TODAWARABLOG

戸田蕨です。小説書いてます。よろしくお願いします。

春の味覚・フキノトウとノビルを摘んで食べてみました。

先日、実家に行った時

庭にフキノトウノビルが生えていたので、家に持ち帰って食べてみました。

 

フキノトウは、スーパーのお惣菜で天ぷらになっているのを食べた事がありましたが

 

ノビルの方を食べるのは、たぶん人生初です。

 

 

ノビル(野蒜)

ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属

 

ノビルは根っこの所を、1個だけ生でかじってみたんんですけど、結構いけるかんじでした。まんまネギって感じです。

 

今回は根っこの部分だけを野菜スープに投入してみたのですが、普通に美味しかったです。玉ねぎのミニミニサイズって感じ。

 

葉っぱの部分も根っこの部分も食べられるそうなので、お味噌汁に入れても良いかもしれないですね。

 

ネギが足りない時なんかに

その辺からサッと引っこ抜いて来て使えそうです。

 

 

ノビルは昔から薬草としても使われていたらしいですよ。

なんでも

滋養強壮食欲増進の効果があるとか。

 

そんなノビルの花言葉

「タフなあなたのことが好き!」

おお~、いかにも滋養強壮剤っぽい花言葉ですね。(^^;)

ノビルの方は

面倒な下ごしらえもいらず

たいへん手軽に使える感じなのですが

 

ちょっと難易度高かったのが

フキノトウ

 

 

妖精のように可愛らしいフキノトウ

早春に芽を出す

フキの花茎です。

 

 

フキ(蕗)

キク科フキ属

 

花言葉

「公正な裁き」

「真実は一つ」などなど

 

なんでやねん。

 

フキノトウはそのほろ苦さ

「春の味」

として珍重されているのですが

 

そのままでは苦すぎて、とてもじゃないけど食べられないので

まずはアク抜きをする必要があります。

 

その時

を使っても良いらしいのですが

重曹の方が早くアク抜きが出来る

ということなので

食用の重曹を買ってきました。

(掃除用の重曹を使うのは、なんとなく気分的に憚られたので……)

鍋に沸かしたお湯ティースプーン1杯分の重曹を投入し

そのなかに洗ったフキノトウを入れ、1分半くらい茹でました。

 

その後

引き上げたフキノトウを鍋いっぱいのに漬け

水が茶色くなるごとに、2回くらい水を取り替えました。

 

外葉をちょっと食べてみて、苦味が薄くなったので

まあ、これくらいで良いか~

と思うところでアク抜きは完了

 

これをどう料理するかが問題。

 

フキノトウと言えば

天ぷらが定番ですけど

揚げ物は面倒くさいからやりたくない!

 

もひとつ定番と言えば

フキ味噌ですが

これもいまいち心躍らない……。

 

さてどうする!?

 


悩んだ末、結局

鶏がらスープの素少々と塩コショウを加えて

オリーブオイルで炒めてみました。

 

 

食べてみましたところ

味の方は、まあまあでした。(良い感じのほろ苦さ)

 

完成品の画像が無いのは

お見せするほど

見映えするシロモノでもなかったからです。

なんかどす黒くなっちゃって……(^^;)

 

今にして思えば

ざく切りキャベツやベーコンと一緒にオリーブオイルで炒めて

バジルのパスタに和えたら、良い感じになったかもなあ……

 

まあ

春の味覚という事で

 

こういうのも

たまには良いんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

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映画「枯れ葉(Fallen Leaves)」の感想~テンション低めな大人のラブコメディ

先日、黄金町のジャック&ベティで

アキ・カウリスマキ監督の映画

「枯れ葉(Fallen Leaves)」を観てきました。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

内容(ごく簡単に)

 

独り暮らしの女性(40代くらい)アンサは、スーパーマーケットで働きながら

無味乾燥な毎日を淡々と送っている。

 

それほど余裕のある暮らしではないため

彼女は、店から出る賞味期限切れの食品を持ち帰って食べたりしている。

しかし

それは本来、廃棄される事が決められているもの。

彼女の行動はルール違反と見なされ、警備員にマークされていた。

 

 

一方

工場労働者の男性、ホラッパ(40代くらい)。

 

彼もまた

金属工場で粉塵まみれで働きながら

味気ない日々を送っていた。

 

 

いくぶんアルコール依存症気味の彼。

勤務中にも、コッソリ持ち込んだ酒を飲むことをやめられない。

 

 

そんなある日

 

ホラッパは、同僚に誘われて行ったカラオケバーで、アンサと出会う。

 

お互いに何となく、惹かれ合うようになる二人……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

この映画は、ジャンルとしては

「ラブコメになるんじゃないかと思うのですが

 

とにかく

主役の二人が終始仏頂面でニコリともしないんですよね。

「人生、ひとっつも面白い事なんか無いわ!」

みたいな佇まいなんですよ。

 

しかも二人とも

いとも簡単に仕事をクビにさせられちゃう。

 

一生懸命生きているのに

彼らに吹き付けてくる風は逆風ばかり。

 

そんなこともあって

特に話の前半から中盤あたりには

冷え冷えとした

重苦しいムードが漂っているのですが

 

明るさがことごとく抑制されていることにより

かえって

友人たちの優しさとか

二人が抱くほのかな愛情

じんわり暖かく感じられてくるところがありました。

 

不運でぶきっちょな彼らが

なんだか

次第に愛おしく感じられてきたりして……。

 

ワンコも可愛いかった。

 

どことなくレトロなムードと、生活感の厳しさが漂っているので

舞台は、少し昔の東欧かな?

なんて思っていたのですが

 

ウクライナとロシアの戦況がラジオから流れ

登場人物たちの会話から舞台がヘルシンキだと判明し

「え、ここって、現代フィンランド(首都ヘルシンキ)なの?」

────と、ちょっと驚いてしまいました。

(アキ・カウリスマキ監督はフィンランドの人)

 

 

だって

フィンランドといえば

福祉が非常に充実していることで知られ

世界幸福度ランキングでも

ここ数年間ずーっと連続で1位を獲得しているほどのお国柄じゃーありませんか。

(ちなみに日本の2023年度順位は47位…)

 

それなのに

このエラく生き辛そうな感じは何……?(@_@;)

 

────と思ったのですが

 

……う~~~ん

これは映画ですからねぇ……

すなわち

これが現代フィンランドのリアル

……ってわけでは、ないのかも?

 

とはいえ

 

隣の芝生は青く見える

と言いますように

 

パッと見

他所の国って

自分の国より良さそうに思えてしまいがちですが

 

実のところは、どこも

それなりに大変なのかもしれませんねぇ……。

 



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お菓子の「落雁」は何故「落ちる」「雁」なのか。

鎌倉の豊島屋といえば鳩サブレ―で有名ですが

私はここの小鳩豆楽っていう落雁が大好き。

 

小さい鳩さん形の、きなこ味の落雁なのですが

これがものっすごく美味しいんですよ(口溶けホロホロ~)

 

 

ところで

ギモンなんですが

 

一般的に

米、豆、蕎麦、栗などの粉に水飴や砂糖などを混ぜ、型に押し固め、乾燥させたお菓子落雁と呼んでいますが

 

なぜこれらのお菓子は

落雁という名前なんでしょう?

 

 

落雁という言葉自体は本来

カモ科の鳥、雁(かり、がん)の事を言っているのですが

べつに

この雁が「空から落下している」という状態ではなく

 


下の写真のように

広々とした大空を群れで飛んでいるさま

ですとか

群れで舞い降りているさま

をいいます。

 

 

日本には

中国・北宋時代に選ばれた 瀟湘八景(しょうしょうはっけい…瀟湘地域の八つの景勝地)を元にして

素敵な景色を八つ並べた

「〇〇八景」

と呼ばれる景勝地400か所以上あるのですが

 

その際、瀟湘八景と同じように、

場所の名前の後に

「△△の~」という形で

以下のような情景が続けられるケースが定番となっております。

 

晴嵐せいらん(晴れた日の霞) 

晩鐘…ばんしょう(夕暮れの寺の鐘) 

夜雨…やう(夜に降る雨) 

夕照…せきしょう(夕映え)

帰帆…きはん(湊に帰ってくる舟) 

秋月…しゅうげつ(秋の夜の月) 

落雁…らくがん(群れ成して飛ぶ雁) 

暮雪…ぼせつ(夕暮れに見る雪)

 

私の住む横浜にも「金沢八景」という所があります。

 

そして

お菓子の落雁なんですが

 

日本各地に数ある「八景」の中でも

最初期につくられたという

滋賀県にある近江八景

堅田落雁(かただのらくがん)」からとられた名前だというのが

今のところ通説とされているようです。

 

琵琶湖をのぞむ

満月寺(堅田にある)浮御堂のあたりに

雁の群れが舞い降りている情景────

 

風流ですなあ……。

 

その時の落雁には黒ゴマが配されていたので そのさまが雁の群れに似ていたのではないか、と言われています。

 

ところが……

 

近江八景の成立

一説には1500年ごろともいわれておりますが

現代では

江戸時代の初期

17世紀の初めごろなのでは?

────という説が有力なんです……。

 

実は

それに先立つ

室町時代文明年間(1469-1487)

 

山城国(京都)の坂口治郎という人が、すでに

「御所落雁(ごしょらくがん)

というお菓子を作り始めており

 

その後彼が移り住んだ

富山県井波地方では、今なお続く名菓になっているんです。

なんでも

蓮如上人(1415-1499)

このお菓子が大好物であったとか……。

 

うーむ……

 

そうなると、名前の由来が近江八景」説はどうなんでしょう……?

 

それよりは

本家の瀟湘八景」(北宋時代…日本では平安時代…に成立している)から取られた

────と考える方が自然なような気が、私はするのですが。(^^;)

 

左の四角いお菓子が井波名物の糸巻御所落雁(たぶん)

 

お菓子の落雁のルーツ

遠く西アジアから中央アジアにあると言われており

日本には室町時代

中国(明)から渡ってきました。

 

その時の名前は

軟落甘(なんらくかん)

 

 

落雁の名前の由来には

この軟落甘の「軟」を略して

「落甘」落雁という風雅な字をあてたのではないか?

という説も

もう一つの有力な説として語られています。

 

 

落雁の名前の由来は

そんなトコロなのですが

 

鎌倉みやげ

豊島屋の小鳩豆楽

美味しいので

ほんとおススメですよ!

 

それ以外には

鎌倉紅屋のクルミッ子

ニュージャーマンの鎌倉カスター

大船軒鯵の押寿司大変美味です。(^_-)-☆

 

 



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楽しいはずの仕事が何故、そろいもそろってブラック化してしまうのか。

小さい子供たちに、将来なりたい職業をたずねると

「ケーキ屋さん」

「保育園の先生」

「アイドル歌手」

「学校の先生」

と、夢のある答えが色々と返ってますよね。

 

ところが

気が付いてみると

 

昨今それらの職業が、かなりの割合で

ブラック化してしまっていると思いませんか?

私らが子供のころには

学校の先生公務員あたりが「ブラック」だなんて

ほとんど聞きませんでしたよね。

 

マスコミ関係ファッション関係

「なんかカッコイイ☆」

なんて目で見らていて

一般的に「ブラック」という認識はされていなかった気がします。

 

ところが最近は

 

教育・保育も、介護・医療

建築運輸も、飲食・小売・サービス業

金融製造業も、農業漁業

 

も~~~

どこもかしこも

ブラックだらけ!!

 

なんで!?

なんでこーなった!?

 

 

これ、思いますに

 

バブル崩壊90年代からこのかた

「失われた30年」といわれる

長~い不景気時代を経て

 

かつては

やり甲斐笑顔にあふれていた多くの職場が

殺伐とした搾取の場と化してしまったのではないかと……。

世の中全体の景気が悪く

会社の業績は振るわず

一度仕事を離れたら再就職は困難

────そんな状況下で

 

働く人々はおのずと

必要以上のサービス労働を強いられることとなり

経営者はいつしかそれを

「あたりまえ」

と見なすようになる。

(代わりの労働者なんていくらでもいるもんね~という傲慢思考)

 

かくして

ブラック職場

出来上がり。

 

────そんな流れだったのではないでしょうか。

 

 

日本人が国民性として持っている

勤勉さ、真面目さ、思いやり、他人の空気を読むところ

これらが都合よく利用され

結果

気付けば、ほとんどの業界が真っ黒になってしまっていたという……。

 

今、ブラック化していない業界ってあるんでしょうかね?

接客が好き

物づくりが好き

運転する事が好き

子供たちと触れ合うのが好き

そういう人は、潜在的たくさんいるはずなのに

 

業界自体がブラック化してしまった事によって、その世界に飛び込むことに躊躇してしまう……

そういうケースって、今、すごく多いんじゃないでしょうか。

 

仕事に対する能力

過重労働やパワハラに耐える事

この二つには本来何の関連も無いはずなのに

 

過重労働やパワハラ耐えられる事

その業界で働く大前提

みたいになってしまっているのは、本当、どうかと思いますよ。

 

だって、今の日本は

どこもかしこも労働者不足で困っているんでしょう?

 

そういうブラック状態をいつまでも解消せず

日本人が来ないなら

立場の弱い外国人の方々を使えばいいや~

なんて発想は

人種差別意識バリバリで恥ずかしいです。

 

 

仕事に熱心なあまり、ついつい自ら働き過ぎてしまう

っていうのも

これまでは美談のように語られて来ましたけど

 

長い目で見ると

職場全体の労働環境の悪化に繋がりかねず

他の同僚にとっては傍迷惑だったりしますよね。

 

 

 

マニュアルを超えたサービスとか親切さ

なんていうのも

される側としては嬉しいし、社会の潤滑油的な所もあるんだけれども

それが当たり前ってされると

ブラック化に繋がりかねませんよね。

 

そういうのも

あくまで例外という扱いにしておかないと。

 

人って往々にして

他人からは良く思われたいと考えるものですし

喜ばれたり褒められたりすると

やっぱり嬉しくて励みにもなりますから

ついつい頑張り過ぎてしまう事もあるかもしれないですけれど

 

今いる環境を

ブラック化させないためには

 

労働として決められた範囲を超えたサービス無闇に連発しない

過剰に頑張り過ぎない

というのは

結構大事な事なんじゃないかと思いますよ。

 

 



 

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幽霊は決して「祟らない」!!そう断言できる理由。

みなさん

亡くなった人の「祟る」ことってあると思いますか?

私は絶対に祟らない確信しております

 

幽霊みたいな

現在の科学ではまだ説明のつかない不思議な現象がある事自体は否定しません

 

私自身がかなり信頼している人でも

「お化けみたいなものを見た」とか

「不思議な物音を聞いた」

なんていう体験をした人は、結構な数でいますから。

 

世の中には、まだ解明されていない奇妙な現象が存在する事は確かなことでしょう。

 

しかし

 

幽霊(亡くなった人の霊魂)が

生きている人間に害を及ぼす。

────なんて事は絶対に無いと確信しています。

 

たとえ

姿が見えようと、声が聞こえようと、ラップ現象が起きようと

彼らにはそれほどの実行力影響力絶対にありません。

 

なぜなら

 

それが可能であったなら

死刑なんて制度は必要なくなるはずだからです。

 

 

無実の人が有罪にされてしまう…という可能性が常について回りますから

死刑なんてものは

できることなら無くなった方が良いんでしょうけれど

 

被害者遺族からしても、世間からしても

どうしても許せないほどの悪人ってものはいますから

無くすことができない必要悪なんです。

 

むごたらしく殺された人

怨みを飲んで死んでいった人

これまでに数えきれないほどいますよね。

 

でも

その加害者が被害者の幽霊に呪い殺された

なんて話

ここ最近の犯罪で聞いた事ありますか?

無いでしょう?

 

 

霊障があったとか

祟りにあったとか感じてしまうのは

自らの良心の呵責うしろめたさからくる

自己暗示に過ぎません。

 

もともと良心が無い人間

そんなものとも思っちゃいないんです。

 

良心が無い人間ほど

平気で酷い事をやり散らしますから

他人から恨みを買うことなんて

普通の人よりずっとずーっと多いはずなのに────ですよ?

ですから

 

「あなたの不調はご先祖様の霊が……」

とか

「成仏できない地縛霊があなたに取りついていて……」

なんて霊障をうたうのは

たいがいが

ただの不安商法です。

 

取り込まれないように

カモにされないように

くれぐれも気をつけましょう。

 

とはいえ私

個人的には

「怨霊が本当にあったら良いのに!」

とは思ってるんですよ。

 

だって

あまりにも、あまりにも酷い犯罪ってあるじゃないですか。

 

そんな加害者は、ぜひとも被害者の霊や、それを憎む他の人々の生霊によって

呪い殺されて欲しい

 

────残念ながら

幽霊の呪い無いですけど

 

事件を知って加害者を憎むようになった人々から、社会的な因果応報をされることは

結構あり得そうな話ですけどね……。

 

結局

本当にコワいのは生きた人間ってことですよね。

 

 

 

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江戸の妾(めかけ)の悪徳商売~飽きた旦那にオネショ攻撃!?

先日、北村鮭彦さん(1920-1998)がお書きになった

「おもしろ大江戸生活百科」という本を読みました。

 

江戸時代に関しての

知られているようで意外と知られていない知識が軽妙な文体で語られておりまして

たいへんに面白かったので、アッと言う間に読み終えてしまいました。

 

 

ところで

著者の北村さんのお名前なんですけど

 

「さけひこ」さんかと思っていたら

まさかの

「シャケひこ」さんで

はからずもウケてしまいました。(^^;)

さすがは元放送作家

(北村さんは放送作家として、芸術祭賞を3度も受賞されているそうですよ)

 

 

全編を通してどれも興味深い話ばかりだったのですが

中でも私が驚いてしまったのが

お妾さんにまつわる話でした。

 

お妾さんとか二号さんとかいう存在は

昔────昭和の頃までは

「社長さんのお妾さん」

なんて感じで

結構身近で聞いた覚えもありましたが

最近は、あまり聞かなくなりましたねぇ……。

 

お金持ちの旦那さんが、奥さん以外の女の人を第二夫人、第三夫人として迎える「お妾さん」

 

明治時代の一時期(明治3年)には

妻と同等の二等親として公認されたこともありますが

10年後の明治13年にはこれは取り消され

それ以後は

「奥さんも承知している存在であるので、不倫という訳ではない」

「男の甲斐性の一種」

みたいな感じで続けられてきました。

 

さて

このお妾さん

 

江戸時代には妾は奉公人の一種とみなされ

年あたり何両というお手当をもらっていたそうです。

奉公人であるからし

正妻との間は主従ということになりました。

 

大金持ちの町人妾宅を構えさせたりしましたが

 

武家の場合は

下屋敷に置くと世話係を付けたりしなきゃならず

お金がかかってしまいましたので

 

それほど金に余裕のない五百石程度の旗本

妾を本邸に置いて

使用人として使ったりしていたそうです。

 

 

妾の産んだ子がその家の当主の座につくと

その時初めて「生母」としての地位が与えられました。

 

しかし

 

もし正妻が亡くなったとしても

彼女たちは正室になる事は出来なかったんだそうです。

 

 

 

なぜなら

妾を本妻に直すことを禁じる法律

享保18(1733)年に出来てしまっているから……。

 

 

心の清らかな愛情深いお妾さんも多かった事でしょうが

中には

打算的商売上手なお妾さんも少なからずいたようです。

 

そんな彼女らにとってオイシイ奉公先

一に、中位下の大名家

つづいて大身の旗本

その次が大商人の旦那やご隠居さん

 

妾と旦那衆を繋ぐ斡旋役仲人(ちゅうにん)と呼ばれた人々がやっていて

契約が成立すると

旦那の方から、支度金がもらえたそうです。

(最低でも三両、大身ならば十両、二十両なんてことも)

 

江戸時代の1両は今のいくら? - 貨幣博物館 (boj.or.jp)

※「一両」の価値を知りたい方は、上記の貨幣博物館さんのサイトをご覧ください。(面白いです!)

仮に現在のお蕎麦1杯が500円だとすると、1両は20万3000円くらいになります。

 

 

彼女たちは

妾として迎えられた最初の内こそ

猫を被って良い子を演じていましたが

 

やがて

寝屋の睦言に

数々のおねだりを連発しはじめます。

 

旦那様の財産を

チューチューチューチュー

しぼれるだけ搾り取り

 

「も~そろそろ、良いかなー」

と思い始めた時に

都合よくお払い箱になるよう算段をします。

 

一体、をすると思います?

 

 

なんと

わざとオネショをするんです!!!!

「うまれつきの病でして、このごろはあまり症状が出なくなっていたのですけど……」

などと言いわけをしつつ

その後も何度か連発してやると

たいがいはお暇に出されそうです。

 

そこで手切金をたんまり頂いて

また次の旦那様を探しだす────と。

 

 

お妾の乙な病ひは寝小便

 

これは

「小便組」とか

「手水(ちょうず)組」

と呼ばれた妾の商法

 

武士、町人の区別なく

明和(1764年)から天明(1789年)までの間

江戸で大流行していたんだそうですよ。

 



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映画「PERFECT DAYS」の感想~お金やドラマチックさが無くとも「なんか良い」生き方。

主演の役所広司さんが

第76回カンヌ国際映画祭

最優秀男優賞を受賞されたことで話題の映画

「PERFECT DAYS」(監督 ヴィム・ヴェンダース)を観て来きました。

 

「幸せってなんだろう……」とか

「よき生き方とは……」などといった所について色々と考えさせられる

しみじみと静かな味わいの、素敵な作品でした。

 

 

【内容(ネタバレ無し)-----------------

 

主人公は、東京の下町で古いボロアパートに一人暮らしをしている初老の男、平山

 

彼は公衆トイレの清掃を委託されている会社に勤める清掃人で、仕事にやりがいと誇りを持っています。

 

趣味はもっぱら、古本屋で買った本を読む事と音楽鑑賞。

インターネットはやらず

使っているのはガラケーのみ。

 

独自の工夫を凝らした清掃道具をどっさり積んだマイカーで、作業場所に向かいつつ、カセットテープから流れる渋い洋楽を聴くのが好き。

 

 

仕事が終わると銭湯で汗を流し

行きつけの居酒屋で食事。

 

地味で無口で

たいがいの場面、一人きりでいる彼ですが

纏っている雰囲気は、なんだか幸せそう。

 

そんな彼の元に、ある日突然

家を飛び出してきたという10代の姪っ子ニコが現れ

つかの間、生活を共にするようになります。

 

彼女の登場によって次第に見えて来る

主人公、平山の背景とは。

 

彼はなぜ

今、こういう暮らしをしているのでしょう?────

 

------------------------------------------

 

────と

このような物語なのですが

 

お金地位名誉

広い家良いクルマを持っている事が幸せ

そうでない事は不幸せ

 

必ずしもそうとは言えませんよね。

 

同じような境遇にあっても

不幸だと感じている人もいれば

幸せだと感じている人もいる。

 

人それぞれの性格や捉え方の違いもあるし

自らの意志で

「やっている」のか

それとも

他の様々な要因から、仕方なしに

「やらされている」のか

その違って結構大きいんじゃないでしょうか。

 

つつましく暮らしている平山さんが、幸せそうに見えるのは

彼が自らその生き方を

「選んでいる」からであって

否応なしにその境遇に放り込まれているわけではないから……かもしれません。

 

 

とはいえ

 

トイレ掃除をしていようと

ボロアパートに住んでいようと

平山さんは役所広司さんだという時点で、外見的には充分カッコイイですし

 

読んでいる本(知的な文芸書)といい

聴いている音楽(通好みの渋い洋楽)といい

ことごとくセンスが良いですから

 

実は、元々彼自身に人から

「いいなあ……」

と思われる要素がたくさんあるんですよね……。(性格も良いし、品も良い)

 

その上、彼の周囲にも

ガラの悪い人粗暴な人

精神を削って来るような厄介な人は、ほとんど見当たりませんから

 

この暮らしは、ちょっと

ファンタジーかもしれないな……

とも思えてしまう部分も、あるっちゃあるんですよね……。

 

 

それはともかく。(^^;)

 

平山さんのように

「今」を大切に生きるという事が

幸福の実感というものに繋がってくるのかな……

ということを考えさせられたりはしました。

 

一般的に私たちって

将来とか老後とかいった、先々の事に不安を抱き

その不安を解消するために、現在の時間を使っている

────みたいなところがありますよね?

 

商店のディスプレイなんかにしてもそう。

 

常に季節を先取りしていて

クリスマスイブが終わったら正月ムード

正月が明けたら節分────ってな具合で

「今現在」の季節は見ていない。

 

せめてクリスマス当日の12月25日には

まだ正月飾りを出さないでおいてほしいですけどねぇ……。

 

先の事なんて

どうなるかわからない。

長い老後が来る人もいるけど

老後が無い人だって、実は結構な割合でいる。

 

未来への備えも確かに、ある程度は考えておいた方が良いでしょうけど

それに全振りして、今をおろそかにし続けていては、なんだか本末転倒

だって

人生「今」の積み重ねで出来ているんですから。

 

「今」をちゃんと実感しながら大切に生きて

死ぬときに

「楽しかった!悔いはない!」

と思って死ねるのが

良き人生ってもんじゃないかと思います。

 

 

最後に

この映画を観るにあたって

ひとつご注意を。

 

映画の終わりの所で

この物語にこめられた思いを知る一助となるような

ある言葉が示されますので

 

エンドロールが終わりきるまでは

席を立たない方が良いですよ!(^_-)-☆

 

 

 

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「幸せ」について考えていたら、立原道造の詩が沁みてきました。

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アラン「幸福論」を読んで思った事

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こちらは私の本になります。よろしくお願いいたします。