゃ♪」

 

 

 

第二幕

 

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ここは海辺に近い田舎。

 

村の若者ピエロが恋人のシャルロットに話をしている。

 

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「さっき、友達のリュカと二人で、海に溺れてた紳士(ドン・ジュアンとスガナレル)を二人助けてやったんだよ」

 

カワイ子ちゃん強奪作戦に失敗して転覆し、溺れかかった二人は

助けてくれたピエロの家で着物を乾かしていたのだが

美人の村娘マチュリーヌがやってきた途端

ドン・ジュアンは早速色目を使い出したらしい。

 

「それはそうと、シャルロット、おらの事本当に好きなら、もっと優しくしてくれてもいいじゃんかよぅ」

ピエロとシャルロットは許嫁で、もうじき結婚することが決まっている。

 

「あら、優しくしてるじゃない」

「おめえはちっと、情が薄すぎるんだよぅ」

「そんな事は無いでしょ……

あらっ?ピエロ、あれがあんたが助けたって言う、例の旦那?」

「うん、あの人だよ」

 

向こうにちらりとかいま見えたドン・ジュアンの姿に

シャルロットは惹きつけられている様子。

「……いい男ねえ」

 

 

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しかし無邪気なピエロは、何の懸念も抱かない。

「おいら、ちょっと疲れちまったから一杯ひっかけて来るけど、すぐ戻るから」

そう言ってその場を立ち去って行ったのだった。

 

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ドン・ジュアンとスガナレルが話をしている。

 

「いや~、参った参った、急に突風が吹いたせいで艀はひっくり返るし、おれの計画も水の泡。

でも、さっきの百姓娘(マチュリーヌ)はめっけモンだったな。

計画は失敗したけど、あの娘の可愛さでそんなのはもう帳消しだ。

よーし、絶対に物にしてみせるぞぉ」

 

「はぁ~、この旦那様と来たら……。死にそうな目をまぬかれた途端に、神様にお礼を申し上げるどころか、またしても神様のお怒りを招くような浮気ザタ……」

 

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そこでドン・ジュアン

シャルロットに気が付いた。

 

「ややや、またしても、さっきの娘とは別口の百姓娘を発見。

おお~、こっちのコもさきのコとは負けず劣らずのカワイコちゃんではないか!」

 

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ドン・ジュアンは早速シャルロットに声を掛けた。

 

「娘さん、あなたはなんて美しいんだろう。しかも目元は利口そう。

ああ、なんという可愛らしさ、なんて惚れ惚れするような歯並び。

ふるいつきたくなるような唇。

こんな魅力的な娘さん、私は今まで会った事がありません。

思わずうっとりしてしまいましたよ」

 

言葉のかぎりを尽くして褒めちぎる彼に、シャルロットは気分が良くなり、心はすでにグラグラである。

 

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「娘さん、あなたはまだ結婚していませんよね?」

「ええ、でも、もうすぐピアロと一緒になる事に決まっておりますの」

 

「なんですって!?あなたほどの美しい人が、

ただの土百姓の女房になるですって!?

そんなの絶対にいけません!

私の妻になるべきです!

 

「まあ……嬉しい。でも私、……騙されてるとしたら嫌ですよ?」

 

「騙すわけ無いじゃないですか!

神に誓っても良いくらいだ!

 

「ああ、お誓いにならないで。私、あなたを信じますわ」

 

そこにピエロが戻って来て、

このありさまに驚愕してしまった。

 

「お、おい、ちょっと、旦那さん!

おらの嫁っこにチョッカイ出すのは

やめてもらいてえ所だな!」

 

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しかしドン・ジュアンは、彼に対してはひどく横柄で乱暴である。

 

「やかましいわ!」

 

怒鳴りつけるばかりか、叩いたり殴りつけたり。

 

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「死にそうな所を助けてやったのに、この恩知らず!

 

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ピエロの怒りはシャルロットにも向いた。

 

「おめえもおめえだ。

男にちやほやされて黙ってるなんて、この浮気者

 

しかしシャルロットは澄ました顔で

「あたしはこの旦那と結婚するの」

 

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「チクショー!この顛末を、おまえの伯母さんに言いつけてやる!」

憤然としてピエロが去った後

 

ドン・ジュアンはシャルロットに囁いた。

「私は男の中で一番の果報者です。あなたが妻になってくれたら、どんなに嬉しい事でしょう……」

 

ところがそこへ

マチュリーヌがやって来た。

 

「あら、旦那さん、そこでシャルロットと何のお話をなさっているのかしら?」

 

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ドン・ジュアンは慌てて

「いや、彼女が私の女房になりたがってるんですが、私はあなたと約束済みだと答えていたところでして……」

 

すると今度はシャルロットが問いただす。

「マチュリーヌがあなたに、なんの御用があるんですの?」

 

ドン・ジュアンは彼女の方を向き

「いや、彼女は、私があなたと話しているのを見て妬いているんですよ。どうやら女房にしてほしいみたいなんで、私の欲しいのはあなただ、って言ってやりました……」

 

キーッ!とした顔で

火花を散らし合う

シャルロットとマチュリーヌ。

 

「旦那さんはあたしと結婚するのよ!」

 

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「お生憎さま、旦那さんはあたしと結婚するんですよーだ!」

 

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二人は次第に逆上し、ヒートアップしてきてしまった。

 

「旦那さん、喧嘩の片をつけてくださいな」

「裁きを付けてくださいな、旦那さん」

 

困り切ったドン・ジュアン

「何の説明をする必要があるんですか、私が実際に約束したのはひとりだけですよ。私がいよいよ結婚する段になればおのずとわかろうというもんじゃないですか」

と言いつつ

二人の女に交互に

「私が愛しているのはあなただけですよ」

と囁き

 

「あ、ちょっと用事があるから。十五分もしたら戻ってきます」

と言って逃げてしまった。

 

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あの方が好きなのはあたしよ!

そんなわけないでしょ、お嫁さんになるのはあたしよ!

 

やり合う二人の娘に、やれやれといった調子でスガナレルが言い聞かせた。

 

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「ほんとにまあ、二人とも可哀想に。娘さんたち、良くお聞き。さっきみたいな話にうつつを抜かすもんじゃないよ。村にじっとしておいで」

さらに彼は続けた。

「うちの旦那はイカサマ師さ。これまで何人も騙してきた、結婚詐欺の親玉……」

しかし、そこへドン・ジュアンが戻って来てしまったので

スガナレルは慌てて言い繕った。

「……っていうのは真っ赤な嘘です。旦那様は立派なお方!私が請け合います!」

 

そこへ

護衛の剣客ラ・ラメーが駆けつけて来て注進した。

騎馬の者が十二名、ご主人様を探しているようです!大変危険なので一刻も早く当地をお引き上げになるのがよろしいかと存じます!」

 

ドン・ジュアンはシャルロットとマチュリーヌに別れを告げた。

 

「急な用事でこの地を離れなければならなくなりました。が、さっきの約束を忘れないでください。明日の夕方ごろまでにはきっとお便りをさしあげます!」

 

一方、スガナレルに向かっては

「多勢に無勢だからな。災難を避けるために、おい、おまえがおれの着物を着ろ」

と非情なことを命じるのだった。

 

 

第三幕

 

舞台は森の中。

 

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スガナレルのアイデアで、ドン・ジュアンは田舎づくり、スガナレルは医者の恰好に変装している。

 

質屋から調達したこの医者の服のおかげで、スガナレルは百姓たちから本物の医者と勘違いされたため

あてずっぽうに診察し、でたらめに薬を処方してやったらしい。

 

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その話を聞き

神を信じないと同じくらい、医者も信用していないドン・ジュアンは皮肉を言った。

 

「本物の医者どもだって、お前と同様、病人を治す力なんかありゃしない。医術なんてまやかしだからな」

 

スガナレルが訊ねた。

「神も信じない、医者も信じない、それじゃあ旦那様は一体、なにをお信じになるんですか?」

 

「おれが信じるのは、二足す二は四、四足す四は八、これさ」

 

そんな主人に呆れながら

スガナレルは、想像主の存在を本当に信じないのですか?そんな考えでいるといまに地獄に落ちますぞと語った。

 

そうこうしているうち

彼らは道に迷ってしまっていた。

 

貧者のフランシスクが通りかかったので

二人は彼に道をたずね

街へ出る道を教えてもらった。

 

お礼として施しを願ってきた貧者に向かい、ドン・ジュアンは訊ねた。

「おまえはいつも森の中で何をしているんだ?」

 

「わたくしに施しをくださる方々の繁栄を、明け暮れ祈っております」

 

それを聞いたドン・ジュアンは小馬鹿にするように

「そんなに神にお祈りをささげているのにこんなに貧しい暮らしをしているのか」

そして、鼻で笑いながらこう言った。

「そんなら神様を呪って見ろ。1ルイ金貨をくれてやる」

 

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「いいえ、旦那様、それなら飢え死にした方がましでございます」

そう答えた貧者に向かい、ドン・ジュアン

「人類愛のためだ。これはお前にくれてやる」

そう言って金貨を与えたのだった。

 

その時

 

彼方で

一人の男が三人の追いはぎに襲われているらしい様子が視界に入ってきた。

 

「三人がかりで一人を襲うとはなんと卑怯な!

これは見捨てておけぬ!

 

そちらに飛び込んでいったドン・ジュアン

 

襲われている男に助太刀をし

たちまちのうちに、三人の追いはぎどもを蹴散らしてしまった。

 

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助けた男は

ドン・カルロという騎士だった。

 

彼は、弟や従者たちとはぐれた所を、追いはぎどもに襲われてしまったらしい。

 

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彼はドン・ジュアンに心から礼を述べた。

「お力添えのおかげで助かりました。義侠仁慈なこのお働きに、ぜひ、お礼を述べさせてください」

「いやいや、礼には及びませぬ」

 

二人でなごやかに語り合っているうちに

実は彼はドーヌ・エルヴィールの兄で、修道女であった妹が誘惑されておびき出され、挙句の果てに捨てられたというのを

「わが一族に対する大いなる侮辱」

ととらえ、敵討ちをするために「ドン・ジュアン」なる男を探しにやって来た

ということがわかってきてしまった。

 

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「私は一度も会ったことが無いのですが、弟から様子を聞く限りでは、そのドン・ジュアンなる者、評判ははなはだ悪く、暮らしぶりときたら……」

 

「あ、暫くご容赦いただきたい。実はそのドン・ジュアンいう男は私の友人の一人なのです。ですからそれ以上の悪口は……」

 

「命の恩人の貴殿が、あのドン・ジュアンのご友人だとは!」

 

「貴殿らのお顔が立つように、あの男に償いをさせるよう、連れてきてあげましょう。これ以上あいつをお探しになるまでもありません」

 

そんな事を言ってドン・カルロスを言いくるめようとしていたドン・ジュアンだったが

 

間もなく

彼の弟

ドン・アロンズと三人の従者たちに

バッタリと出くわしてしまった。

 

「ややや、兄上、何たることですか!

不倶戴天の敵とこうして共におられるとは!」

 

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「不倶戴天の敵?」

 

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バレてしまっては仕方がない。

「いかにも拙者がドン・ジュアンだ。二人を敵に回そうと、名を偽るような拙者ではない!」

 

「おのれ~、悪党め、覚悟をいたせ!」

 

「待て待て、弟よ、待ってくれ!」

 

ドン・カルロスはいきりたつ弟を制すると、

先ほどドン・ジュアンに危うい所を助けてもらったという経緯を話して聞かせ、

この恩義に報いるために、彼に一日の猶予を与えようではないか

と提案した。

 

不服顔のドン・アロンズだったが、兄に淳淳と説得され、渋々ながらに承知した。

 

ドン・カルロスが言った。

ドン・ジュアン殿、受けたご恩はここにこうしてお返し申す。他のすべてはご自分で判断されよ」

 

 

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兄弟と従者たちが去った後

 

怯えて隠れていたスガナレルが現れ、ドン・ジュアン

「横着、無礼、臆病者!」と叱られてしまった。

 

ドン・ジュアンは先ほど別れたドン・カルロスを立派な男だと讃え

あれと仲たがいしたのは残念だと言いながら

 

「しかし、あいつの妹のドーヌ・エルヴィールにはすっかり冷めたよ。色恋にかけては自由でいたいおれにとって、やっぱり結婚は向いていないんだわ」

 

 

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やがて彼らの目の前に

立派な建物が見えて来た。

 

「あの素晴らしい建物は何だ?」

 

「あれは、以前旦那様が決闘の末にお倒しになった騎士の墓でございます」

 

実は、ドン・ジュアン

六か月前にある騎士と決闘し、殺していたのだった。

 

「なるほど、一つ見てみようじゃないか」

 

二人は霊廟の中に入って行った。

 

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中には堂々たる騎士の石像が。

 

「ああ、見事な ものですねえ」

「生きている間ロクでもない住居で我慢していた男が、死んでからこんな立派な住処を欲しがるなんて、ほとほと感心しちまうね」

 

「これが騎士の像でございます……こちらを睨んでおります……ああ、ぞっとする……」

 

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「ふふん、オツに澄ましてやがる。おい、スガナレル、こいつにおれと一緒に晩飯をやりに来ないかと訊いてみろ」

「えええ~、ご冗談を」

「訊けというに」

 

スガナレルはしぶしぶ石像に話しかけてみた。

 

「あのー、騎士様、うちのご主人がご一緒に晩餐をなさりたいと申しておられるのですが……」

 

その時

石像がこくりと頷いた。

 

ひゃーっ!像が動きました!」

「馬鹿いうな」

 

「本当です、ためしにご自分で話しかけてください」

 

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ドン・ジュアン

「騎士殿、拙宅に晩餐においで願えませんか?」

と話しかけると

 

像はまたしても頷いた。

 

恐れおののくスガナレル。

 

しかしドン・ジュアンはそれくらいの事、平気の平左なのである。

 

 

 

第四幕

 

舞台はドン・ジュアンの居間。

 

 

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 石像が動いたことについて

 

神様が旦那様の暮らしぶりに怒って

改心させようとなさっているんですよ!

 

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そう主張するスガナレル。

 

しかしドン・ジュアンはうるさがって取り合わない。

 

そうこうしているうちに

召使のラ・ヴィオレットがやって来て告げた。

 

御出入り商人のディマンシュさんが借金の取り立てにやって来て、一時間も前から座り込んでいます」

 

ドン・ジュアン

「こちらに通しなさい。おれはびた一文払わずに奴らを追い返す秘訣を心得ているからな」

 

ラ・ヴィオレットともう一人の召使ラゴタン、スガナレルが見守る中

 

部屋に通したディマンシュ氏に

ドン・ジュアンは下にも置かぬもてなしぶり。

 

「私の第一の親友、ディマンシュさんようこそ。

いや~いつ見てもご壮健でいらっしゃる。最近いかかですか?お家の方々は」

彼は立て板に水の勢いで話しかけ

ディマンシュ氏が借金の返済を言い出す隙を与えない

 

 

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「旦那様、ご厚意ありがとうございます、ところで……」

さあさあさあ、ディマンシュさんのお帰りだ、誰か四、五人お供しなさい」

「いや、独りで大丈夫でございます。ときに……」

「私は心からあなたのものです。あなたのためなら、たとえ火の中水の中。

では、ごきげんよう

 

ディマンシュ氏はスガナレルに愚痴をこぼした。

「あんなにちやほや丁寧にされますと、お金の話など切り出せませんわい。スガナレルさん、あなたから一言、旦那に申し上げておいてくださいな」

「ええ、心配ご無用。きれいに払ってくださいますよ」

 

「ときにスガナレルさん、あなたの方にも少しばかり貸しがありましたよね?」

 

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そう言われた途端

スガナレルはディマンシュ氏を戸口から押しやり、こう言うのだった。

 

「おとといおいで!」

 

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ほどなくして

 

ラ・ヴィオレットがドン・ジュアンの父、ドン・ルイの来訪を告げた。

 

やって来た父は息子に向かい

長々と説教を食らわせた

 

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「お前の非行の数々次から次へと重ねる悪行には愛想が尽きるわ。

家柄にふさわしからぬその所業、恥ずかしいと思わんか!

こんな事では、わしゃご先祖様に顔向けできぬ。

不肖の子よよく聞け、父の慈愛ももう愛想が尽きておる。

お前が思っているより早く、その乱行にとどめを刺してみせよう。

神様のお怒りが落ちる前に、

わしがお前を懲らしめてやるからな!

 

父が出て行ったあと

 

ドン・ジュアン

「さあさあ、とっとと死んでくれ」

と悪態をついた。

 

 

すると今度はラゴタンがやって来て

ドーヌ・エルヴィールの来訪を告げた。

 

ヴェールを被ったドーヌ・エルヴィールは泣きながら語った。

 

ドン・ジュアン様、私はもう世を捨てる覚悟がつきました。今はすでにあなたへの情欲の念は一切ございません。

ただ、あなた様に対しての聖らかな情け、解脱した愛から申し上げます。

神様がわたくしの心に触れ、

あなたさまにこう伝えよとお告げになりました。

度重なるあなたの御罪過には

神様もお情けが尽き果て、

恐ろしいお怒りが今にも頭上に落ちようとしています。

それを避けたいと思召しましたら、

すみやかに悔い改めてくださいませ」

 

 

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彼女はそう告げると、

ドン・ジュアン

「もう夜が更けたから、ここへお泊りになりませんか」

という申し出を断って帰って行った。

 

「おいおい、おれはまたあの女にちょっと未練が出て来たよ」

「あのお方のお言葉も、旦那様には全然効き目が無かったんですね……」

「さあさ、晩飯、晩飯」

「かしこまりました」

 

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食事が始まった時、何者かが戸を叩く音がした。

スガナレルが見に行き、青い顔をして戻って来た。

「どうした?」

あれがやってまいりました!」

 

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あれとは、石像の騎士の事である。

ところが肝の据わったドン・ジュアンは驚きもしない。

 

彼は騎士像を食卓に招き入れ、席と食事を勧めるのだった。

 

騎士像が言った。

ドン・ジュアン殿、明日拙宅に食事にお招きしたい」

 

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「よろしい、行きましょう」

 

騎士像がもう帰るというので、スガナレルに灯りを持たせようとしたところ、騎士像はこう言って辞退した。

「神に導かれるものに、灯りなど必要ない」

 

 

 

第五幕

 

舞台は町の入り口に近い田舎道。

 

 

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ドン・ジュアンが父に向って言う。

 

「私は神様のお導きにより、

すっかり改心いたしました。

もう昨日までのような自堕落な私ではありません。

父上、私が師と仰ぐべきお方を父上のおめがねで選んでください。

そのお方の指導により、これからしっかりやって行こうと思います」

 

それを聞いた父は

「おお、息子よ。嬉し涙が出るわい」

と大喜びである。

 

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しかし

それはドン・ジュアン

心からの改心などではない。

 

彼はこれから

偽善者になろうと思っただけなのだった。

 

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彼の本心を聞き、スガナレルは呆れてしまった。

 

「旦那様は善人ヅラがなさりたい、って事なんですか?」

 

悪いか?他にも猫っ被りして善人ぶって世間をたぶらかしてる人間はいくらでもいるんだぜ。偽善者稼業は一番得さ。

他の悪徳はみんなから攻撃され放題に非難されるだろうが、偽善だけは特別扱い。

他人の行状をあれこれ貶しつけ、

おれだけは絶対に正しいって顔をするのさ。

ちょっとでも生意気な口を利くやつがいたら絶対に許さん。いつまでも根に持って恨み続け、天に代わって仕返ししてやる。

これが利口なやり方ってもんさ」

 

「旦那様、地獄に落ちますよ……」

「ふふん」

 

そこにドーヌ・エルヴィールの兄、ドン・カルロスが来かかった。

 

「これはドン・ジュアン殿、ちょうど良い所においでなされた。

私はやはり、ここはひとつ穏便に済ませたいと思うのです。

つきましては、我が妹をあなたの妻だと公然とお認め下されば、すべて丸く収まろうと言うものですが」

 

それに対してドン・ジュアンは偽善者口調でこう返した。

 

「ああ、出来る事ならおっしゃる通りにしたい所でしたが……妹さんと私は同時に神様からの霊感を授かったのです。

妹さんは世を捨てる覚悟をなさり、私は今までの暮らしを改め、これからは清く正しく生きることに決めました」

 

「いや、ドン・ジュアン殿、正しい妻を持つ事はそのご立派な決心と違うものではないのでは?

そもそも、妹が出家するのをそのままにしてしまっては、あなたから妹、ならびに我が一門に侮辱を加えられたため、と、世間が受け取る恐れがあります。

ここは我が一門の名誉にかけても、ぜひとも妹と共に暮らしてもらわねば」

 

「ああ~、そうできればどんなに良い事か。

しかし、天のお声が妹さんには決して心を掛けてはならぬ、一緒に暮らしなどしたら救いはあり得ぬぞ、と仰せなのです」

 

「そんな話で、この私に引き下がれと申されるのか!?」

 

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「これも全て神様の思し召しですから。

恨むなら神様を恨むがよろしい

 

「ようくわかった。場所が場所ゆえ今ここで果し合いはせぬが、いずれ改めてお目にかかるとしよう!」

 

「お好きにどうぞ。しかし、私は果し合いなどする気は無い。

神様が禁じられていますからな。

それでも、どうしても打ちかかってこようと言うのなら、それはその時の話」

 

「よし、その時の話だ!」

 

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ドン・カルロスが立ち去った後

 

スガナレルがぼやいた。

 

「旦那様、最低ですよ。

これなら昔の旦那様の方がまだマシでした。

こんな極悪なやり方、今まで大目に見てくださった神様だって、もうお許し下さるまい」

 

神様がそんな几帳面かよ。そんな、人間が何かするたびごとにいちいち……」

 

その時

 

スガナレルは前方にヴェールを被った女の幽霊がいるのに気が付いた。

 

「旦那様、これぞ神様からのお諭しです!」

 

幽霊は言った。

 

ドン・ジュアンよ、神の御慈悲にすがるのならば、

いますぐ悔い改めるのです。

そうしなければ、たちどころにあなたは破滅しましょう」

 

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「聞き覚えのある声だな。────亡霊か、妖怪か、悪魔か、その正体を見届けてやる」

 

その時。

 

亡霊の姿が

 

鎌を手にした「時」(老いて死んでゆく、時間というものの神格化)へと変化した。

 

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怯えるスガナレル。

 

しかしドン・ジュアンはあくまで強気である。

「現身か亡霊か、剣で試してやる!」

 

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彼が切りつけようとする間に

亡霊は飛び去って行ってしまった。

 

「旦那様、もうわかったでしょう?一刻も早く心を入れ替えてくださいよ」

 

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「何が起ころうと、後悔なんかするもんか。さあ、ついてこい」

 

そこに今度は、

騎士の石像が現れた。

 

「待て、ドン・ジュアン!」

 

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石像は言った。

 

「貴殿、拙宅に食事に来られると言われたな」

 

「さよう。どちらへ参ったらよろしいかな?」

「手をお貸し頂きたい」

 

ドン・ジュアンが「さあ」と言って手を差し伸べた所。

 

ドン・ジュアンよ、

罪業が重なれば不吉な死を招く。

天の恵みを拒絶すれば、

雷が頭上に落ちるであろう」

 

「ああああ、なんという気持ちだ、目には見えない火で焼かれているようだ。ああああ、体中が燃えるようだ」

 

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ピシャーン!

 

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雷がドン・ジュアンの頭上に落ちた。

 

大地が裂けて

ドン・ジュアンを飲み込んだ。

 

そこから噴き出す

大きな炎。

 

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 あとに残されたのは

 

スガナレルがただ一人。

 

「あの方が死んで

これでみんなは満足だろう。

 

穢された神様も、犯された掟も、騙された娘も、侮辱された一家も、恥をかかされた両親も、間違いをしでかした女房も、面目をつぶされたご亭主も

 

みーんなご満悦だろうけれど、

おれ一人だけが可哀想。

 

長年勤めあげたその挙句

不信心なご主人様が恐ろしい罰を受けるのを見なくちゃならないなんて。

 

……それにしても

……おれの給料……俺の給料はどうしてくれるんだ~!」

 

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   おわり

 

--------

 


いやはや。

 

色男の代名詞として使われている

ドン・ジュアン(ドン・ファン)ですが

 

彼の物語の結末がこんなに悲惨なものであったとは

私は思いもよりませんでした。

 

ちょっとビックリしてしまいますね。

 

 

この物語は起源は前述しましたように

スペインに伝わる色男伝説です。

 

伝説の内容は

「女好きの貴族ドン・ファンが貴族の娘をたらし込み、

その父親を殺した後、訪れた墓場で戯れにその石像を宴会に招待した。

すると石像は本当に宴会に現れ、

現場をパニックに陥れたあげく、

主人公は地獄に引き込まれて死んでしまう」

というもの。

 

これを一番最初に戯曲化したのは

スペイン人のお坊さん

ティルソ・デ・モリナ(本名ガブリエル・テレス)でした。

 

1630年に発表されたその時のタイトルは

「セヴィラの女たらしと石の招客」

 

それがやがてイタリアに伝わり

チコニーニ、ジリベルトらのイタリア人作家によって

本格的喜劇

「石の招客」へと発展していきました。

(チコニーニの作品は1650年以前、ジリベルトの方は1652年には完成しています)

 

1658年

それがイタリア人劇団によって

即興劇としてフランスに紹介されたところ

大当たり!

 

そこから

いくつかのフランス版が作られることになりました。

 

ドリモン1659年

同じころにヴィリエも戯曲を作ります。

タイトルは共に

「石像の宴」またの名を「罪の子」

 

騎士像が喋り出したり

ラストシーンで主人公が雷に打たれたり

そんな演出の面白さもあって

観客に受けていました。

 

さて

 

1665年

劇団主催者兼役者

そして芝居作者のモリエール

国王陛下に気に入られ

脂の乗り切っていた時期にありました。

 

しかし彼は

前年に発表した会心の大作

「タルチュフ」(宗教を食い物にするペテン師を劇中で叩いています)が

宗教家たちからの激しい突き上げに遭い

上演禁止に追い込まれてしまっていました。

 

その上

私生活上や健康上での不安も多く抱え

劇場を閉ざしがちの日々。

 

しかし

劇団員たちの生活を支えなければならないし

このまま芝居をやらないでいては

ライバル劇団に負けてしまう。

 

そこで急遽

「手っ取り早く、面白い芝居を作らねば」

という事で思い立ったのが

この当時流行していたドン・ジュアン」劇の新しい脚色

というわけでした。

 

これまでの芝居で見られていた

ただ単なる女たらしとしてのドン・ジュアン像に

様々な性格的な肉付け(短所もあれば長所もある)がされ、面白みを増したこの作品は

 

果たして

観客たちに大いに受けまくりました。

 

モリエール劇団として画期的な大成功!!

初演以来15回も上演されたのですが

 

ここでまたしても宗教家たちからの

大ブーイング攻撃に遭い

それ以上は上演できなくなってしまいました。

 

以来、この作品は

モリエールの生存中はおろか

1841年にオデオン座が取り上げるまで

 

実に170年以上もの間

上演されることが無かったのです。

 

宗教家たちの神経を逆撫でした部分は

 

敬虔な信心者を装いながら

神や正義を盾にして、陰でずるい事をしているような

偽善者たちを皮肉った所

のようですが

 

それにしても

 

一つの作品を170年以上もの間

封印させ続けていたという

 

偽善者たちのその執念

社会に及ぼす影響力には

 

そら恐ろしいものがありますね……。

 

 

 

 

 

ドン・ジュアン (岩波文庫)

ドン・ジュアン (岩波文庫)

 

 

 

 

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為永春水人情本「春色梅暦」 

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モリエールに対抗するニッポンの芝居作者

鶴屋南北東海道四谷怪談

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こちらは私の小説になります。よろしくお願いいたします。

 

台風スウェル

台風スウェル

 



 

 

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糖尿病の猫さんに飼い主さんがインシュリン注射を打つ方法、および、注意点などをまとめてみました。

愛猫が糖尿病にかかってしまった!

なんて事になると

 

それだけでもショックが大きいのに

お医者様から

 

「これから毎日

インシュリン注射をしてください」

 

なんて言われると

不安になってしまう飼い主さんも多いと思います。

(私もそうでした)

 

でも

慣れてしまえば

そんなに難しいものではないから大丈夫ですよ。

 

高すぎる血糖値を、「ほどほどの高さ」くらいにコントロールをしていれば

ニャンコさんは今まで通り元気に暮らせるし

 

ニャンコさんの場合は

インシュリンを卒業できるケースもある!

という事らしいので

 

お互いに

焦らず、気長に頑張りましょうね。

 

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我が家のミータは

現在、糖尿病歴1年4か月

毎日、朝と夕方のご飯時に

3単位ずつインシュリンの注射をしています。

 

ということで

 

今回は

糖尿病ニャンコさんへの

インシュリン注射の打ち方

および

その際のちょっとした注意点

などを書いてみようと思います。

 

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----- 

必要なもの

 

インシュリン(うちの子が使っているのはランタス)

 

注射器

 

注射器のメモリが細かく、単位を間違ってしまうと怖いので

私は薬剤を注射器に入れた後

虫眼鏡を使ってメモリを確認しています。

 

アルコール綿での消毒は

特にしなくても大丈夫だと思います。

 

-----

 

猫の血糖値の正常範囲は

71~148mg/dlですが

万が一低血糖になってしまうと危険なので

 

うちのミータの場合は、ランタスが最大に効いた状態であっても

血糖値は200mg/dl台というあたりで押さえています。

 

高血糖による体へのダメージは

ジワジワとゆっくりしたものなので

高血糖状態を多少放置した所で、すぐにニャンコさんが危険な状態になるわけではありません

 

薬剤が効きすぎて低血糖になってしまうと

下手をすると即、命に直結してしまう場合があるので

 

おそらく、掛かりつけのお医者様からは

正常範囲より若干高めの血糖値で抑えるように

薬剤の単位設定をされることと思います。

 

(もし、注射をした後にブルブル震え出すなど「おや?」と思うような症状が出たら、低血糖の症状かもしれないので、すぐにお医者様に連絡をしてください)

 

 

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注射器とランタス

両方のキャップを外します。

   ↓

注射器は押し子を押して

最初に入っていた微量の空気を抜いておきます。

  ↓ 

ランタスの先端にあるゴムの部分に針を刺し

お医者様から指示されている単位分の薬液を注入します。

(なるべく空気が入らないように注意しましょう)

 

注射器に空気が入ってしまった時には

軽く指で弾くと良いのですが

あんまり強く弾きすぎると、針が曲がってしまうので注意が必要です。

 

薬液を注射器に入れた所で

 

さて

ニャンコさんの

どこに注射をするか?

と言いますと

 

ニャンコさんの体というのは

首の後ろとか肩甲骨の間あたりなど

意外なほどに皮がテロンテロンしています。

 

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意外とモモンガちっく!

 

なので

そのあたりの皮を

テントみたいに三角に摘まみ上げ

皮下に注射するんです。

 

筋肉に注射するわけじゃないので

あんまり痛くはないみたいですよ。

(うちのミータは鈍い子ちゃんなので

刺されていることに気が付かない位です)

 

 

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お母さん猫が子猫を運ぶときに咥えるあたりの皮がテロテロしています。


とはいえ

 

こっちが

「やるよ、やるよ~」

という気配を出し過ぎているとニャンコさんも警戒してしまいますし

 

ニャンコさんにはジッとしていてもらわないと

注射など、とてもできないので

 

うちのミータは

ご飯やオヤツで釣っています。

 

 

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ニャンコさんが食べ物に夢中になっている所

さりげなく近づいていき

 

肩甲骨の間当たりの皮を摘まんで

おもむろに

ズブッと差します。

 

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※針が反対側に突き抜けてしまわないように注意しましょう。

 

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拡大するとこんな感じ。

 

針を刺す場所は

常に同じところにしていると皮膚が固くなってしまうらしいので

その都度、微妙に位置を変えると良いらしいですよ。

 

 

打ち終わった後

その部位を揉むのはNGです。

(インシュリンの場合、マッサージして薬剤の吸収を早めてしまうと、低血糖をひきおこすかもしれないから)

 

 

ニャンコさんの皮はテロテロしていて、意外に薄いので

ついうっかり、針が向こう側に突きぬけてしまい

注射に失敗してしまう事があるかもしれません。

(私は何度もやらかしています)

 

そういう時は

潔くその回の注射は諦めましょう。

 

決して「リベンジ!」などと言って

注射の打ち直しを

してはいけません。

 

失敗したとは言っても、いくらかは薬剤が体内に入っているかも知れず

打ち直すことにより

低血糖を引き起こしてしまったら

その事の方が危険ですから。

 

 

打ち終えた後の注射器は

医療廃棄物

という事で

 自宅での処分は厳禁

ですので

 

再びキャップを被せ、使用済みの注射器を置くところに保管しておきましょう。

(私は小さいコップを使用済み注射器容器として使っています。)

 

溜まった使用済み注射器は

次回、動物病院に行った時に

窓口に渡して病院での廃棄をお願いします。

 

 

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自分で注射しなきゃならない!

なんていうと

 

最初は何だか怖いような気がしてしまいますが

 

慣れてしまえば

結構、簡単に出来るようになると思います。

 

とはいえ

 

少しでも早く

インシュリン卒業できるようになりたいものですよねえ……。

 

愛するニャンコさんの健康と長生きのため

お互いに治療、頑張りましょうね。

 

 

 

 

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 我が家の猫が糖尿病になってから1年を振り返りました。

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糖尿猫の耳からの簡易採血のやり方

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 うちの子の食事制限は、あまりうまくいきませんでした。

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糖尿病とは直接関係は無いのですが

下半身の筋力が衰え、脚がフラフラしていたのが

アデホス」を服用させることで改善しました。

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こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。

 

台風スウェル

台風スウェル

 



 

 

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水産庁の漁業調査船「開洋丸」が1984年と1986年の2回にわたりUFOに遭遇してしまった事件について。

ネットで「かいよう丸」という船名を検索すると

 

江戸幕府が幕末に所有していたオランダ製軍艦

「開陽丸」に関する情報と

 

もうひとつ

 

水産庁保有している漁業調査船

「開洋丸」の情報が出て来るのですが

 

今回はこの

水産庁の漁業調査船

開洋丸

 1984年12月と1986年12月の

2回にわたって

 未確認飛行物体(UFO)と遭遇してしまった!!

という

事件をご紹介いたします。

 

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※イメージです。

 

 

最初のUFO遭遇は

1984年12月18日の事でした。

 

 

南極海での調査を終えた開洋丸は

南米大陸南端にほど近い

フォークランド諸島付近の大西洋上を北へ向かって航海していました。

 

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午前0時10分過ぎ

 

操舵室で当直中の船戸健次2等航海士が

船首方向、オリオン座の付近に

東(右)へと動く黄色い光を発見しました。

 

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2等星ほどの明るさのこの光は

 

速度や方向が一定しないまま

フラフラしたりジグザグに動いたりして

 

途中から速度を上げ

一直線に視界から消えました。

 

そして

 

このような光が

およそ10分おきに同じような位置に

 

計8回も現われたのです。

 

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消えた方角は

 

4回は右方向

2回は上方向

2回は下方向とまちまちでした。

 

これが現れなくなったのは1時35分ごろ。

 

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この不思議な光を

この時

5人の乗組員たちが目撃していたのです。

(3人のベテラン船員たちと1人の学生と農学博士の永延幹男氏)

 

 

目撃者の一人である永延博士は、これについて

「あれは、人工衛星でも流星でもなかった」

と語っています。

 

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そして

それから2年後

 

 

開洋丸は

再び

未確認飛行物体と

遭遇することになるのです!

 

 

1986年12月21日

 

開洋丸は北東太平洋の海洋調査のため

日本とハワイの中間あたり

ウェーク島近くの北緯26度付近を、東に向かって航海していました。

 

 

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午後6時

佐々木洋治2等航海士がレーダーのスイッチを入れた所

 

北方向(左舷側)5.5キロ地点に

巨大な楕円形の像が映り込んできました。

 

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「なんだこれは?」

 

これだけ大きなものであれば、普通なら目視できるはず。

けれども何も見あたりません。

 

彼は船室から出て

双眼鏡でその本体を探してみたのですが

やはり何も見えず、それらしき音も聞こえてはきませんでした。

 

再び船室に戻って、レーダーを確認してみたところ

その楕円形の像は、猛スピードで船から遠ざかり

やがてレーダーから消えていきました。

 

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引き継ぎの時に、この報告を受けた3人の当直者(下條3等航海士、村塚甲板員、高柳操舵手)は

先ほどのものとは別のレーダーを作動させました。

(開洋丸には3台のレーダーが装備されており、当直ごとに別のレーダーを使う事になっているのです)

 

すると

 

午後10時30分

 

またしても

レーダーに

巨大な楕円形が映り込んできたのです!

 

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「タンカーか?」

 

「それにしてはスピードが速すぎるだろう。

これは間違いなく飛行物体だ」

 

「大きさは400mはあるだろう」

 

それは音もなく船に近づいてくると

マッハ4(時速4900㎞)の速度で

その周りをぐるぐると2周りした後

 

いきなり直角に向きを変え

 

開洋丸に

まっすぐ

突っ込んできました!

 

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「うわーっ!」

 

慌てて目視をこころみるものの

やはり何も見えません。

 

一堂が緊張している中

楕円形の物体は今度は鋭角にターンして

レーダーから消えて行きました。

 

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これはおよそ10分間ほどの出来事でした。

 

ところがところが

 

それから30分後

またしても

例の物体が現れたのです!!

 

 

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午後11時10分

 

今度現れたのは右舷側の船尾付近でした。

これもやはり

見えるのはレーダー上だけで、目視はできません。

 

物体はぐんぐんと

猛スピードで

船に接近してきています。

 

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「ぶつかる!!」

 

一同がそう思った時。

 

レーダーから物体の影が消え

 

衝撃も振動もないままに

 

なにかが風を切り裂いたような

ブオーッ

という音が響きわたりました。

 

音が通り過ぎ

それが向かって行ったと思われる前方には

 

赤みがかった

黄色い楕円形の光が輝いて見え

 

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やがてそれは

 

1、2秒ほどで

闇に消えていきました。

 

 

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この2度にわたる

未確認飛行物体との遭遇に関しては

 

最初の航海に乗船していた永延幹男博士が

1988年の日本版「サイエンス」誌9月号

 

観測調査の専門家が

複数人で

未確認飛行物体を目撃した記録

 

として発表しています。

 

 

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日本政府の管理している船

航海にも観測にも熟達した専門家達がUFOを目撃

さらにそれが

本格的な科学雑誌に発表された

ということで

 

この事件は当時

かなりのセンセーションを巻き起こしたそうです。

 

 

開洋丸が遭遇した

謎の光と

付きまとってきた謎の巨大物体

 

これは一体何なんでしょうね……?

 

 これに関しては現在のところ

 

UFOに決まってるだろー!

という派と

 

UFOなわけないだろー!

という派が

 

真っ向から対立しているのですが

 

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「UFOなわけない」

の意見としては

 

1度目の遭遇に関しては

 

その2年前にアルゼンチンとイギリスとの間でフォークランド紛争が起こっており

その緊張がいまだ解けやらぬ頃であったため

(戦争自体は3か月で終了していたものの、両国の国交が再開され、対立状態が正式に終了するのは1990年になります)

 

軍用機の訓練飛行だったのではないか?

 

と言われています。

 

たしかに

 

怪しい光を目撃した海域は

フォークランドから500㎞

アルゼンチンから100㎞という場所なので

そんな事もあり得るかも知れません。

 

しかし

開洋丸の乗組員たちは

「軍用機の見え方には慣れている」

とのこと。

 

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また

 

2度目の遭遇事件に関しては

 

軍用機から

レーダー波に対する妨害を受けたのではないか?

 

という説が言われています。

 

確かに

そういう事もあるかもな~

とは思うのですが

 

軍用機が

警告等を一切せずに

 

何の理由もなく

恣意的に

 

他国の船に絡んできてしまう!

 

などというのも

(しかも結構、悪質な絡み方でしたよね~)

 

そんな事が許されてしまう

というのであれば

 

それはそれで

 

UFOと

ドッコイドッコイくらいに

怖い話なんじゃないでしょうか……。

 

 

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パイロットは結構UFOを目撃しているというお話

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 こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。

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台風スウェル

台風スウェル

 



 

 

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吉報!!吉川英治記念館が2020年9月に再オープンする見通しとなりました!!

(※こちらは2019年12月11日の記事です)

 

2019年3月20日

多くのファンに惜しまれながら閉館した

吉川英治記念館

 

 このたび青梅市営となって

2020年9月7日(吉川英治の命日)に

再びオープンされる

見通しと

なりました!!

 

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東京都青梅市にあるこちらの記念館(旧吉川邸)には

約5000㎡の庭園の中に江戸時代の豪農屋敷を改造した母屋と離れ、近代的な展示室があり

 

吉川英治の直筆原稿や蔵書など

資料11400点が所蔵されています。

 

吉川英治1944(昭和19)年

港区から、当時西多摩郡吉野村であったこちらの地に疎開

ここで9年5か月もの月日を過ごしました。

(その間、大長編「新・平家物語を執筆しています)

 

生涯で30回も転居した吉川英治

こんなに一つところに長く住んだのは

実に

ここだけです!

 

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多摩川の清流

 

終戦直後の2年間


色々思う所があって断筆している間


吉川英治は地元の人たちと親しく交わり

 

さらには

青梅市の名誉市民にもなっています。

 

私にとってもこの場所は

 

「新・平家物語の雰囲気とか

杉本健吉画伯が描かれた

「新・平家」の挿絵のイメージが

 

どことなく重なってくるような

 

現実世界にありながら

吉川ワールドの中にいるような

 

そんな感じのする

 

特別な場所だったために

 

閉館してしまった時には

かなりのショックと喪失感がありました。

 

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奥多摩の山並み

  

こちらの記念館は

1977(昭和52)年にオープンし

 

ピーク時には年間17万人もの来館者を迎えていたのですが

バブル崩壊後にはそれが10分の1以下に減少。

 

さらにその上

 

2009年から2015年にかけて

 

日本一の梅の名所として知られていた近隣・吉野梅郷の梅が

 

プラムボックスという病気のウィルスに侵されてしまい

 

その感染被害を防止するために

梅の木が軒並み伐採されてしまった事も

 

来館者の減少に追い打ちをかけてしまいました。

 

けれども

 

2016年から再び植えられた梅の若木たちは

少しずつ育ってきているようです。

 

 

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このたび

記念館を運営していた公益財団法人吉川英治国民文化振興会

 

記念館に隣接する居宅などもあわせて

青梅市に無償で寄付されたのだそうです。

 

2020年9月の再オープン後は

これまでイベント時などにしか公開していなかった母屋などを

常時公開する考えだそうですよ。

 

何はともあれ

吉川ファンとしては

この上なく

嬉しいニュース

です!!

 

関係各位の皆様

ありがとうございます!!

 

その頃には吉野の梅も

今よりもっと大きく育っている事でしょう。

 

再オープンの日が今から楽しみです。

 

 

吉川英治記念館

 

所在地 東京都青梅市柚木町1-101-1 

最寄り駅 JR青梅線二俣尾駅徒歩15分

 

梅の花咲く季節であれば日向和田駅で降りて

梅郷を経由しながら歩いて40分くらいです。

 

バス

青梅駅から都バス「吉野行」「柚木」下車

 

中央高速八王子I.Cより約1時間

圏央道青梅I.Cより約20分

 

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この先は

ネットを漁りながら

吉川英治記念館と併せて行ったら楽しいかも!

と思った所を選んでみました。

 

(※こちらは2019年12月11日時点の情報ですので、お立ち寄りの際には、最新の情報をご確認 くださるようお願いいたします)

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二俣尾駅石神前駅の間にあるお宿

「青梅石神温泉 

清流の宿 おくたま路」では

 

11時~14時30分(最終入館14時) 

日帰り入浴ができるそうです。

 

露天風呂ではなく内湯のみですが

かすかにタマゴの匂いがするアルカリ性単純硫黄温泉

お肌つるつるの湯だそうですよ。

 

料金

大人820円 小学生410円 幼児200円 

※レンタル タオル200円 バスタオル250円

 

所在地 青梅市二俣尾2-371 

電話 0428-78-9711

ホームページ https://www.tokyo-okutamaji.jp

 

 

 

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二俣尾駅の2駅隣

沢井駅を降りて徒歩5分の場所には

 

銘酒「澤乃井で有名な造り酒屋

「小澤酒造」があります。

(二俣尾から沢井は徒歩38分 車で7分 電車で13分)

 

こちらには

多摩川のほとりに面した

澤乃井園」という庭園があり

 

園内にある売店では

お豆腐や酒まんじゅうなどのお土産を買ったり

 

湯葉入り蕎麦やうどんなどの料理を食べる事も出来るそうですよ。

 

営業時間 10時~17時(軽食は11時~16時)

 

また

ここには

常時10種類ほどのお酒を試飲できる

「きき酒処」もあるんです!

 

お酒好きの方だったら

かなり楽しめそうなスポットじゃないですか?

 

きき酒処の営業時間

10時30分~16時30分

 

月曜定休 (祝日の場合は火曜日)

 

所在地 青梅市沢井2丁目770

 電話 0428-78-8210

ホームページ  www.sawanoi-sake.com

 

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※イメージです。

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乗換駅となる

JR青梅駅

下車徒歩4分の場所には

 

昭和レトロ商品博物館

という博物館があります。

 

もともと家具屋さんだった建物を改装して作ったというこちらは

 

昭和30~40年頃の

昔なつかし~い

お菓子、タバコ、薬などの

商品パッケージを中心に集めた博物館だそうです。

 

大人にとっては懐かしく

ヤングにとっては新鮮な

 

昭和レトロの世界で

心のタイムトリップ!!

 

なんて

いかがでしょうか?

 

 

入館時間 10時~17時

休館日 月曜日(祝日の場合は翌平日) 年末年始

入館料 大人350円 子供200円

※すぐ近くにある赤塚不二夫会館」「昭和幻燈館」とあわせた「3館めぐり」にすると 大人800円 子供450円 になります。

 

所在地 青梅市住江町65 

電話 0428-20-0355 (青梅赤塚不二夫会館)

ホームページ ome-akatsukafujio-museum.com

 

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※イメージです。

 

 

 

 

 

関連記事のご案内

 

 

 吉川英治のものすごさ

todawara.hatenablog.com

 

 

 吉川英治の詩歌のご紹介

todawara.hatenablog.com

 

 吉川英治「松のや露八」について

todawara.hatenablog.com

 

 吉川英治「剣難女難」について

todawara.hatenablog.com

 

 吉川英治直木三十五の友情

todawara.hatenablog.com

 

 

 

 

こちら、吉川英治先生を師と慕う

不肖わたくしめの本であります。

よろしくお願いいたします。

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爽快度100%!!!

 

台風スウェル

台風スウェル

 

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堤中納言物語~ホントウは「堤中納言兼輔」とは全く関係のない10編の短編小説集

今回は

平安時代から南北朝時代までにつくられたお話10編を

1冊の本にまとめた短編物語集

堤中納言物語

をご紹介いたします。

 

 

堤中納言物語と言えば

 

毛虫好きの風変わりなお姫様の話

「虫愛ずる姫君」

が収載されている事で良く知られているのですが

 

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本に付けられているタイトルから

この作者が

堤中納言という人

であるかのように思われるかもしれません。

 

 

実のところ

 堤中納言とこの本とは

 

全く

関係がありません。

 

ずっと昔

江戸時代には

 

この本の作者が平安時代に実在した歌人

堤中納言藤原兼輔

とされていた事もあったのですが

 

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ここに収められている話の中には

彼が生きていた時代よりも遥か後年になる

 

平安末期や鎌倉期

に成立されたと思われるものがあるため

 

現在ではこの説は

否定されております。

 

それではどうして

堤中納言物語

などというタイトルが付けられたのでしょう?

 

実のところ

それは

としか言いようがないのですが

 

現在一番有力となっている説は

 

まず

この物語の写本には古いものが無く

江戸時代以降のものしか見つかっていない所から

 

どこかの旧家に紙などに包まれて保管されていた古本の

その包み紙の上に、記し書きのように

「つつみ 中 物語」などと書かれていたのを

 

写本をする人が「つつみ物語」というタイトルだと誤解してしまい

 

さらに

平安時代歌人堤中納言兼輔」という人がいたことを思い合わせ

 

そうだ

これはきっと

堤中納言物語

というタイトルなんだ!

 

というように考えてしまったのではないか。

 

という説です。

 

とはいえ

このタイトルにまつわる説には他にも色々あるようで

 

真相の所はどうなんでしょうね?

 

 

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堤中納言物語」という書名が見られ始めたのも、近世になってからですからな。

 

自分が一切関与していないにも関わらず

タイトルにされてしまった堤中納言兼輔

今ごろ天国で

「?」

って首をひねっているでしょうね。

 

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ここに収められている10編のお話は

簡単にまとめると

以下のようになっています。

 

 

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「花桜折る中将」

(成立時代不明・平安中期か?)

 

 

ある春の夜

恋人の家から帰る途中の中将が、庭に桜の花が咲いている荒れ屋敷で、これから物詣に出かけようとしている美しい姫を垣間見た。

 

この姫は近々入内する事になっているのだが、彼はすっかり彼女に懸想してしまった。

 

そこである夜、この姫を盗み出しに行き、ほの暗い中、女を奪って家に帰ってみたところ

 

奪ってきた人は姫ではなく

姫の側に寝ていた祖母の尼だった。

 

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「このついで」

(平安末期成立)

 

 

春雨の降る、ある昼間

中宮の御前で中将と女房たちがしんみりした話を披露した。

 

中将の話

「妻のいる男がある姫君の元に通い、二人の間に子供が生まれました。その子供が慕ってくるので、彼は時々自分の家に連れて行ったりしていたんです。ある時、久しぶりにその姫の所に行き、帰ろうとした時にも、子供が一緒に連れて行ってもらいたがったので、連れて帰ろうとしたところ、女がひどく寂しがってみせたので、いじらしくなってしまい、子供を女の元に帰し、自分もそのままそこにいることにしたそうです」

 

中納言の君(女房)の話

「去年の秋ごろ清水に参篭した時、私の局のそばの局で趣のある人が泣きながらお勤めしたんです。私が満願になって帰ろうとした時、その人が寂しそうな和歌を詠んできたのですが、返事の歌は詠みませんでした」

 

少将の君(女房)の話

「私の祖母が東山のほとりにある寺で修行した時、私も一緒に行ったのですが、その時に上品で美しい女の人が髪を切って出家しているようすを覗き見てしまいました。あまりに気の毒になったので同情の和歌を書き送った所、その人の妹と思われる少女から返事が来たのですが、それがあまりに趣があって美しかったので、かえって自分の下手な歌が恥ずかしくなってきてしまいました」

 

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彼らがそんな話をしている時

主上がこちらにおいでになったので

女房達はそそくさと姿を消してしまった。

 

 

-----

「虫愛ずる姫君」

(平安末期成立)

 

かなりの美形でありながら

「装ったりつくろったりするのは良くないことだ」

眉も抜かずお歯黒も塗らない

按察使(あぜち)の大納言の姫君。

 

彼女は

「物の本体を追求するのが面白い」

虫が成虫に変化する様子などに大変興味を持ち

 

毛虫を可愛がり、たくさん飼ったりしているため

お付きの女房達には非常に嫌がられている。

 

けれどもそんな事

彼女は全く気にしない。

 

童たちに虫を取らせてきては

それを集め

彼らと共に大声を張り上げ

虫の歌を歌う。

 

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やがて

美形の貴公子右馬の介

彼女に興味を抱きはじめた。

 

彼は姫の元に

作り物の蛇と歌を寄越してちょっかいを掛けた。

 

それに対し

 

平仮名をまだ書けない姫は

片仮名で

「この世ではダメですが極楽浄土でお会いしましょう」

と返事を書いた。

 

その風変わりな返事に

ますます興味を抱いてしまった右馬の介は

友人の中将と二人で女装して按察使の大納言邸に忍び込み

姫君の姿を覗き見た。

 

彼女はかなりの美人なのに

化粧もせず髪もぼさぼさ。

そして

童たちと共に毛虫を集めている。

 

右馬の介と少将がこちらを見ていることに気が付いた姫は

簾の奥に走り込んでしまった。

 

「こんなに美しいのに、なんでこんなに変わり者なんだ!?」

 

姫が気になって仕方がない右馬の介は

彼女に恋の歌を書いて届けた。

 

お付きの女房達は

姫が彼に返事を書くかしら、どうかしらと待っていたけれど

なかなか返事を書きそうにもないので

女房の一人が姫に代わって返事を書いた。

 

人に似ぬ こころのうちは烏毛虫の

名を問ひてこそ いはまほしけれ

(まず、お名前を名乗ってくださいませ)

 

右馬の介は

 

烏毛虫に まぎるるまいの毛の末に

あたるばかりの人はなきかな

(毛虫ばりに毛深いあなたの眉毛。

考え深いあなたの心に

毛の末ばかりも及ぶ女性は他にはいませんよ)

 

そう言って笑いながら帰って行った。

 

(この後「続きは2巻にあります」と書きながら、

それきり話はブッツリ終わっています)

 

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-----

「ほどほどの懸想」

(平安後期成立)

 

 

親を亡くして頼りなく暮らしている姫君と

独身の貴公子、頭の中将がいる。

 

姫君に仕えている少女と、頭の中将に仕えている少年が恋人同士になった。

 

二人が

「お互いのご主人様同士も恋人になればいいのにね!」

と思っているうちに

 

頭の中将に仕える家人が

姫君に仕える女房に恋文を出すようになり

 

やがて

頭の中将自身も

姫君のもとに通うようになった。

 

しかし

 

元々テンションの低い頭の中将は

「どうしてこんなことになったのだろう……」

などと、冷静に思ってしまうのだった。

 

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-----

「逢坂越えぬ権中納言

(1055年 小式部作)

 

テンション低めの貴公子、権中納言が宮中の管弦の遊びに嫌々出席した後

 

中宮御所の女房達に

「数日後にある菖蒲の根合わせ勝負(根っこの立派さ比べ)に協力してください~!」

と頼みこまれ

なんとなく協力することになってしまった。

 

あんまり気乗りしない様子でありながらも

いざ勝負の当日となると

 

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ものすごく長い根っこの菖蒲を持って来た。

 

彼の協力のおかげでそのチームは勝利をおさめた。

 

後日の夜

彼は以前から想いを寄せていた姫君に対面を求めたのだが、断られてしまった。

 

だが、めげない彼は

姫君のお付きの女房が部屋を出た隙に

部屋に忍び込んでしまう。

 

しかし結局、彼女からは拒絶され

彼の想いは遂げられないのだった。

 

-----

「貝合」

(平安中期1053~1064年頃成立)

 

九月の月夜に浮かれ歩く蔵人少将。

 

彼がある屋敷を覗き見ると

この家の姫君(12.3歳の美少女)が腹違いの姉と貝合わせ(どちらがより凄い貝を持っているか)の勝負をするという事で

お付きの少女たちが準備のためにあれやこれや立ち騒いでいる所だった。

 

敵方は偉い人々に協力してもらって準備万端なのに

こちらの参謀は10歳くらいの弟君だけと、ひどく頼りない様子。

 

さらに

屋敷に乗り込んできた腹違いの姉は

ふてぶてしい様子で何だかカワイクないのだった。

 

物陰に隠れて様子を窺っていた少将は

屋敷の姫君を勝たせてあげたくなり、思わず歌など口ずさんでしまう。

 

それを聞きつけたお付きの少女たちは

「観音様のお告げだー!」

と大喜びをした。

 

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次の日

 

少将は小箱に色々の美しい貝を入れ

そっと彼らの元へ差し入れた。

 

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それを見つけた少女たちは

またしても

「観音様のお助けだー!」

と大喜び。

 

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その様子を物陰から

少将はジーッと眺めているのだった。

 

 

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「思はぬ方にとまりする少将」

 (鎌倉初期1200~1223年頃成立)

 

 

両親を亡くし、心細く暮らしている大納言の姫君姉妹がいた。

 

やがて

姉の元には右大将の息子の少将

妹の元には右大臣の息子の権の少将が通うようになった。

 

しかし

 

両少将とも

自分の恋人とは別の方の姫君にも

密かに想い寄せている。

 

ある時

二人の少将は

ひょんな手違いを装って

 

妹の恋人は姉を

姉の恋人は妹を手籠めにしてしまった。

 

貴公子たちは姉妹両方を恋人にして浮かれた気分。

だが

姉妹たちの方は精神的ダメージを負い、辛い気分なのだった。

 

 

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-----

「花々のをんな子」

 (平安中期 1000年頃成立)

 

 

恋の達人と自他共に認めている男が

かつて宮中で付き合っていた女が里帰りしていると聞いたので

秋の夕暮れ時

こっそりと訪れて行った。

 

垣根の側の植え込みに隠れ

のぞき見していると

 

たくさんの女たちが簾を巻き上げ

くつろいだ様子でいて

各々が仕えている女主人について

秋の草花に例えながら

噂話に花を咲かせている所だった。

 

夜になり

彼女たちが寝静まった後

まだ潜んでいた男が歌を吟じると

眠っていなかった女たちが騒ぎ出した。

 

実を言うと

十人いるここの姉妹の内

七人までが

この男と多かれ少なかれ関わりを持っていたのだ。

 

そして、この男は

まだ手を着けていない五の君に

今は恋焦がれ、狙っているのであった。

 

 

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「はい墨」

(平安後期 1124年頃成立)

 

 

身分は高いが、とぼしい生活を送っている仲良し夫婦がいた。

 

ところが夫は

さる偉い人の姫に恋をし、そこに通うようになってしまった。

 

姫の父親が彼に言った。

「妻帯者でありながらうちの大事な娘に手を出したんだから、ちゃんと屋敷に迎えてやって欲しい」

 

夫がそれを妻に話すと

身内のいない妻は泣く泣く屋敷を出て行き

昔の使用人が住む大原の家に向かって行った。

 

だが

その家の余りのみすぼらしさを見て

彼女を送り届けた使用人の少年は気の毒になってしまった。

 

彼が屋敷に戻り、それを夫に伝えると

 

夫は慌てて妻を連れ戻しに行き

平謝りに謝って

二人は元の鞘に収まった。

 

あくる日の昼間

 

夫はふいに思い立ち

くだんの姫君の屋敷に赴いて行った。

 

姫は真昼間なので、すっかり油断して

化粧もしていなかったため

大慌てでアタフタと化粧をしたところ

 

白粉と間違えて灰墨を塗りたくったため

顔が真っ黒になってしまった。

 

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その顔を見て

男はビックリして帰ってしまい

両親は卒倒してしまった。

 

姫はわけがわからず泣き出してしまい

乳母は

「あっちの妻が呪いをかけたに違いない」

と騒ぎ立て、祈祷などしていたのだが

 

涙で濡れた部分が元の肌の色に戻ったので

ただのドジであったことがわかったのだった。

 

 

-----

「よしなしごと」

(鎌倉~南北朝時代 1265~1385年頃成立)

 

 

ある女を身分の高い僧が隠し妻にしていた。

年の暮れ

僧が山寺に籠るから必要なものを貸してくれと言うので

女は必要道具を取りそろえやった。

 

その事を女が師として帰依している僧が聞きつけ

「わたしにもこれこれのものを貸してくれ」

そう言って寄越した手紙が振るっていた。

 

「私は浮世が嫌になったから隠遁したくなりました。

つきましては天の羽衣を下さいな。

無ければ破れ着物でも良いですよ。

 

立派なお屋敷が欲しいです。

破れ畳か菰でも良いですが。

 

家具調度も立派なのが欲しいけど

無ければ欠けたのでも良いですよ。

 

ごちそうも欲しいなあ。

無ければせめて

足鍋一つと長筵一枚と、盥一つくらいは欲しいです。

 

それらのものを

大空のかげろう、海の水の泡という召使に託してください。

 

この手紙は人に見せちゃ駄目ですよ。

そして返事は、天に下さいね」

 

 

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 この10編のお話以外にも

 

「冬の月の晩にふらふら出歩き、女の屋敷に入り込み

思う女がうちとけている様子を見たいと思って、そっちに行ったんだけれど……(そこで終わっている)

 

という内容の

物語を書きかけて止めてしまったような文章が

付けたしのように書かれているのですが

 

伝本によって話の順番が変わっても

この文章は必ず

「よしなしごと」

の次に来ているようです。

 

-----

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 正直なところ、お話として

「面白い」

と思えるものと

「は?」

と思ってしまうようなもの

半々という印象なのですが

 

その中でもやっぱり

「虫愛ずる姫君」の主人公は

個性がピリッと際立っていて

かなりの面白みを感じました。

 

考え方や行動がほとんど現代女性のようで

右馬の介への返事も

ぎこちない字しか書けないあたり

 

もしかしたら

 

現代の女の子が

平安時代にタイムスリップしたのでは!?

(で、彼女とそっくりの平安時代のお姫様が、

入れ違いに現代に来ていたりして)

 

なんて

想像してしまいます。

 

右馬の介との

あの後の展開は

どうなるのか!?

 

恋に発展するのか、しないのか

中途半端に終わってしまっているのが何とも残念です。

 

ここはひとつ

ブコメを書く名手の方に

 

ワクワクドキドキ

かつ

キュンキュンするような

続きの物語を書いてもらいたい所ですね。

(ガサツな私には無理っす)

 

 

 

堤中納言物語―付現代語訳 (角川文庫ソフィア)

堤中納言物語―付現代語訳 (角川文庫ソフィア)

 

 

 

 

 

関連記事のご紹介

 

 

和泉式部日記

todawara.hatenablog.com

 

 

 十六夜日記

todawara.hatenablog.com

 

 

 

 

 こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。

 

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台風スウェル

台風スウェル

 

 

 

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ニャンコさんが糸や紐を食べてしまうのは非常に危険なことなので用心した方が良いですよ。

今日はちょっと

ビロウな話になってしまうのですが

 

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今朝

我が家のミータ(ロシアンブルーの雄、もうすぐ9歳)のお尻が、ひどく汚れていたので

 

「三―ちゃんたら。

君はもうすぐ50代のジェントルマンになるんだから、身だしなみ位ちゃんと出来るようにならなきゃ駄目でしょう」

 

と文句をつけながらペーパーで拭いてやっていたら

 

お尻からピロっと

5センチくらいの糸が飛び出している事に気が付きました。

(この糸に排せつ物が付着していたため、汚れてしまっていたようです)

 

この糸は

彼がいつも乗っかっている電気シートにかぶせてあるクッションカバーのもの

 

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彼が爪で引っ掛けて

ボロボロに飛び出した部分のものを食べてしまったに違いありません。

 

 

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試みにそっと引っ張ってみると

「ニャッ!」

と鳴いて怒るので

 

腸や肛門を傷つけたら怖いと思い

お尻から1センチくらいの所ではさみで切りました。

 

(ニャンコさんが糸や紐を食べてしまって
口やお尻からそれが飛び出していた時には
絶対に無理に引っ張っちゃ駄目ですよ)

 

食欲も元気もあり

体内に残された糸の長さはおそらくそれほど長くはないと思われるので

今は様子を見ている所なのですが

 

ネットで調べてみた所

ニャンコさんが糸や紐状のものを食べてこのような事になるケースはかなり多いようで

 

しかもこれって

ものすごく

怖い事らしいです。

 

猫の中には

「異嗜」(いし)といって

食べ物以外の変な物を食べたがる子が結構います。

 

うちのミータも何故かビニール袋やゴムやホコリを食べたりしますし

 

かつて実家で飼っていたチーコという猫なども

大変に賢い猫だったのですが

ゴムを食べるのが好きという

変な癖がありました。

 

猫が食べる変なものの中には

危険なものも多くあるので注意をしないといけないのですが

 

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植物は「猫草」以外は大概危険!

 

その中でも

 

といったものは

食べた時の危険度

Maxなんだそうです。

 

 

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細い糸や紐状のもの

 

粘膜に貼り付いて腸を引きつらせてしまうことや

体内を通過するときに

柔らかい内壁を傷つけて壊死させてしまうことがあるばかりではなく

 

排泄されずにお腹に溜まり

腸閉塞を引き起こしてしまうこともあるんだそうです。

 

ニャンコさんが血便をしたり、便秘気味になったりして

食欲が落ちたり、水を飲まなくなったりしたら

腸閉塞の疑いがあり

 

命にかかわるため

開腹手術をしなければならなくなるそうです。

 

 

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ニャンコさんが糸や紐を食べてしまった時には

すぐにかかりつけの病院に連れて行くのが良い

のですが

 

糸や紐はレントゲンには映らないので

内視鏡検査……という事になると

かなり大ごとで

費用も相当な高額になってしまうそうです。

 

とはいえ

 

痛がる、とか、苦しがっている、とかの症状が出ているのでなければ

即座に内視鏡とか手術にはならず

触診とか問診とかがメインになるのではないでしょうか。

 

安心のためにも

掛かりつけのお医者様に見ていただいて

アドバイスをしてもらうのがベスト

でしょうね。

(などと言いつつ、私は家で様子を見ているわけですが)

 

まあ

 

恐ろしい事態になる可能性もあるにはあるのですが

 

もちろん

アッサリ、ウンチと共に排出されるケースもあります。

(そして、これが最良の結末)

 

 

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ニャンコさんは紐で遊ぶのが大好きだし

ニャンコさん用のオモチャには紐が付いている事が多いから

 

ウッカリ食べてしまわないように

 

遊んだ後には

片付けるなどして

気を付けておいた方が良いですよ。

 

また

 

糸や紐類を置かないように気を付けていても

 

彼らは

布製品に爪を引っ掛けて

糸を引き出してしまう

なんて事があるから

(うちのはそのバターン)

 

 

そんな所も用心しないと

ですね……。

 

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とりあえず、電気マットの上にクッションを置いて防御しています。

 

 

 

 

 

 

 

こちらは私の小説です。よろしくお願いいたします。

 

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台風スウェル

台風スウェル

 



 

 

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ピンクの金平糖みたいに可愛らしいヒメツルソバの花ですが、庭に導入するにはちょっと覚悟がいりそうですよ。

私は横浜に住んで、もう20年ほどになります。

 

引っ越してきた当初

 

街のいたるところに

このような雑草が生えているのに気が付き

 

「わー、金平糖みたいで超かわいい」

 

と思ったのですが

 

みなさんのお住いの近くには

この花、自生していますでしょうか?

 

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この植物

ヒメツルソバ

というのですが

 

私の実家(千葉)のあたりではほとんど見かけたことが無かったので

同じ首都圏

しかも、それほど距離も遠くない地域間で

 

生えている雑草が違うなんて~

ちょっとした驚きを感じてしまいました。

 

ヒメツルソバ

ヒマラヤ原産タデ科の植物で

別名はポリゴナムと言います。

 

海岸に自生しているツルソバという植物に似ていて

なおかつ

サイズが小さいから「ヒメ」なんだそうです。

(蕎麦の実が取れるわけじゃないようですね)

 

日本にやって来たのは明治時代で

 

観賞用として輸入されたものの

その丈夫さから

みるみるうちに野生化してしまったようです。

 

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とはいっても

 

千葉よりも横浜で多く見かけるのは

外国船が多く出入りしている港街だから

でしょうかね……?

 

ピンク色の丸くて可愛い

この花の花言葉

 

「思いがけない出会い」

「愛らしい」

「気がきく」

 

だそうです。

 

 

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とにかく繁殖力が旺盛

非常に丈夫な植物なので

 

ガーデニングではグランドカバーなどに使われたりするそうですよ。

 

花が可愛いらしいだけではなく

葉っぱも秋になると紅葉して綺麗。

 

 

ガーデニング情報を書いている方々のブログを拝見すると

 

ヒメツルソバの育て方のアドバイスとしては

 

肥料は必要なし!

害虫の駆除も必要無し!

水やりも特に必要無し!

 

とのこと。

 

夏の暑さに強く

 

冬の寒さにも

関東ぐらいの寒さであれば

 

たとえ霜で葉っぱが枯れたとしても

 

根っこからまた

 

ずいずいずいずい

芽吹いてくるそうです。

 

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ヒメツルソバは増え始めると

 

どんどんどんどん

勢力範囲を広げて

いきます。

(地面を覆うばかりか壁も這う)

 

 

だからこそ

グランドカバーに最適なのですが

 

あまりに旺盛すぎる繁殖力に

危機感と恐怖をおぼえ

 

「絶対に

地植えしては

ならない!!」

 

「地植えしてしまって大後悔!!」

 

と訴えているガーデナーの人々の声も

 

ネット上では

ちらほら散見されました。

 

 

他所で見る分には

「可愛い~」とか

「素敵~」とか

思うのに

 

いざ自分の所に植えてみたら

モンスターのように増殖しまくって

 

もう

どうにもこうにも

手に負えなくなってしまう……

 

それはまるで

 

かつてウッカリ地植えして

すごい事態を招いてしまった

我が家のツタのよう……。(T_T)

 

(家を覆い尽くしにかかって来るツタは、余りにも怖すぎたため、完全撤去してしまいました)

 

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ヒメツルソバの花は

大変可愛らしいですけれど

 

庭に地植えする場合には

 

ちょっと

覚悟が必要かもしれませんね。

 

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まさに「思いがけない出会い」

 

 

 

関連記事のご紹介

 

 

壁に張り付いていたツタの撤去について

todawara.hatenablog.com

 

 

 ショウジョウソウと妖怪「猩々」について

todawara.hatenablog.com

 

厄介だけれど綺麗で可愛い雑草たちについて

todawara.hatenablog.com

 

 

 

 こちらは私の小説です。よろしくお願いいたします。

 

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台風スウェル

台風スウェル

 

 

 

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